公立校教員の過酷な労働環境 「時間内に仕事が終わらない」が8割超、過労死ライン超えも半数以上 | キャリコネニュース
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公立校教員の過酷な労働環境 「時間内に仕事が終わらない」が8割超、過労死ライン超えも半数以上

連合は10月18日、教員の勤務時間に関する調査の結果を発表した。調査は全国の公立学校に勤める教員1000人を対象に実施した。

月曜日から金曜日の学校内での労働時間は、平均で52.5時間だった。校種別では、小学校で52.6時間、中学校で56.5時間、高等学校で49.4時間だった。週60時間以上働き、過労死ラインを超える人は29.7%に上った。

自宅での労働時間は、0時間が44.5%に上ったものの、2時間以上4時間未満が14.7%、10時間以上が10.3%で、平均は2.8時間だった。土曜日と日曜日の学校内での労働時間についても、51.9%の人が0時間と答えているが、10時間以上という人も10.3%おり、平均は3.2時間だった。過労死ラインを超えて働いている人は全体の53.4%に上った。

管理職に早く帰るよう言われるも「持ち帰り仕事が増えた」が約半数

過労死ラインを超える教員が半数以上

過労死ラインを超える教員が半数以上

仕事量について「時間内に仕事が処理しきれない」に「とてもそう思う」と答えた人は54%、「まあそう思う」は28.8%で、合わせて82.8%の人が「そう思う」と答えている。

年代別では、20代の91.7%、30代の91.1%が「そう思う」としている。20~30代ではほとんどの教員が、時間内に仕事が終わらないと感じていることがわかった。

働き方改革が推奨される中、2018年度に管理職から早く退勤するように言われたという人は60.1%に上った。しかし、「持ち帰り仕事が増え、自宅での仕事を入れると総勤務時間は変わらない」という人が46.4%もいた。仕事の量が減らない限りは、労働時間を減らすことができないのが現実だ。

現在の仕事は働きがいのある仕事だと思うかどうか聞くと、「とてもそう思う」が37.3%、「まあそう思う」が50.5%で、87.8%の人は働きがいを感じている。

しかしいくら働きがいがあっても、勤務時間が長ければ、心身に披露が溜まる。9月以降にひどく疲れていたことが「ときどきあった」人は39.1%、「しばしばあった」は27.4%、「ほとんどいつもあった」は24.6%だった。9割以上の教員がひどく疲れていたことがあったと答えている。

またイライラしていることが「ときどきあった」は46.8%、「しばしばあった」は22%、「ほとんどいつもあった」は8.9%だった。教員には、十分な休息を取って、穏やかな心で生徒に接してほしいものだ。

授業準備や成績処理を「業務」とするような制度の見直しに約9割が賛成

現在の勤務時間に関する制度では、授業準備・成績処理・調査報告物の作成などは、勤務ではなく教員による自発的な行為とされている。これらの業務を勤務とするような制度の見直しに「賛成」する人は64.6%、「まあ賛成」という人は21.6%だった。

また教員にも残業代を支払うように制度の見直しを行うことについては「賛成」が64.1%、「まあ賛成」が22.2%だった。

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