働き方改革を進めるのは、意外と簡単なこと!?『残業学』著者・中原淳さんが悩める中間管理職に送る「希望」のエール

▲『残業学』著者/立教大学経営学部教授 中原淳さん

▲『残業学』著者/立教大学経営学部教授 中原淳さん

近年、世間を賑わしている「働き方改革」のキーワード。戦後、連綿と続いてきた長時間労働に代表される日本人の「働き方」を見直さなくてはならないという議論がメディアを飛び交っています。しかし一方で、「働き方改革」の名のもと、現場の状況を顧みない施策が実施され、「やらされムード」が生まれてしまっている職場もあります。

2018年12月に出版された『残業学 明日からどう働くか、どう働いてもらうのか?』(光文社新書)では、立教大学経営学部教授の中原淳(なかはら・じゅん)さんが人事領域の研究をする「パーソル総合研究所」と共同研究を行い、2万人の調査データを分析し、残業のメカニズムと実態を明らかにしました。例えば、残業は仕事のできる人に「集中し」、職場で「感染し」「遺伝する」性質があること。残業時間60時間を超えるような働き方をしているにも関わらず「幸福感」高く仕事に没入してしまう層がいること。こうした残業を発生させるメカニズムは、日々の習慣として職場に長く「蓄積」されています。それはつまり、今多くの企業で行われている「労働時間に上限を設ける」タイプの働き方改革だけに頼っていては、本当の意味で組織の働き方を変えることは難しいということです。生産性を高めつつ、働く人が「希望」を見いだせるような長時間労働是正には、職場ぐるみの取り組みが必ず必要になります。

中原さんは著書の中で、「働き方改革」の成否の鍵を握るのは部下を抱える中間管理職であり、そして「働き方改革」にひときわ苦労をしているのもまさにその中間管理職だと指摘します。働き方改革によって経験の浅い部下に仕事を振れなくなり、かえって仕事が増えてしまった、という声も聞こえてきます。中原さんに、中間管理職をめぐる課題と解決策を示してもらいました。

インタビュアーは、本メディア『Work Switch』の編集長の成瀬岳人(なるせ・たけひと)です。成瀬は編集長であると同時に、社内で働き方改革を推進する立場にもいて、「悩める中間管理職」の一人として、お話を伺いました。

中原 淳
立教大学経営学部教授。同大学ビジネス・リーダーシップ・プログラム(BLP)主査、リーダーシップ研究所 副所長。1975年北海道生まれ。「大人の学びを科学する」をテーマに、企業・組織における人材開発・組織開発について研究している。

成瀬 岳人
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社 ワークスイッチ事業部 ゼネラルマネジャー/メディア『Work Switch』編集長。1979年静岡県生まれ。パーソルグループの中でも先進的な働き方を実験している組織「ワークスイッチ事業部」の働き方改革企画・推進を担当。

昭和的な働き方をアンインストールし、希望が持てる働き方をインストールする