【ハイロー応援上映レポ】なぜサブカル女子がHiGH&LOWにドハマりするの? 「バンドマンより強いから」
「応援上映」とは、声援や絶叫、サイリウム・ペンライトなどの持ちこみがOKという上映回です。K-POP好きのオタク女子がキンブレ(色の切り替えができるライト)を計12本持ってきてくれました。
ハイローのストーリーは「ある地域を5つのチーム(通称”SWORD”)が仕切っていて、その各チームが己のプライドや仲間のために闘う話」という認識で大丈夫です。
参加したのは新宿ピカデリーで平日19時10分の回、参加者の8~9割は女性でした。映画自体は2回目の観賞なのですが、やはり普通に観たときと全く違いました。
1.感謝がすごい
冒頭、「松竹」のロゴが出た瞬間、「松竹ありがとーーー!!」の大歓声。上映中も、闘いに役立った「鎖、ありがとうーーー!!」、エンドロールの最後では「ヒロさんありがとうーーー!!」など感謝の嵐でした。
2.観客の一体感がやばい
今作は、ファンからすれば胸が苦しくなる出来事が多く、初回観賞時は心の中で「つらい」「やめて」「逃げて」という気持ちで一杯でした。それが応援上映では、
「つらいーーー!!!」
「逃げてーーー!!!」
と叫びたい放題。会場中が叫ぶので、みんな同じ気持ちなんだと心が楽になります。
3.叫び過ぎて理性が飛ぶ
その一方で、反射的に叫ぶため「横顔かっこいいーーー!!!」「好きーーー!!!」など段々理性が崩壊する声援になっていきます。隣のサブカル女子のように「かっこいい……」と恍惚とした独り言しか言えなくなることも。
4.勝手にコール&レスポンス
登場人物のセリフに「はーい!」と返事したり、格闘シーンが終わると「おつかれさまー!」、ゴルフのシーンでは「ナイスショット!」と声をかけたり、「ダメじゃん!」とツッコんだり、人それぞれの楽しみ方がありました。
またハイローは2016年のジャパンアクションアワードで最優秀賞を受賞するほど、アクションが秀逸な映画。イケメンたちが大画面で敵を倒していく姿は圧巻ですし、叫びながら観るのは映画鑑賞というよりアトラクションです。
5.ライトの色切り替えが急激に上達する
ハイローには主に5つのチーム(通称”SWORD”)が出ていて、チームカラーがあります。筆者とオタク女子が愛してやまない村山良樹(演:山田裕貴)率いる「鬼邪高校」は青、サブカル女子が熱愛する日向紀久(演:林遣都)率いる「達磨一家」は赤、といったように。
メンバーが出てくるたび、必死にキンブレの色を切り替えます。登場すると「村山ーーー!!!」「日向ーーー!!!」と叫びながらキンブレを振ります。段々手際がよくなり、即座に出したい色が出せるようになることに感動。会場が一色に染まるのは圧巻です。
そしてエンドロールが全て流れると「おつかれさまーーー!!!」。配給会社への感謝で始まり、登場人物を応援し、総合プロデューサーへ感謝、そして一緒に応援した仲間(参加者)へのねぎらいで終わりました。
「ハイローにハマる感覚と、アイドルやアニメにハマる感覚は似ている」説
「パねえ」「最高」しか言えない中、居酒屋へ移動し、友人に「どうしてサブカルやオタク女子はハイローにハマるのか」について聞いてみました。
オタク女子(筆者は初対面)は「ロックもK-POPもアニメも声優も好きなんですけど、どの界隈のオタクも全員ハイローにハマっていた」といいます。
「とりあえずドラマのシーズン1を観て、最初は『なにこれ……』って感じだったのが、最終話を観るころには『スゲエ!パねえ!』しか言えなくなってました」
しかしサブカル・オタクとLDHは対極ともいえる存在。どうしてこんなに好きになってしまうのでしょうか。サブカル女子は、「登場人物が多いからでは?」と推測します。
「キャッチコピーが『超全員主役』ってあるように、登場人物が魅力的。これだけ人がいれば誰か一人は性癖どストライクな人が出てくると思う。だって日向、ずっとニヤニヤしてるし、ずっとニヤニヤしててほしいもん。好き……」
たしかに推しキャラが出てくると嬉しいし、いつ登場するかワクワクする。アイドルやアニメが好きなオタクならこの気持ちを理解していただけるのではないでしょうか。
「ひねくれサブカル・オタク女子ほど『スゲエ!パねえ!』ってなる」説
オタク女子は「ハイローの世界は『仲間は絶対見捨てない』とか『俺たちは家族だ』とか信念があるし、優しいですよね」とも語ります。
「サブカルって些細なことも複雑に考えますよね。でもハイロー観てると『スゲエ、パねえ!』って本心から思うし『それでいいじゃん楽しいんだもん』ってなる。疲れ果てたひねくれたサブカル・オタク女子ほど、まっすぐなハイローに心が癒されるのではないでしょうか」
サブカル女子も、「登場人物も言い訳しないもんね。バンドマンより信じられる気がする。バンドマンがハイローの世界に行ったらすぐ骨折れる」と言いますが、誰が行っても骨折沙汰だと思う。
「あとやっぱり強い男が一番。私元々映画『クローズ』とか、ヤンキー文化好きなんだよね」
思い返すと今の20代が小中高生だった2000年代は、多くのヤンキーモノの学園ドラマが放送されていました。『池袋ウエストゲートパーク』、『ごくせん』、『ヤンキー母校に帰る』、『ドラゴン桜』、『ROOKIES』など。そのためハイローを受け入れる土壌はできていたのかもしれません。
そんな中、キレッキレのアクションに魅力的な登場人物を追い打ちをかけるように見せられ続けたら、好きになってしまいます。LDHは怖いといっていたサブカル&オタク女子が、いまや「HIROさんありがとーーー!!!」と叫ぶまでに成長できました。
色々考えましたが、やはりハイローのいいところは「あたまからっぽにして作品を楽しめるところ」。鬱屈した毎日からハイな場所に連れ出してほしいという人は、一度『ハイロー』を体感してみてはいかがでしょうか。
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