海外では管理職になりたい人が多いって本当? これからの日本の管理職に必要なこと

日本と海外の管理職は違う?

日本と海外の管理職は違う?

まず、海外では管理職になりたがらない方は非常に少ないと言います。理由としては、

(1)給料がかなり上がる。
(2)時間的な裁量が得られ、業務時間を自分でコントロールできる。
(3)大きな権限による大きな仕事をすることが出来、キャリアアップに繋がる。

など、やりがいを感じる要素が多いようです。

日本と海外では、管理職に求められる役割も違います。日本の管理職はゼネラリストであることを求められる一方で、海外の管理職はまさに専門職なのです。ゼネラリストである日本の管理職は平社員からのたたき上げであることが多く、同一企業内で様々な経験を積んでいくといったキャリアの連続性を持っています。それゆえに現場を良く知っていることもあり、マルチプルプレーヤーとしての要素が強いのが現状です。ただ、マイナスの表現で言えば”何でも屋”です。

一方海外の管理職は平社員からの仕事との不連続性があり、管理職としての経験値や知識を武器に企業から企業を渡り歩きキャリアアップをしていきます。MBAの知識があり、現場のスタッフをモチベートさせ、組織を動かす手法にたけています。

プレーヤー業務を部下に任せながら、現場で得た情報をマネジメントに応用していく

ここがポイントですが海外の管理職にプレイングマネージャーはほとんどいません。監督兼選手が率いるチームと監督に専念できる状態の方が率いるチームのどちらが強いチームになるでしょうか。やはり後者の方が強いチームとなり結果を出していくことでしょう。

日本の景気低迷期に多くの経営者は、直接的な利潤を生まない専属マネージャーを置くよりも、売り上げに貢献する現場のプレーヤーを管理者と兼任させたほうが、それだけ人件費が抑えられ、売り上げもあがると考えました。

しかし、それが有効なのはあくまでも短期です。長期的目線で考えると、管理職による部下の人材育成の時間が減り、組織の力が弱まり、結果として管理職だけが目まぐるしく仕事をしているといった現状を生み出してしまっています。この現状に対しては会社として役割の再定義等施策を打っていく必要があるでしょう。

以上、日本の管理職の現状を海外の管理職の現状と比べながらお話をしてまいりました。管理職のプレイングマネージャー化が進む現状ですが、より成果を出すことのできる管理職になるためのポイントは以下の3点です。

(1)長期的な目線で人と組織の成長を支援するために、プレーヤー業務の中で部下に任せることのできる仕事を棚卸し、実際に任せていく。(これについては前々回の記事「働きがいあふれる職場を作る方法」を参照)
(2)プレーヤー業務の中で掴んだ現場感や情報を、しっかり組織マネージメントに活かす。(マネジメント向上のためにプレーヤー業務をやっているくらいの感覚で!)
(3)成果の出る、生産性高い組織の作り方を学び続ける。

プレイングマネージャーとしての機能が非常に強い現状としては、しっかり仕事の優先順位をつけ、弱みを強みにしていく考え方が大切です。そして、海外の管理職は勉強をしています。”情報をインプット”し”現場でアウトプット”するといった習慣を持ち、海外に負けない管理職になってください。

筆者近影

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【著者プロフィール】田岡 英明
働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。