学びあい、教えあい、おおいにディスカッションする。これこそVeevaの勉強会 | キャリコネニュース - Page 2
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学びあい、教えあい、おおいにディスカッションする。これこそVeevaの勉強会

▲シニアストラテジーマネージャーの西宮 大貴

▲シニアストラテジーマネージャーの西宮 大貴

Veeva Japanでは部門を超えて知識を共有しあう社内勉強会が活発です。発端は2015年、当時プロダクトマネージャーだった西宮 大貴が所属していたプロダクトチーム主催の勉強会でした。時を重ねるごとに形骸化するどころか広がりを見せている背景には、Veevaならではのカルチャーがありました。【talentbookで読む】

お客様に困りごとをヒアリングしたことがきっかけに

「こういう機能があると嬉しいんだけどね」──。

2015年当時、プロダクトマネージャーだった西宮は、お客様にヒアリングしているときに出たこんな言葉に驚きました。なぜなら、お客様がほしいといったその機能はすでにあったからです。

西宮 「この話をチームで共有すると、導入チームのプロダクトに対するキャッチアップが追いついていないという状況が見えてきました。そのころは年 3回のバージョンアップに加えて多くの新製品の発表などがあり、その都度プロダクトチームで説明会は行っていました。
しかし、やはり断片的な説明になっていて情報が浸透していないことに気づきました。そこで、これまでの説明会とは軸を変えて、機能を切り口にした勉強会も開催しようとなったんです」

それ以来、2週間に1回勉強会の開催をプロダクトチームで企画。毎回取り上げるテーマと、開催幹事はチームメンバーの持ち回りで担当しながら定期的な勉強会をスタートしました。

それから4年たった2019年現在、社内で行われている勉強会は、プロダクトチーム発信だけではありません。社内の誰もが自由に、自分の好きなテーマ、必要だと思うテーマで勉強会を自発的に企画し開催しています。

テーマは多岐に渡ります。「他社主催のWEB講演会の内容」「データで見る日本の製薬業界」「Veeva製品のバージョンアップの歴史」などの業界やプロダクトに関わるものはもちろん、「遺伝子編集」「漫画キングダムから学ぶ組織論」「2%プログラム(年俸の2%を自分が学びたいものに会社から支援してもらえる制度)で受講した『プロダクトオーナー研修』の紹介」など、事業とは直接関係しないものも開催されています。

テーマが多彩であれば、企画するメンバーも多様。自由に自発的に勉強会を開催する風土が醸成されました。

勉強会はあくまでトリガー。次へのアクションを生み出すもの

▲2019 Veeva Commercial Summitに登壇する西宮

▲2019 Veeva Commercial Summitに登壇する西宮

勉強会は、純粋に自分の専門外の知識を得られる以外に、さまざまなメリットがあると西宮は言います。たとえば西宮は勉強会を通して社内の交流が活発になり、社内の仕事の幅も広がりました。仕事ではつながりのなかった他部署の社員が、「勉強会で話していたから、きっと興味があるだろう」と社内のプロジェクトに声をかけてくれるようになったのです。

勉強会を開催するようになって「いろんなところに首を突っ込みやすい立場になった」と西宮は実感しています。中でも、もっともやりがいを感じるのは、主催した勉強会の内容が仕事に影響を与えていると感じるときです。

西宮 「あるとき私の主催で、公的なデータを集計して『データで見る日本の製薬業界』という内容で話をしたんです。そうすると数日後にプリセールスのヘッドが、その内容を引用して “勉強会で話してくれた内容を考えると、お客様に対してアプローチの仕方を考え直した方がいいと思っている ”と話しかけてきてくれたんです。

自分の話にインスピレーションを得て、彼は仕事の戦略に頭を巡らせてくれている。実際に仕事に生かしてもらえているんだと感じたときは、開催してよかったなと嬉しかったですね」

西宮の前職は、外資系コンサルティング会社です。当時もさまざまな勉強会がありましたが、Veevaのそれとは異なる部分があると言います。

西宮 「前職のころは、勉強会を開催すること自体や、知識を披露することが目的になっていました。でも Veevaの勉強会はコミュニケーションのひとつの手段。勉強会がトリガーになって、お客様の成功や社員の成長につながること。つまり開催した後の方が大事だと思うようになったのは、大きな変化ですね」

つまりVeevaの勉強会は、次のアクションを生み出すことが大切なのです。

知らないことは積極的に学び、自分の知っていることはみんなに共有する

▲積極的に学ぼうという意識だけでなく、知っていることは共有するのがVeevaのカルチャー

▲積極的に学ぼうという意識だけでなく、知っていることは共有するのがVeevaのカルチャー

勉強会が継続的に実施されるようになってから、2019年で4年が経ちますが、今も形骸化することなく、意欲的な社員によって活発に開催されています。

Veevaの勉強会は業務時間内に実施されることが多く、参加者個人が自由に興味の対象となるものに、自分で自分の時間をマネジメントしながら参加ができます。

会社や上司から参加を強制させることもなければ、逆に参加を引き留めるような空気もありません。ここにも自主性を重んじるVeevaらしさがあります。

Veevaはそもそも、ライフサイエンス・製薬業界に特化したクラウドベースのアプリケーションを提供しており、かなり事業ドメインが限られた企業だと言えます。

西宮 「 IT、ソフトウェア業界で活躍していたメンバーもいれば、製薬、医薬系で経験を積んできたメンバーもいます。さまざまな業界のプロフェッショナルが集まっている会社だからこそ、自分の専門分野には非常に詳しいけれど、反対に知らない分野もあります。

だからこそみんな、自分の知らないことは積極的に学ぼうという意識と、みんなが知らないけれど自分が知っていることは伝えようという意識があると思います。これは Veevaならではのカルチャーだと思います。

未知の分野に対する探究心があるとも言えるし、変化のスピードも速いので、新しい情報や知識をキャッチアップしようとする姿勢がないと厳しいとも言えるかもしれません」

社内のあちこちで、自然発生的に開催されるのが理想

▲普段の会話を大事にし、社内の橋渡し役に

▲普段の会話を大事にし、社内の橋渡し役に

勉強会が継続できている理由は、「気軽に参加でき、気軽に開催できること」と西宮は言います。

恵比寿の本社ビル内で開かれることもありますが、主催者も参加者も全員がリモート参加というケースも多くあります。

リモート開催のメリットとして、外回りが多い営業メンバーも、オフィスに戻ってくる必要がないので、参加しやすいという声があります。時にはアメリカ本社に転属した社員が、アメリカから開催することも。結果的に場所という制約がないから、参加率の高さを維持できているとも言えるでしょう。

“気軽に開催”という点では、西宮自身は「ある程度、適当に」を重視しています。

西宮 「 “適当に ”とは、準備は完璧でなくてもいいという意味です。準備に時間を費やして、実施されないより、ある程度の条件が揃ったらすぐに開催する。 Veevaのバリューにもある “スピード ”は大事です。

私たちの勉強会は、開催側がすべての答えを用意して一方通行で伝えるものではありません。そのテーマにより詳しい人にも参加してもらって、参加者みんなでディスカッションできればいい。答えをみんなで見いだすプロセスが重要なんです」

西宮が最近心がけているのは、普段の会話で疑問が生まれたら、わからないままにせず、勉強会のテーマに取り上げること。そして、その疑問に答えてくれそうな人に声をかけて、勉強会を企画します。西宮は橋渡しの役に回ることも多いと言います。

こうした自発的な勉強会も、コアバリューの一つ「Employee success(社員の成功)」につながっていると西宮は言います。

西宮 「勉強会を立ち上げたころ積極的に開催に携わっていたメンバーは、現在さまざまな部門のリーダーとして活躍しています。やはりこれは、会社が自発的な活動をきちんと評価してくれたんじゃないかと感じています」

「もっともっと大勢のひとが自由なテーマで自発的に企画し、社内のあちこちで勉強会が発生しているような状態が理想」と西宮。その実現は、そう遠くはない未来にありそうです。

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