発達障害はどうやって”生きづらさ”を乗り越える? 「短所がマイナスにならない」環境を探すことが大事

小学校4年生で専門医を受診したとき、先生から「実年齢マイナス2歳だと思ってください」と言われたことがあります。その言葉の意味を実感したのは、息子が中学生になったころ。精神面でグッと成長していく周囲のお子さんに比べ、息子はまだまだ幼さが残っていました。

そのため、同級生からちょっかいを出されることも多く、いじめに発展しないかという心配を抱えてのスタートでした。

ところが、親の心配をよそに、毎日楽しそうに学校での様子を聞かせてくれる息子。なかには「それって腹立たないの?」と思うようなこともありましたが、友だちに対してはめったに怒りの感情が湧かないとのこと。

もともと空気が読めないうえ感情がストレートに表れてしまうので、無理に我慢している様子もありません。どうやら、特性のひとつである「強いこだわり」から、友だちに対する彼なりの概念があったようです。

自分の言動がからかわれても、友だちが楽しそうにしていれば気にならなかったり、好意的ではない言葉も「言葉遊び」と受け止めて笑いに変えたりと、彼は友だちとの関わりすべてを”コミュニケーション”と処理していたのです。

そうして”精神年齢が低く落ち着きはないけれど、いつも楽しそうにはしゃいでいる子”というイメージが定着するにつれ、男女問わず常に友人に囲まれるようになっていきました。

とはいえ、そんなキャラを逆手に取られ、ほかの子の不都合を息子のせいにされたり、トラブルでははじめから息子に原因があると受け取られたりして、誤解が解けないことも多々ありました。

それでも周囲に受け入れてもらえたのは、「好きな物はとことん大切にする」という特性から、理不尽な思いをしてもなお”友だちは宝物”の精神を貫いたことが大きいと思います。

「スポーツが好き」という気持ちを大事にしてくれた中学時代の恩師

長所を生かせる環境を探したい

長所を生かせる環境を探したい

物の管理が苦手、時間の概念がオリジナル、こだわりが邪魔をして郷に従えないなど、周囲に迷惑をかけることもしょっちゅう。また、嫌いなことからは逃げたがるという弱い面もあり、彼の発達障害を知らない大人から「もう中学生なんだから」と諭されることもよくありました。

それでも、「礼儀正しい」「素直」と褒めてくださったり、彼の長所に目を向けて辛抱強く向き合ってくださったりするかたもいました。

例えば運動部の顧問の先生。日ごろは楽しんで一生懸命取り組む息子ですが、思うように技術が上がらない、遊びの誘いに負けそうになる、後輩にレギュラーを取られたなどの理由で、何度か「辞める」と騒いだことがあります。

その度に時間を割いてくださり、「先々を考えて自分のためになる選択をしなさい」と考える手立てを与えてくださいました。

そのとき先生が私にかけてくださった言葉で印象的だったのは、「みんなが嫌がる雑用も率先してやってくれるし、上手くなりたいという気持ちも人一倍感じます。そんな”このスポーツが好き”と言う彼の気持ちを大切にしてあげたいんです」というもの。

誤解を受けても長所でカバーできる環境がよかった

その後も彼の「好きな物はとことん大切にする」特性を汲み取り、そこを伸ばせば結果がついてくることを教えてくださいました。そんな先生に支えられたおかげもあって、彼は高校生になった今でもそのスポーツに励んでいます。

年齢からしては未熟すぎる面がまだまだたくさんあり、壁にぶつかることもよくあります。ですが、短所がマイナスにならない環境や、長所でカバーできる環境に身を置けたことが生きづらさを和らげる術を教えてくれたのかな? と、見ていて感じます。

特性は人それぞれで、彼の話は一例にすぎません。それでも、誤解を招きやすい面がある一方で長けたものがあるからこそ、そこが活かされる環境を見つけるヒントになればと思い綴らせていただきました。

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