「静かな女性差別」に気づいた30代男性管理職の投稿に反響 女性比率が高くても経営会議は男性だけ、という会社 | キャリコネニュース - Page 2
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「静かな女性差別」に気づいた30代男性管理職の投稿に反響 女性比率が高くても経営会議は男性だけ、という会社

いざ自分が出席して当事者意識を持つまで、その比率について考えたこともなかったという投稿者。

「だからその時はじめて、この会社の意思決定に女性は1ミリも参加していないとわかった」

と綴る。女性のマネージャーがいないわけではないが、裁量権のない小さなチームの責任者というだけ。「便宜上マネージャーと呼ばれているだけで、『女性にも役職与えてますよ』っていう対外的なポーズにしか過ぎなかった」と驚愕していた。さらに、いくつか気づけたこととして、「社員の女性比率」についてこう語る。

「中世の『貴族に対して農民が多い』ってのとまったく同じ状況」
「むしろ少数のおっさん達が、出世させる気のない存在、つまり『愛玩労働者』としての若い女性を採用している。愛玩労働者に求められるのは、業務遂行能力と愛嬌と、良い感じに働いた後に転職してくれることだけだ」

このほか、「女性社員の昇進」について「彼女らはスキルアップしないのではなく、させてもらえないのだ」と指摘。たとえ大きな成果を出せても功績を認めない場合も多いという。また、賃金を抑えてバリキャリママを使いたい経理マネージャーが、「働くママを応援!」と求人広告を出したしらじらしさも明かしている。

投稿者は、自分が出世した理由は「自分が男性だったからというだけ」と素直に喜べない気持ちや、自分が今と同じ仕事能力を持った女性だったら、今と同じ地位や給料でいられるのかなど、複雑な心情を綴っていた。

「気づいて疑問に思ったおっさんがいて良かった」という称賛多数

はてなブックマークは600以上のコメントがつき、「せっかく気づいたのだから今後を変えてほしい」という要望が多かった。

「気づいてくれたおっさんは偉い。その偉い立場で経営会議に参加できる女性マネージャーを推すのだ」
「これが現実だよ。気づいて疑問に思ったおっさんがいて良かった。これを機に変化が起こり続けて欲しい」

また、労働待遇の低さにあえぐ女性の声も複数ある。「結婚して出産して人生ステージ進めるたびに総合職から事務職、正社員から非正規になった」と書いた人は、

「出産後に1000円満たない時給しか選べなかったとき本当に虚しかった。『貴族と農民』『愛玩労働者』とか、妙にしっくりくる」

と綴っていた。能力が落ちた訳でもないのに、労働力を買い叩かれる虚しさを感じている人は多い。「ただでさえ人口減ってきてるのに、人間の半分の才能を有効活用せずに捨ててるんだから、アホな話だよ」など、社会批判も多数寄せられている。

後世に差別を引き継がないために、まずは気づくことが大切

差別の度合いは企業体質によって違うだろうが、投稿者の気づきはアラフィフ女性の筆者からしてみると「何をいまさら」という気はする。世界各国の男女平等の度合いを指数化した「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」(2019年12月世界経済フォーラム発表)では、日本は153カ国中121位と過去最低、主要7カ国(G7)では最下位となっている。だが、これを気にしている人はどれほどいるだろう。

男女雇用機会均等法が成立した1980年代、ある経営者は「女性活躍ってのはいい時代だね。安い賃金で大学とか大学院出た人たちが働いてくれるんだからね」と言ったという。差別しているほうは、している自覚もないことが多いのだ。30年以上変わっていないのかと虚しくもなるが、後世にこうした状況をそのまま引き継がないために、まずは気づくことが大切なのだろう。

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