自意識過剰で周囲と衝突してばかりの部下、どう対処する? 「この人は他の上司と違う」と心を開かせる方法

対処方法によってはかわいい部下に大変身するかも

対処方法によってはかわいい部下に大変身するかも

製薬会社で働いていたときに、私のチーム員や同僚のチームの中に、数名の自意識の非常に高いメンバーがおりました。その方々の特徴としては以下のようなものがありました。

・仕事を一生懸命にやり、実績をしっかり上げてくる
・自分のやっている仕事のアピールが強い
・他人からの評価をやたらと気にする
・失敗を認めたがらず、他責思考が強い
・同僚や同業者へのライバル意識が非常に高く、もめることが多い
・単独での行動が好きで、チームで行動するということに抵抗感を示す
・内務処理、定例会議など、自分の中で重要では無いと思うことに対しては、とことん抵抗する

こうした人は結構いるようで、研修の中で受講生から相談される”困ったちゃん部下”にも、似たような共通点があるようです。個人としての能力が高くても周囲とのトラブルが多ければ、やがてチーム全体の生産性が下がってしまいます。

自意識過剰に振舞うのは実は「自己重要感」が低いから

上記のような行動の背景にあるものは、ずばり”承認欲求の高さ”です。そして、そのさらに奥にあるのは”自己重要感の低さ”というものです。

自己重要感とは「自分自身を価値ある存在だ」と、どれだけ認めることが出来ているかということです。「自分自身は、○○に興味を持っていて、○○ということが出来るんだ。そして○○を人生や仕事の中で大切にしている」といったことをしっかり受け止め、自分自身を大切にすることが出来ているかどうかです。

自己重要感の低い方の行動として、以下のような行動があげられます。

・ブランドものが好きで、ファッションに気を使います。
・身分不相応な高級車に乗っている。
・寄付を急に始めたりする。
・やたらと自慢話が多い。
・横柄な態度が目立つ。
・他人をけなす、批判好き、噂好き。
・他人の同情を引くための病気(例:腰が痛い、頭が痛い)の言動が多い。

いかがでしょうか?自意識過剰な部下との共通点が見えてきませんか? つまり、自意識過剰な部下は周りから認められたくてしょうがないのです。

周囲と衝突しながらも、心の声は「私のことをみんな見て!」「私のことを気にして!」「私に声をかけて!」と、表面に出ている行動とは逆の思いや感情を持っているのです。

これまでの人生のこと、そして将来どうなっていたいかを聞いてみよう

自意識過剰な方々の幼いころからの傾向として、心をあまり人に打ち明けることが出来ず、親友と呼べる友人に巡り合うことが出来なかったということや、両親から大切にされたという思いが少ないといった傾向があるようです。自意識過剰な部下は、その行動とは裏腹に、自分のことを本当に理解してくれる仲間が欲しいのです。

そのようなことからすると上司の皆さんに求められることは”本当の理解者になり、支援者になる”事です。自分自身の中の固定観念というものを超え、話をしっかり聴く機会を作り、部下の理解を深めていってください。

以下の内容の順番で部下の話を聴いていくと部下理解が深まります。

(1)現在の状況について満足している事、不満な事
(2)学生時代にどんな学生だったのか?好きだったことは?影響を受けた人物やエピソード
(3)小さいころはどんな子供だったのか?好きだったことは?大好きだった人は?
(4)将来の夢は?どんなキャリアを描いているのか?

このようなコミュニケーションの結果、自意識過剰な部下の中に、

「自分のことをよくわかってくれている」
「この上司は他の人とは違う」
「しっかり自分を支援してくれてる」

といった思いが目覚めた瞬間、あなたにとって自意識過剰な部下は”扱いにくい部下”ではなく、”非常に頼りになるかわいい部下”に変わっていくのです。

ダイバーシティマネジメントが叫ばれる今日、管理職の皆様には部下の本音を見分ける洞察力が必要です。様々な価値観や働き方を持つ部下の本音を見分けるコツについては、今後も様々な事例で綴ってまいります。ご期待ください!

筆者近影

筆者近影

【著者プロフィール】田岡 英明
働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。