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「金目的の従業員はいらない」コンビニ店長の発言が物議 でもその言い分はまんざらウソとも言い切れない?

「お金目当ての従業員はいらない」

「お金目当ての従業員はいらない」

店長は時給引き上げを提案する男性に「金目的の従業員欲しいと思う?」と尋ね、「目的はどうあれ仕事さえすればそれでいいかと」と答えた男性を、上記のように諌めた。

しかしコンビニの数は、いまや都内だけでも7,000軒を超えるといわれる。どこの店も同じような仕事であり、その中から選ばれるためには他店より高い時給を提示するしかないだろう。ネットには、店長の発言に反感を示すコメントが多く見られる。

「バイトに時給以外のなにを求めているんだ」
「金目的じゃない従業員なんているのか?」

店長だって同じ仕事でより高い給与の店があれば、そちらに転職するのではないかという疑念もある。「店長は何の為に働いているのか謎ですね…」「じゃあ店長の時給全部下さいね~ってなる」などと首を傾げる声もあった。

その一方で、この店長の言うように「金目的の従業員」には重大な欠点があると指摘する研究結果もある。自分が面白いと感じていることでも、お金稼ぎが目的になると楽しめなくなり、自発的なやる気が低下することが脳活動の変化として裏付けられているというのだ。

金銭的な報酬が「楽しい」感情を減退させる場合もある?

この研究は、玉川大の松元健二准教授やドイツ・ミュンヘン大の村山航研究員(ともに2010年の研究発表当時の肩書き)の研究によるもの。実験では「楽しい」「好き」といった内発的動機付けで行っていた人たちに、金銭的な報酬を与えると、これが外発的動機付けとなり「楽しい」「好き」という感情が減少した。

研究ではこれを「アンダーマイニング効果」と呼んでいる。この理論は教育現場などでも用いられ、例えば自分の興味関心で調べ物をしている子供を褒めるつもりで親が小遣いを与えると、子供は小遣いをくれなければ勉強しない子供になってしまうとされる。

やる気や能力があっても金銭的な報酬目当てで働く従業員は、やがてやる気を失っていく――。もしそうだとすれば、経営者や管理職の立場にある人間が「金目当ての従業員はいらない」という考えを持つことはおかしいことではない。金銭的報酬よりも会社のビジョンに共感し、やりがいを感じて働く従業員を好むだろう。

ただし前述の論文にはアンダーマイニング効果について、その行為に内発的動機付けを抱いているときにのみ起こると書かれている。つまり「嫌いなこと」や「興味のないこと」であれば、お金目的であってもモチベーションは下がらないのだ。多くのアルバイト従業員にとって、仕事とはどちらに当てはまるのだろうか。

あわせてよみたい:高収入と仕事の楽さ、どっちを選ぶ?

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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