【鹿児島県沖永良部島/地域おこし協力隊募集】求む!海の幸から島発ヒット商品を生むシーフードプロデューサー | キャリコネニュース - Page 2
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【鹿児島県沖永良部島/地域おこし協力隊募集】求む!海の幸から島発ヒット商品を生むシーフードプロデューサー

沖永良部島(おきのえらぶじま)は、沖縄本島から与論島を挟んだ場所にあり、歴史的に薩摩よりも琉球の影響が濃い。軒先にシーサーがいる家も珍しくなく、食文化もほぼ同じだ。

▲赤、緑、そして青がアイコンカラーの沖永良部島。(写真提供:和泊町)

▲赤、緑、そして青がアイコンカラーの沖永良部島。(写真提供:和泊町)

▲ドローンで撮影された8K映像(映像提供:和泊町)

人口は12,120人(2020年12月時点)。東に和泊(わどまり)町、西に知名(ちな)町が並ぶ。赤土とサトウキビ畑のコントラストが目立つ、東シナ海と太平洋に挟まれた島。オカリナの形で、冗談交じりに「ナイキのマーク」と言う人も多い。太古にサンゴ礁の隆起により生まれたため琉球石灰岩で覆われ、毒ヘビのハブがいないのはその地質ゆえとも言われる。

▲200~300の洞窟が地下に眠り、ケイビングも人気。中央の人影から大きさが分かる。(写真提供:沖永良部島ケイビングガイド連盟)。

▲200~300の洞窟が地下に眠り、ケイビングも人気。中央の人影から大きさが分かる。(写真提供:沖永良部島ケイビングガイド連盟)。

そんなハブの不在も影響してか、島民性は「おっとり」、農業中心のためか「根気強く」「シャイ」。忘れてはいけないのが「ジョギング好き」。毎年3月に行われるジョギング大会の島民参加者数は、2000人前後にのぼる。今年はコロナ禍で中止になってしまったが。

▲2019年度に開かれた『花の島沖えらぶジョギング大会』の様子(写真提供:和泊町)

▲2019年度に開かれた『花の島沖えらぶジョギング大会』の様子(写真提供:和泊町)

田舎だが、空路と航路ともに沖縄や鹿児島とつながっており、大型スーパーもある。観光よりも農業人口が多く知名度も低めで、「ほどよい規模で落ち着ける」と最近は若い移住者も増えている。台風のときだけはちょっと大変、いや場合によってはかなり大変だけれども。

今回地域おこし協力隊を募集する地域は、和泊町。担当者は経済課の安田拓(やすだたく)さん。Uターンして入庁12年目、島の漁業が抱える課題に取り組む。ガッシリとした体格とよく通る声が印象的な、名刺の『情熱営業マン』の通り情熱と行動力の塊のような人だ。

▲和泊町役場にて撮影、収穫期を迎えた町花のテッポウユリといっしょに。

▲和泊町役場にて撮影、収穫期を迎えた町花のテッポウユリといっしょに。

時代とともに疎遠になった島魚と島人

沖永良部島のセリは、日曜を除き毎朝9時に行われる。

▲9時になる頃には仕入れに来た仲買人たちで溢れ返るセリ場。

▲9時になる頃には仕入れに来た仲買人たちで溢れ返るセリ場。

▲水揚げされて間もないシイラやキハダマグロなどの大型魚。

▲水揚げされて間もないシイラやキハダマグロなどの大型魚。

▲セリがはじまり、今日揚がった水産物がセリにかけられる。

▲セリがはじまり、今日揚がった水産物がセリにかけられる。

仲買人は、島の鮮魚店や飲食店、あとは片手で数られるほどの大型スーパーの担当者。店で扱う鮮魚の質が、味はもちろん、店の評判と、長い目で見れば将来だって左右する。ましてや今のコロナ禍。『おっとりでシャイ』という島民性も、勝負の場では入り込む余地なし。

目利きたちの鋭い視線が鮮魚たちに注がれ、値が決まったら鮮度を落とさないうちに売りさばかれて、それぞれの店へ持ち帰る。30分も経つ頃にはセリ場から魚も人も消えていた。

だが実は、ここに出され島内に行き渡る水産物は漁獲量全体の1/3程度に過ぎない。残りの2/3は沖縄と鹿児島へほぼ半分ずつ送られる。外洋に囲まれた島でありながら、島民が地魚を食べる機会は決して多くない。だが魚が嫌いという訳でもない。なんだったら『島外に送られる一方で、島外から送られてきた魚を食べている』という不思議な現象が起きている。

島魚を売ってほぼ半世紀、池田鮮魚店の池田芳枝(いけだよしえ)さんは、島民の味覚の変化を語る。「味の嗜好が変わったね。アカマチ、アオダイ、ミーバイ、今となっては年配者しか買わなくなった。現代人はマグロとイカと…カンパチとか。なんせ魚を知らない」。

▲子どもたちもお店は気になるけれど…?

▲子どもたちもお店は気になるけれど…?

背景には、国内の流通網が広がり、食の選択肢が広がったこともあるだろう。今や海外から仕入れる分にも苦労は少ない。太古の昔から長く長く、本土とは海で隔てられていた離島にとってあまりに大きすぎた時代の変化。その利便性が皮肉にも、島民と島魚の間に新たな隔たりを生んだ。それに伴って生まれた『漁業人口の減少』が、今島が直面している課題だ。

この12年で、漁師を本業とする正組合員の数も45人から32人と3割減。もともと島は農業が盛んで農家と漁師を兼業する人も多く、相対的に漁業人口は多くない。だが島の人口減少と少子高齢化からさらに減り、そこにダメ押しのコロナショックで島外の需要も落ち込んで、危機意識は最高潮に達している。

しかし、これまで島の漁業関係者が何もせず手をこまねいていた訳ではなく、むしろ10年以上前から巻き返す手筈を整えてきた。その大勝負で迎え入れるキーパーソンが地域おこし協力隊として迎え入れる人物であり、「あなたかもしれない」という訳だ。

島の漁業の未来は、『商品開発』に活路アリ。

「カジキマグロやソデイカなんかだと、漁師が一週間かけて南大東島(沖縄県)まで行くんですよ。10kg級のソデイカなんかは一本1万2000円~3000円もの値が付いて、回転寿司のネタによく使われます」

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重厚で落ち着いた声の主は、沖永良部島漁業協同組合で組合長を務める東善一郎(あずまぜんいちろう)さん。関西で生まれ育ち、30歳で両親の故郷である島に帰り40年あまりが経つ。民生委員や議員、町の議長を経て、平成21年から現職に就いている。就任直後から島の漁業の未来を案じ、島内外への自身のネットワークを活かして対策と準備を進めてきた。

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セリ場に残されたソデイカのゲソは、その象徴だ。これは正確には売れ残ったのではなく、一定以上の値がつかなければ漁協が買い取りストックしている。目的は3つ。1つめは、島の行事のため。2つめは、台風などにより流通リスクが常に伴う、島における危機的状況を回避するため。そして3つめが、大きく新たな市場を見据えた『商品開発』のためー。

続けて東さんは、未来を語る。

「これまでにも実験を繰り返してきました。たとえば東京の居酒屋チェーンと取引してみたり、要望に応える形で、島内で加工できるよう大型冷凍庫や鮮度を保持する装置を整えてきた。(水産物に混じった異物を除くための)金属探知機や大型の真空パック装置、干物をつくる冷風乾燥機もある。それらの設備を使って日本中で買い求められるような商品をつくり、『供給が間に合わないよ』というところまで持って行ける方に来てほしいと思います」

もう一人のキーマンが、現場の実務全般を手掛ける総務部長の宗岡裕介(むねおかゆうすけ)さんだ。「どんな人物に来てほしいか」と尋ねると、実情を交えながら語ってくれた。

▲シイラを持つ宗岡さん。

▲シイラを持つ宗岡さん。

「『商品開発できる人』が第一ですね。まずは島内で売れる商品をシッカリとつくって、島外へPRしていく。設備があってもこれまでは、漁協職員は事務作業が中心で、たとえば何匹か干物をつくってみるのに半日かかって同じ時間分の業務ができなくなってしまっていました。その点では、調理経験があれば助かるし、検証データの管理もしてもらいたいです」

求められる力は大きく3つ。『おいしく加工できる”調理経験”』『訴求力の強い商品を生み出す”開発力”』『需要を探り販路を開拓する”マーケティング能力”』。飲食メーカーや、飲食店でのマネージャー経験などが活かせそうに思う。そしてこの環境では、何よりも…。

「『島暮らしに興味があること』です。(地域おこし協力隊の任期である)3年を終えたあとも、軌道に乗せられていれば漁協として継続雇用したいと思っています。なので島に移住したいという思いを一番持っていてほしい」

任期終了後に継続雇用の可能性があることは、地域おこし協力隊という制度においても珍しい特徴。自ら課題を見つけて取り組む点では自由度が高い制度ではあるが、とくに過疎地では市場が小さく、任期終了後の独立や就労が必ずしもうまくいく保証はない。島暮らしへの興味を持ち、食品開発に自信のある人には、絶好のチャンスと言えるのではないだろうか。

▲おもな職場となる和泊町役場庁舎は、2019年3月に完工したばかり。

▲おもな職場となる和泊町役場庁舎は、2019年3月に完工したばかり。

また、協力隊としての職務に影響のない範囲で兼業が可能。島の課題は、日本全体の課題でもある。相乗効果が見込める働き方であれば、島や水産業を軸に積極的に活躍のフィールドを広げていくこともできるだろう。

この仕事、期待値が高い分、プレッシャーを感じる人もいるかもしれない。調理経験、商品開発力、マーケティング能力、求められるものも少なくない。しかし、IターンもUターンも、地元の人も、島には世代や職業などの枠を越えてチャレンジ精神にあふれた人ばかり。

仕事の垣根を越えて力を貸してくれる人が、きっとたくさんいることだろう。

▲安田拓さんと、経済課のみなさん。※業務中はマスクを着用しています

▲安田拓さんと、経済課のみなさん。※業務中はマスクを着用しています

安田さんは言う。

「島の漁業の未来を拓けるチャレンジングな方を探しています。島内外での需要を掘り起こし、島の恵みと海人(うみんちゅ)の想いをカタチに変えてほしい。新たな価値と魅力で『人と人』を紡ぎ、一緒に沖永良部島の進化へ挑戦していきましょう!」

求む!南の島のシーフードプロデューサー。

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※本記事は下記リンクにある記事のリライト版です。完全版をお読みになりたい方はこちらにアクセスしてください。

http://www.kurasu-wadomari.info/archives/7076

和泊町HPはこちら!
鹿児島県和泊町ホームページ

沖永良部島の観光・生活情報についてはこちらから!
沖永良部島 観光案内|おきのえらぶじま観光協会【公式】

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取材・撮影・執筆:ネルソン水嶋(島内在住ライター)

地域おこし協力隊(シーフードプロデューサー人材)募集要項

■業務概要と募集人数
水産加工担当(雇用型)として、下記業務を中心に取り組む人材を1名募集します。

①水産加工品の開発、販路開拓
②鮮度保持技術の確立
③水産業の情報発信
④えらぶ漁業集落の運営サポート
⑤農林水産物加工品アドバイザー業務 ※2年目以降

■応募要件
・和泊町の取り組みに興味のある方
・PC(メールの送受信、Word及びExcelの操作)の操作が出来る方
※調理師免許取得者や食品衛生責任者、飲食サービス店又は宿泊施設(調理)勤務経験者歓迎。

■勤務地(活動地)
・和泊町役場(沖永良部島漁業協同組合)

■勤務時間
・勤務時間:8:30~17:00(7時間30分)
・原則週5日勤務
・休日:土・日・祝日、年末年始、慶弔、年次休暇(任命時期等で異なる)
※休日出勤の場合は平日に振り替え

■雇用形態・期間
・隊員の身分は和泊町会計年度任用職員とし、地方公務員法に基づき和泊町長が任命します。
・任用期間は1年間とし、面談及び人事評価により、最長3年間まで再度の任用ができるものとします。
・協力隊員としてふさわしくないと判断した場合は,任用期間中であっても任用を取り消すことができるものとします。

※任期満了後、沖永良部島漁協での継続雇用については、それまでの事業展開や活動状況などを総合的に判断し、検討します。

■給与等
・月額166,000円
※実績に応じて翌年度以降昇給有り。
・社会保険完備(健康保険・厚生年金)
・期末手当(6月、12月)
・自宅から2km以上5km未満の場合に月額2,000円、5km以上の場合に月額4,100円の通勤手当補助あり。

■待遇・福利厚生
・協力隊としての職務に影響のない範囲で兼業は可能です、事前に届出が必要となります。
・住居は町が借り上げし、貸与いたします。
・活動に必要な消耗品及びパソコン、車輌(公用車)、出張旅費等は、予算の範囲内で町が負担します。
・業務に必要な資格取得費補助制度有り。

・隊員側で負担する経費は下記の通り。

①本町までの交通費(面接時を含む)
②引越し費用(運送費)
③自己都合による帰省費用・旅費・その他経費
④生活に要する水道光熱費
⑤自家用車(自動車・バイク等) ※本町での生活では移動手段として自家用車(自動車・バイク等)は必要不可欠ですので、個人で用意してください。

■募集期間
令和3年1月8日(金)~令和3年3月31日(水)
※ただし、応募状況によって、定員を満たした場合は事前周知なく締め切らせていただくこともありますので、お早めに応募書類を郵送ください。

■応募方法
お問合せ後、提出書類についてご案内いたします。
まずはお気軽にお問合せください。

■選考方法
・第1次選考:書類審査 ※随時
応募者全員に選考結果を文書で通知します。

・第2次選考:面接:※第1次選考合格者のみ(実技試験)
第1次選考合格者を対象に和泊町にて面接及び3者(受入地域、応募者、行政)マッチング協議を行います。
※第2次選考に要する交通費及び宿泊費等は、応募者の負担となります。
※新型コロナウイルス感染症の状況により、ウェブ面接になる場合もございます。

・最終選考結果の通知
面接者全員に選考結果を文書で通知します。

※和泊町への住民票の移動は、必ず任用日以降に行ってください。任用日以前に住民票を異動させると採用対象者でなくなり、採用取り消しとなります。

■問合せ先・書類送付先
・和泊町役場経済課 水産担当:安田 拓
・電 話 0997-84-3518
・FAX 0997-92-2935
・URL https://www.town.wadomari.lg.jp/
お問合せの際にはネイティブメディアを見たとお伝えください。

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