環境とお客様への優しさを両立。「アサヒ ラベルレスボトル」の誕生秘話。 | キャリコネニュース - Page 2
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環境とお客様への優しさを両立。「アサヒ ラベルレスボトル」の誕生秘話。

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私たちアサヒ飲料は、「アサヒ ラベルレスボトル」開発、販売に取り組んでいます。2018年から始まったこのプロジェクトの裏側には、長期的な視点を持ち、大きな壁を乗り越えた社員の奮闘がありました。2020年現在で「アサヒ おいしい水」ブランドの商品開発・販売戦略を担う河野 裕一郎よりご紹介します。【talentbookで読む】

「アサヒ おいしい水」天然水 ラベルレスボトルの誕生

昨今、プラスチックごみによる海洋汚染が深刻化し、社会課題となっています。そのような中、アサヒ飲料は大手飲料メーカーの中で先んじて「ラベルレスボトル」商品を開発、販売しました。

「ラベルレスボトル」商品とは、「人にやさしく、地球にやさしい」をコンセプトに、PETボトルに貼付しているラベルをなくしたもの。廃棄物量削減による環境負荷の低減と、ラベルをはがす手間を省き、使いやすさに考慮したケース販売専用商品です。「アサヒ おいしい水」天然水 ラベルレスボトルは、2018年5月から販売を開始し、人と地球に優しい飲み物を目指して、取り組みを推進しています。

お客様にとって、顕在化している不満ではないけれど、かなえてもらえると嬉しくなる、そんな痒い所に手が届くような商品なので、「いいね」と感じてもらえるのかなと。「環境に配慮した商品を選びたい」「分別するときにラベルをはがす手間を減らしたい」そんな声をもとに、私たちも“ラク&エコ”を掲げています。これらをしっかり社会にアピールすることが重要です。

この取り組みは、お得意先の発想と当社の想いをかけ合わせる形でスタートしました。“新しい価値を創造する”+“環境に良いものをつくる”ということがお客様に認められたのだと思います。

当社の水カテゴリーは、ラベルレスボトルや長期保存水などお客様に支持される付加価値を重視して商品を開発しています。人や地球に目を向けて、こういった「ラベルレスボトル」商品が生まれたという感じですね。

「ラベルレスボトル」商品に関わることになったきっかけや思い

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私自身は2008年4月、カルピス社に新卒入社しました。入社した理由は、消費財、つまり多くの人から手に取ってもらえる機会がある商品を手掛ける企業へ入りたかったからです。

入社後3年間は広島で、その後6年間は札幌で営業として経験を積みました。そこでは担当企業の売上・利益予算の達成のためのデータ分析、MD提案などを実施していました。また、人と仲良くなるためにはどうしたらいいか、ということを学んだのもこの営業時代です。

2016年にカルピス社とアサヒ飲料が合併し、いろいろなカテゴリーの飲料を扱う環境となりました。その中で私が担当したのは、「水」。水は生きていくのに必要な商品なので、そうした商品に携われることはありがたいと思っています。また、水は手掛ける企業が多く、他社との差別化が難しい分、考えなければいけない点が多いことがやりがいです。

2017年4月から、現在のマーケティング部門に所属。もともとは「ラベルレスボトル」商品の担当ではありませんでした。2018年1月頃、発売直前に商品開発の担当となり、そこから実務担当者として業務を進めています。

担当になった当時、具体的に「ラベルレスボトル」商品を開発、発売するにあたっての課題が大きく二つありました。

まずひとつ目は、社内の協力をいかに素早く得ていくかということです。通常だと半年以上はかかるものをそれより短いスパンで進行するために、一ブランド、一商品としてではなく、「ラベルレスボトル」商品という革新的な飲料を業界に先んじて開発、発売する目的をしっかり社内に伝えることで理解を得ていきました。

二つ目は、生産工程の変更です。ラベルがないということは、それをはがすだけでしょ?と思われてしまいがちですが、生産工程において、簡単そうだけれどもクリアしなければいけない課題がいくつかあったのです。それを日単位で管理して進めて行きました。

短いスパンで進行するとかなりイレギュラーな依頼が必要となり、関連部門にもそこまでしてやってもらう意義を理解してもらうことは正直大変でしたね。会社全体や未来のために、長期的な視点で意義があることを伝え、納得してもらうことが出来ました。立場の違う相手から協力が得られるにはどうしたらいいか。それをこの経験から通して、学ぶことができました。

“ラク&エコ”──お客様にとってのラクを提供し、エコにつなげていく

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2020年4月からは、商品開発に加え、販売戦略も担当。今取り組んでいることは、「買ってもらい、ファンになってもらってリピートしてもらうこと」なので当初とやることは変化しています。

たとえば、当社が持っているLINEアカウントでクーポンをお渡しして買ってもらったり、スマートニュースで配信したりということをしました。「ラベルレスボトル」商品はECチャネルを中心にケース販売されているので、たとえ存在を知ってもらっても買える場所を知らないとお客様の手には届きません。ですので、買える場所をセットでお伝えするようにしています。

いろいろ大変なこともあった中で、担当して良かったと思えたことは、自分の身近な人に声をかけてもらえたことです。ヤフーのトップニュースに載ったことなどをきっかけに商品を知ってもらい、周りの友人から声を掛けてもらえたことは自分にとって嬉しかったですね。マーケティング部門のやりがい、そして新商品を世の中に出すことのやりがいを感じました。

最近の流行りとして、エシカル商品への関心が増えていることや、「もったいない精神」も見直されています。その中で、メーカーとしてやっていく意義は大きいと思っているものの、一方でやはり自分の普段の生活はそう大きく変わらないのが実情です。

“エコ”だけだと、遠い未来のような話に感じられてしまう。だとしたら、それだけではだめで、お客様にとってはやはり“ラク”が必要なんです。“ラク&エコ”という風にあくまで“ラク”が先という伝え方を意図的にしています。そのいい塩梅を見つけていくという感じです。

通販サイトのレビューでは、とくにママさんなどから「たしかに、言われてみたら(いちいちラベルをはがすのは)大変だった」や、「地球のためになるならこちらを選ぼう」という感想をいただきました。なかには「年を取った自分の両親に贈ろう」という声も。

誰かのために少しラクなものを買ってあげようという気持ち、誰かのために買うというのは、自分のために買うことよりも、より強い購買行動だと思います。また、今後はその先の「ラクして生まれた時間を、今度は誰かのために使える」ということまで設計してお伝えしていきたいと思っています。

ちょっとした幸せをつくること。「ラベルレス=アサヒ」を目指して

▲2018年発売当時の社内浸透ポスター

▲2018年発売当時の社内浸透ポスター

今後やっていきたいと思っている取り組みは二つあります。ひとつは、「ラベルレスボトル」商品のラインナップをさらに増やすこと。水に加えて増やしたものとして、たとえば、「アサヒ 十六茶」だったり、「ウィルキンソン」ブランドがありますが、さらなるブランドも検討し、お客様が選べる選択肢を増やしていきたいと考えています。

私たちアサヒ飲料は、「三ツ矢サイダー」、「カルピス」、「ウィルキンソン」といった古くから皆さんに親しまれているブランドを持っています。そこに環境や社会貢献という視点を付け加えるということは、それらのブランドをより磨くことに繋がると思うんです。

そしてもうひとつは、まだまだ「ラベルレスボトル」商品が手に取れる環境は少ないので、スーパーの店頭でも手に取れる環境をつくることです。間口を広げるために、この二つの取り組みを行っていこうとしています。

社内に発信することは、外に発信するための第一歩です。なので、社内の人を動かすこと、社内の人に「面白いことやっているな」と思ってもらうことが重要だと考えています。つまり、いくら僕らが発信していても、スーパーなどのお得意先と接する社員が魅力を理解し、伝えていかないと間口を広げることはできません。

せっかく、僕たちは大手飲料メーカーの中でも一早く「ラベルレスボトル」商品を展開し始めたので、「ラベルレス=アサヒ」というイメージをまずは社内に浸透させていきたいですね。

入社当時、身近な商材を扱っている企業で、より幅広い人たちの生活を豊かにする、幸せになるきっかけづくりをしたいと考えていました。ちょっとした幸せを感じる一瞬をつくることに携わる、ということです。あくまでお客様を先に見て利便性を考えた上で、しかも環境に良いといったように。今現在も自分自身のビジョンとしてその様に考えています。

自分の考え、会社の方向、そしてブランドの方向の3点が合致していると仕事はやりやすいですよね。僕は楽しくやっています。こうした当社の考え方と合致し、「新しいアイディアを形にしたい」と思う方々と今後一緒に働けたら嬉しいです。

アサヒ飲料株式会社

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