ドラマ『凪のお暇』 高橋一生の見事なクズ男ぶりが話題に サイコパスかと思いきや不器用なこじらせが癖になる | キャリコネニュース - Page 2
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ドラマ『凪のお暇』 高橋一生の見事なクズ男ぶりが話題に サイコパスかと思いきや不器用なこじらせが癖になる

「空気を読む」ことに腐心する前半の凪は、とにかく観ていて辛い。同僚に仕事を押し付けられ都合のいいキャラにされてしまうわ、LINEで「うちらの下請け」「大島さんみたいになりたくない」などの影口を目撃するわ。だめ押しが彼の心ない言葉である。そりゃあ人生リセットしたくもなるだろう。ここまできて、彼女はやっと「空気は読むものじゃない。吸って吐くものだ」と気付く。

実際、周囲の空気を読んで「気が利く」行動を求められる女性は、他人に気を使いすぎると本当は自分が何をしたかったのか見失ってしまう。SNS疲れを含め、凪に共感する人が多いからこそ、原作も人気なのだろう。他人に左右されない自然体の自分自身を取り戻そうとする凪の姿を、いつしか応援したくなるのだ。

そんな凪を自分に都合のいい存在とみなしている(ように見える)のが、高橋一生演じる元カレの慎二だ。高橋一生は理知的で落ち着いた大人のイメージがあるが、ここではかなりデリカシーのない歪んだ男を熱演しており、ドラマの大きな見どころの一つとなっている。

凪はアフロ級の天然パーマがコンプレックスで、OL時代は毎朝1時間以上かけてサラサラストレートのロングヘアーにしていた。慎二はそのサラサラロングが好きだったが、姿を消した凪のアパートを突然訪れ、彼女の天パを見て「ブスになったな~!」と嘲笑う。

何もない凪の部屋を冷やかし半分で値踏みし、酒のつまみを作らせ、凪が倒れた日のことを謝りもせず平気で身体を求めるなどの非道を行う。拒絶されると「お前は絶対に変われない」などと人の心を踏みにじるゲスっぷりが振り切れている。もう、ホントに目が怖いサイコパスだ。ネット上でも慎二に対する反感の声が次々に挙がっていた。

高橋一生だからこその名演技 モラハラ男、実はツンデレをこじらせ不憫

しかしこの男性、高橋一生がキャスティングされただけのことはあり、ただのゲスではない、絶妙に複雑な人物だ。実は彼の本音は別にあり、凪のアパートからの帰り道、メチャクチャに泣きじゃくりながら歩く姿が通行人に目撃されている。行きつけのバーでクダを巻き、「俺、そいつのことめっちゃ好きなんだ」などと泣き崩れる始末だ。

これを見た人は誰もが「じゃあなぜそれを言わない?なんで優しくしないの?」と総ツッコミを入れることだろう。ややこしいプライドが自分の首を絞める不器用が凄まじく、どこか憎めないユーモアを醸している。蓋を開けてみればモラハラ男というよりは、ツンデレ不憫という印象を残す怪演が癖になり、何度も見返したくなってしまう。ネット上ではあまりのインパクトに、この場面の動画をSNSに上げる人が続出していた。

ほかにも、アパートの隣人・安良城ゴン役の中村倫也の色気漂う存在感が女性視聴者たちの心をわしづかみにしている。この布陣、TBSが本気で視聴率をもぎ取りにいっているなあと感じた。

28歳にして「自分」を取り戻そうとする凪の行く末を見守ると共に、慎二が人としてどこまでほぐれるのかも見どころ。期待が大きいドラマがはじまり嬉しい限りだ。

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