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「スマホを残して死ねますか?」――死後の不要なトラブル避ける「デジタル終活」に注目集まる

見られたくないデータの1つや2つ、誰しもあることでしょう

見られたくないデータの1つや2つ、誰しもあることでしょう

東京・千代田区で弁護士が主催する「日本デジタル終活協会」のセミナーは、「皆さんは、スマホを残して死ねますか?」で始まる。デジタルデータをアナログの「デジタル世代の引継ぎノート」に書きだし、整理方法を指南していた。

まだ終活を考えるには早い、働き盛りのビジネスマンも参加し、「世代は関係なくなっているのではないか」と語る。

講師の伊勢田篤史弁護士は、「通常想定される物理的な遺品とは異なり、『デジタル遺品』はその存在を相続人も把握しにくい点が特徴。整理しておかなければ、思わぬトラブルを引き起こす」と、警鐘を鳴らす。

例えば、故人がFX取引をしていたことを家族が知らず、「亡くなった後で急に為替が変動して、多額の追加証拠金が遺族に請求された」という事案もある。家族は故人に対して、悲しみとは別の感情を抱くことになってしまう。

故人の使っていたパスワードが分からない場合、家族は業者に依頼しすべてのデータを取り出すことが多いが、隠しておきたいデータまですべて見られてしまうのは気がかりこの上ない。

「孤独死する予定の俺は、デジタル終活不要かも」

しかし、こうしたセミナーや業者に頼らなくても、情報を整理して書き出すことは、自分だけでもできるだろう。Facebookやグーグルアカウントなど死後の対応設定をチェックするなど、とりあえず情報を整理してみることは大切だ。

とはいえ、ノートの保管は気になるところ。パスワードや銀行口座の暗証番号などを書くとすれば、かなりの機密情報だ。泥棒も怖いし、家族に「死んだら見てね」と言ったところで、素直にそれに従うとは限らない。そもそも家族仲が悪い場合は、託したい人にも困る。ネットにはこんな孤独な人の声もある。

「孤独死する予定の俺は、デジタル終活不要かも」

こういう人でも、やはり仕事関係や銀行口座などがあり、世の中と無関係というわけではあるまい。

「私みたいに家族もおらん孤独死確実の末路もこれからイッパイになるでぇ?やっぱしデジタルはデジタルで自動処理する契約のサービスが必要やねえ」

という声に、筆者も同感だ。

ちなみに、番組で紹介された「日本デジタル終活協会」には、ノートを厳重に保管するサービスもあるという。そのための業者なのか……と納得したが、絶対に情報漏えいしないと安心していられるものだろうか。

経済産業省の調査によると、デジタル終活に限らず「エンディングノート」を知っている人は63.5%と認知度は高かったが、そのうち実際に書いたという人はわずか2%に留まっている。誰でも自分が急死することは考えたくないし、不要なデータを全部整理しようと思ったら膨大な手間もかかる。それでも、残された人になるべく迷惑がかからないよう、最低限の情報をまとめておくことと、普段からデータを整理しておく癖をつけておくほうがいいだろう。

※ウェブ媒体やテレビ番組等で記事を引用する際は恐れ入りますが「キャリコネニュース」と出典の明記をお願いします。

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