高齢者の定義「75歳以上」老年学会が提言 「俺らの年金はどうなる」と警戒する声も

いつまでも元気

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こうした現状を踏まえ、老年学会では、65歳~74歳を「准高齢者」、75歳~89歳を「高齢者」、90歳以上を「超高齢者」とすることを提案。

日本老年学会は、年齢区分の再検討によって、「従来の定義による高齢者を、社会の支え手でありモチベーションを持った存在として捉えなおす」ことができるとその意義を強調。また「迫りつつある超高齢社会を明るく活力のあるものにする」ことができるとした。

内閣府が60歳以上の男女を対象にした調査でも、自分が高齢者であると感じる人は、65歳~69歳では24.4%しかいない。70歳~74歳でも47.3%に留まっており、高齢者自身の意識も若返っているといえるだろう。「65歳以上は高齢者である」と回答した人も29.1%しかいなかった。

老年医学会「社会保障制度の見直しは慎重に検討してほしい」

「高齢者」年齢の引き上げが報道されると、社会保障が改悪されるのではないかと警戒する声が多数上がった。

貧困問題に取り組むNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏は、「高齢者というカテゴリーが縮小するということは社会保障の対象が減るということ」とツイッターで指摘する。社会保障を受けられなくなれば、家族や親族がいま以上に支えないといけなくなる。

ネット上でも

「こんなときだけ高齢者を元気と持ち上げて、年金支給をいずれ75歳に繰り下げる地ならし」
「俺らの年金はないということをこんな分かりやすい言葉で述べてもらえるとかえって気が楽」

という声が相次いだ。「高齢者」の年齢引き上げは、やはり年金支給年齢の繰り上げなどにつながるという見方をする人が少なくない。

これに対して、日本老年医学会の担当者はキャリコネニュースの取材に対し、「年金の支給開始年齢を引き上げた方がよいというわけではない」と回答した。

「今回の発表は医学的に若返っているということを伝えたもの。社会保障制度の見直しなどについては慎重に検討してほしい」

高齢者が元気になることは確かに歓迎すべきことだ。しかし、日本老年学会の思惑がどうあれ、この提言が社会保障改悪に結び付いてしまう可能性は否めない。また定年が繰り上がるとなれば、若年層の雇用を圧迫する危険もある。今後、「高齢者」の年齢引き上げがどのような影響を及ぼすのか注視していく必要があるだろう。

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