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日本の労働生産性は先進国最下位! 一体どうすればいいの?改善策まとめ

働き方改革で改善が謳われている「労働生産性」。これは、国内総生産(GDP)を労働者の数で割ることで求められる。この数値をさらに労働時間で割ると、就業1時間当たりの付加価値額を示す「時間当たり名目労働生産性」が得られる。

世界的に見て日本の生産性は低いと言われているが、具体的にどの程度低いのだろうか。そして、その改善のためにどのような取り組みが行われているのだろうか。

日本の生産性は37年連続で先進7か国中最下位

生産性を上げるにはどうしたらいいんでしょう

生産性を上げるにはどうしたらいいんでしょう

2017年12月、日本生産性本部は、日本の時間あたりの労働生産性はOECDに加盟する35か国中20位で、先進7か国の中では最下位だったと明らかにした。

GDPの上昇と働き方改革による労働時間短縮により、日本の時間あたりの生産性は46ドルとなり、前年より1.2%上昇している。しかしながら、1位のアイルランド(95.8ドル)と比較すると、日本の時間あたり労働生産性はその半分にも及ばない。

データを取ることができる1970年以降、日本は37年連続で20位前後に留まり、先進7か国中最下位の記録も更新し続けている。【→詳しく見る】

特に生産性が低いのはサービス業 業種によってはアメリカの3割台

同組織が2016年12月に発表した調査結果は、特にサービス業の生産性が低いことを示している。米国の就業1時間当たりの労働生産性水準を100とすると、2010~2012年の日本のサービス産業の時間当たり労働生産性水準はその49.9%しかないことが明らかとなったのだ。業種別の内訳を見ると、この中でも特に低いのは卸売・小売業の38.4%、飲食宿泊の34%だ。

生産性を計算する際の分子となる「生産量」とは、すなわちサービス対価のことであり、サービス業に従事する人の給与にも反映される。日本人の平均年収が約400万円だった2012年時点で、卸売・小売業に限った平均年収は356万円、さらに宿泊業・飲食サービス業では235万円と平均を大きく下回っていたため、この分野で特に生産性が低いのも頷ける。【→詳しく見る】

日本の生産性は長いバカンスのあるイタリアやフランスよりも格段に低い

日本人の夏休みの平均日数が3.9日であるのに対し、イタリアでは8月頃に1か月近くの長期休みを取る人が多い。それだけ日本人の方が長く働いているわけだが、2015年度の労働生産性の順位では日本が21位のところ、イタリアは10位と大きく水をあけられている。

また、フランスでは法律で5月1日から10月31日の間に4週間の有給休暇を取得しなければいけないと定められており、こちらもバカンス大国だが、その労働生産性順位は7位。

日本人は少ない休みで仕事に勤しんでいるものの、労働生産性は低いことがはっきりとわかる。【→詳しく見る】

「労働時間が短いほど生産性は上がる」政府の指摘に「今更過ぎ」と怒りの声

内閣府が2017年7月に発表した報告書では、「労働時間が短いと生産性が高い」ことが指摘されている。OECD加盟国との国際比較から、労働時間が10%減少すると、1時間当たりの労働生産性が25%高まるという。

長時間労働の改善が生産性の向上に結び付くのは、「労働者のモチベーションを高める効果」があるからだ。さらに、企業に優秀な人材が集まりやすくなり、従業員が継続して働くことで採用や教育にかかるコストが低下することで生産性の向上につながるという。

こうした内容が報道されると、「気付いてた」といった声が相次ぎ、政府の今更の指摘に怒りを露わにする人もいた。【→詳しく見る】

「集中力を2倍に」 ブラックすぎる企業の生産性向上策が話題に

近年は働き方改革の一環で長時間労働の是正が推進されており、これは生産性向上に繋がるものだ。他方で、とんでもない生産性向上策を打ち出す企業も存在する。

ツイッターでは、「偉い人が『社員の生産性を向上させる』という打ち合わせをした結果『集中力を2倍高めて生産性を2倍にする』という結論だった」という投稿が話題に。

他にも「人員が20%減っても、残った全員が能力を20%向上させれば問題ない」と言われたというエピソードも飛び出し、業務効率化や労働環境改善ではなく、従業員が「もっと頑張る」ことで現状打破しようと考える経営陣がいることが明らかになった。【→詳しく見る】

労働者のモチベーションを高める施策を

働き方改革に取り組む企業が増え、労働時間の短縮や休暇の取得を奨励する動きが着実に広まっている。一方、労働時間が減少するのに伴い、収入も減少するケースも出ている。

このような労働者の意向に沿わない形での単純な労働時間の圧縮は、逆に労働者のモチベーション低下や離職にもつながりかねず、大きな生産性の向上は見込めないだろう。

労働時間が短いほど生産性が上がるのは、それが労働者のモチベーションの向上や、長期勤続に繋がるからだ。すなわち、生産性の向上に必要なのは、労働者の意欲を掻き立て、長く勤めたいと思わせる魅力的な就労環境を作り出すこと。

政府に言われるがままに制度だけ作ってみても、職員のモチベーションは上がらない。経営者には、労働者の声に耳を傾け、彼らと一緒に職場の改革を行う姿勢が求められているのではないだろうか。

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