チーム運営はラクロス部のコーチ経験から学んだ ビジネスの成長に欠かせない「ビジョン共感型の組織」とは | キャリコネニュース - Page 2
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チーム運営はラクロス部のコーチ経験から学んだ ビジネスの成長に欠かせない「ビジョン共感型の組織」とは

—— 伊藤さんは学生時代、ラクロスのコーチ経験があると伺いました。

大学の4年間は選手として、大学院の 2 年間はコーチとしてラクロスに打ち込んでいました。

コーチとして“明日の試合”という短期的な戦略から、3ヶ月後1年後という中長期な戦略を立てて挑み、その結果を検証して次の戦略を立てるというPDCAを回す流れが非常に面白く、将来のやりたいことが明確になったと思います。

—— 学生時代に PDCA を回せるようになったきっかけはありますか?

きっかけは、人生の師匠と呼べる人と出会ったことです。その人は、当時マッキンゼー・アンド・カンパニーで働く10歳くらい年上の OB で、約120名のチームを企業組織に見立ててコンサルティングをしてくれたんですね。

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組織開発を考えるフレームワークである「組織の 7S(戦略(Strategy)・組織構造(Structure)・システム(System)・人材(Staff)・スタイル(Style)・スキル(Skill)・共有価値(Shared Value))」を教わり、チームに落とし込むとどうなるのかを考えていく。

それまで「経験」から得たノウハウしかなかったのが、フレームワークや理論を加えることで、戦略の立て方やチームづくりの考え方が変わりました。

—— 経験と理論の両輪でチーム運営をする中で、学んだことはありますか?

謙虚な姿勢です。いろんなフレームワークや理論を勉強して試すものの、うまくいかないことがたくさんあったんですね。どうにもならない無力感のなかでも、次の仮説を探して検証していく。

短期間で大量の失敗をしながら PDCAを高速で回した経験は、確実に今に生きています。

お客様に向いた事業を、共感するチームで作りたい

—— その後、新卒で入社した会社を5年勤め、ピクスタに入社されます。どういった背景があったのでしょうか。

学生時代の経験をより高みに持っていくために、早いうちから事業づくりができる会社に身を置きたいと思って前職で経験を積みました。実際、5年間働いたうち、国内外での新規事業立ち上げや既存事業の拡大に携わるなど、チャレンジングな日々を送っていました。

そのなかで学んだのは、新規事業は時流に乗って成功するケースもありますが、本当に成長し続ける事業を立ち上げるには、「チーム」が鍵になるということです。

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選手全員が同じ目標に向かって走るスポーツのように、事業づくりもできないものか。

ビジョンに心から共感しているチームで、徹底してユーザーに向き合った事業をつくり、ユーザーも自分たちも本当に幸せになる事業ができないか。

そう考えるようになったとき、出会ったのがピクスタでした。

—— ピクスタに究極のチーム性を感じた。

そうなんです。ピクスタは、写真やイラストなどデジタル素材を販売するマーケットプレイス「PIXTA」などを運営しているのですが、惹かれたのは、事業とビジョン、社員の考えがピタリと合致していたこと。

「世界中の才能をつなげるクリエイティブプラットフォームを創造していく」というグループビジョンを掲げ、才能があっても生かす機会がなかった人たちに場を提供して共に成長するために、社員全員が気持ち良いほど同じ方向を向いていた。ここまで真っ直ぐな会社があるのかと、最初は驚きました。

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たとえばフォトグラファーの場合、一昔前までは写真で生計を立てようと思ったら、高いハードルを乗り越える必要があったんですね。

有名なスタジオで何年も下積みをして、何かしらの賞を取って、初めて打席に立てる権利を得られる。それでも有名にならないと仕事はありません。

僕の家族が全員クリエイターということもあって、そうした埋もれている才能を生かし、フラットでポジティブな世界を実現させようとしていることに感銘を受けました。

—— どういったポジションでジョインしたのでしょうか。

最初は経営企画です。それまで事業開発や新規事業立ち上げなど事業側に携わっていたので、経営企画として複数の事業を俯瞰してみる立場を提示してもらったのはありがたかったです。

コーチ時代のように、事業側での「経験」と経営側での「理論」の両軸を得られるのは、僕に取って大きな価値でした。しばらくして事業寄りのポジションに移ったのですが、行ったり来たりすることで常に広い視野を持ち続けられるのは、いいなと思っています。

データドリブンでも、クリエイティブには説明できない予想外がある

—— 伊藤さんが仕事をする上で大切にしていることや、考え方などを教えてください。

きちんとお客様を向いて仕事をすることです。シンプルに、今やろうとしていることは本当にお客様のためになっているのか、喜ばしいことなのかを考える。「カスタマーサクセス」という言葉が好きで、それはブレません。

その上で重要なのは、データドリブンであること。お客様を理解するために、データからわかることはきっちり押さえています。

ただ、クリエイティブにはデータでは説明がつかない面白さがあるんですね。スポーツで、誰かの頑張りなどで奇跡的に勝利することがあるように、クリエイティブにもデータでは説明がつかないことがあり、それに遭遇するとワクワクするんです。

たとえば、「PIXTA」でどのような写真が売れるのかは8割程度説明できますが、残りの2割は説明がつきません。同じような構図の写真でも、売れる写真・売れない写真の明暗がつくことがあり、その違いは何なのか説明するのは難しい。

いずれ説明できるようになるかもしれませんが、そのときはまた他のところで説明できない「予想外」が出てくると思うんですね。それが、データでは説明できないクリエイティブの良さだと思っています。

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それからもう一つ、一緒に働く仲間のことはとても大切に考えています。必ず全員に適した役割があるはずなので、パフォーマンスを発揮できていないメンバーがいたら、新しい役割を作るのではなく、その人に適した役割を見つけるようにしています。

—— 新しい役割をその人のために作ってしまうと、それはすなわち「余計な仕事」になる。「適材適所」ではなく「適所適材」であることを大切にしているのですね。

そうです。ラクロスのコーチ時代も、約120名のメンバー全員がレギュラーで試合に出られるわけではないなかで、選手からスタッフに役割を変えてパフォーマンスを発揮するメンバーはたくさんいました。

個人がハッピーな状態になり、組織全体も最適化できる。だから、役割ありきで考える適所適材を当時から大切にしています。

—— これから伊藤さんが挑戦したいことを教えてください。

今は、経営企画と事業責任者を任されているのですが、より経営に近いポジションで事業を作っていきたいと思っています。実現させたいのは、ピクスタの理念でもある個人の才能を生かせる世界をつくること。

これまでピクスタは主に写真の領域でクリエイターに寄与してきましたが、今後はクリエイティブの領域を広げていくことで、グループの事業ポートフォリオを増やしたい。最強のチームであるピクスタなら、必ず実現できると信じています。

クリエイターにとどまらず、一緒に働く仲間やくすぶっている若者に対しても、個人の才能を生かせる場を提供することで、早いタイミングから打席に立てる世界を作りたいと思っています。

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