部下とのキャリア面談で「何を話していいか分からない」という管理職が意識するべきこと

面談が求められる理由はいくつかありますが、主に以下のようなことが挙げられます。

・飲み会などのコミュニケーションの場が減っている
・働き方改革により、雑談の時間が減っている
・ハラスメントに注意するあまり、コミュニケーションを取りにくい職場環境になっている
・従業員の多様性が進み、意思疎通のすれ違いが増えている
・従業員のモチベーションが分かりづらく、動機付けのポイントを理解するため

皆さんにも、心当たりがあるのではないでしょうか。こうした背景から、こまめな面談が求められているわけです。面談により、メンバーの理解を深め、組織としての生産性を上げていくことが求められています。

“業績面談”はもう古い!これからは「人」に焦点当てた面談を

「面談ならやっている」と言う人もいらっしゃるかもしれません。でも、これまで皆さんがされてきた面談の多くは”業績面談”です。業績面談は、業務の進捗状況を細かく管理することを主な目的としており、決して担当者に焦点を当てることがないものでした。

勿論、こうした業績面談も大切なのですが、今求められている面談の多くは、業務をする「人」に焦点を当てた、いわば”キャリア面談”です。社員の興味や強み、価値観などを聴取し、業務のモチベーション向上につなげるポイントを理解していく面談です。

業績面談は、上司が業務担当者に一方的に用件を伝えることで、成立してしまう特徴がありました。ところが、キャリア面談では、担当社員の動機づけのポイントを傾聴する面談技術が求められます。そこで、面談をスームズに進めることができる”型”をご紹介します。

・助言や意見は一度置いておき、相手を「理解」するための傾聴を心掛ける
・社員が「興味」のある事に気付く
・社員の「強み」を発見する(生かすことで業績向上につながる)
・社員が仕事をする上で大切にしている「価値観」を把握する
・会社に対する「満足」と「不満」を聞く
・社員自身の役割に対する「充実」と「悩み」を聞く
・現在の状況と、将来の「キャリアイメージ」を確認する

これらを面談によって把握した上で、小まめコーチングを展開していくのです。コーチングに関しては、次の「GROWモデル」を参考にしてください。

GROWモデルとは、まずGoal(目標)とReality(現状)の話をしてもらい、そのギャップに気付いていただきます。その後、Options(手段)とWill(意志)を決定させ、次の面談に繋げていくのです。

今回は、現在求められている「面談」のあり方に関して、具体的な進行方法を紹介してまいりました。メンバーとの間に十分なコミュニケーション機会を創出し、組織の業績向上に結び付けてください。

筆者近影

筆者近影

【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。