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やっぱり中小企業は「マッチョな兵隊」が好きなのか スカウトサイトで「体育会系」検索

就活時期の後ろ倒しの影響で「中小企業の採用活動」が長期化している。11月24日放送の「おはよう日本」(NHK総合)によると今年は11月に入っても、合同会社説明会に去年よりも20社多い80社が集まる異例の事態だという。

採用担当者たちは口を揃えて「先に当社に(内定が)決まっていても、大手に決まるとそちらにいってしまう」「苦難の一年ですね」と厳しい状況を訴える。そんな中、中小企業の間でさまざまな「採用支援ビジネス」が人気を集めているのだという。

「体育会系の部活に所属しているかどうか」が大事

中小企業には体育会学生が人気。

中小企業には体育会学生が人気。

今年は「後ろ倒し」に「売り手市場」が重なり、採用難となっている。とはいえ中小企業は採用専門の部署もなく、自力で手をかけることができない。そこで社外のサービスを利用する会社が増えているというわけだ。

ある採用代行サービスでは、採用が1人決まるごとに求人企業が50万円を支払う。決して安くはないが、背に腹は代えられない。現在の登録企業は6400社にのぼり、この1年で新たに800社が登録する人気ぶりだ。

企業が学生をスカウトするマッチングサイトも登場している。このサービスを運営する社長は「中小企業が不利なのは、社名だけではどんな会社か学生が分からない。企業からアプローチするのは当たり前だと思った」と話す。なるほど筋が通っている。

求人企業は、登録している学生の情報を自由に閲覧できる。特徴的なのは、人材のカテゴリーが「スタンダード」と「アスリート」に分かれていることだ。その理由は、中小企業が欲しい人材を探すときに、まず検索するのが「体育会系の部活に所属しているかどうか」だからだという。「学歴」はその後だ。

会社が求めるのは「自分のわがままを通すのではなく…」

登録されている就活生は、主将やマネージャーなど部活内での役割まで明示されている。企業は写真や自己PRを参考にして面接のオファーを直接送り、採用が決まると1人あたり30万円をサイトの運営会社に支払うしくみだ。

実際に利用している創業80年の大阪市の企業は、知名度の低さから説明会に学生がなかなか集まらず苦労してきた。オファーした大学3年生4人を会社に招き見学会を行ったところ、学生の1人から「会社の雰囲気も自由で楽しそう。ぜひ受けたい」と好感触を得た。

採用担当者は「見学会に来た学生のだいたい8割が次の選考を希望してくれる。以前よりだいぶマッチング率が上がった」と嬉しそうだった。

なおウェブサイトには、体育会学生に備わっているとされる特性として「粘り強く、諦めずにやり抜く」「倫理観が確立しており、緊急事態や苦しい状態などに対応する能力が身に付いている」「自分のわがままを通すのではなく、チームやパートナーのニーズを適切に分析できるといったスキルがある」といった項目が書かれている。

まるで「みんながサービス残業して働いているときに、ひとりだけ定時に帰ったりしない人」と言われているように感じてしまうのは、被害妄想だろうか。

「広い視野で柔軟に考えられる人」はいらないのか

ちなみに番組冒頭で登場した中小企業は、採用したい人物像を「広い視野を持って柔軟に考えられる人」と伝えていた。だが、サイトのしくみからすると「会社が決めた目標を必達してくれる人材が欲しい」というのが多くの中小企業のホンネなのだろう。

就活生に対しては、社会人の先輩から「大企業だけでなく、広い視点で企業を選ぶように!」と助言されることもあるが、会社の忠実な兵隊として働いてくれる体力と根性を有したマッチョな人材しか求めていないのであれば、中小企業が敬遠されてもしかたないのかもしれない。(ライター:okei)

あわせてよみたい:エディー前HC「日本人は従順な教育をされている」

 

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