70歳まで働け?就業法改正案に不満噴出 「年金のために無茶させるのやめろ」「死体に鞭打つ法」

まだ成立したわけではないが、スレッドには、中高年の雇用情勢の厳しさや老後の不安を感じて絶望する人がおびただしく、不安が広がっている。

「40代でリストラが始まるのに70歳定年て…」などの悲観、「少子化対策が無策でその場しのぎ政策」など、国会議員にたいする批判や公務員への逆恨みも相次ぎ、老人ばかりで事故や不安だらけの社会をディストピア描写する人も。

「ほんと日本はすごい国になったね、本当にもう年金支給する気ないんだ…」

という声に、老後の不安が加速していく雰囲気がにじみ出ていた。

現在、厚生年金は条件によっては60歳から受け取れるが、基本的には65歳から支給される。しかし、繰り下げ請求で66歳から受給すれば8.4%増額になり、最高で70歳からだと42%の増額になる。

年金をなるべく遅く支給したい、あるいは支給したくないという意図が見えるが、国民側がこれに対応しようとするのであれば70歳までなんらかの収入や資産が必要だ。

コメントには「現役時代から金のかからない楽しみを見つけたやつが勝ち」という声もあったが、それはそれでますます景気は悪くなるのだから頭が痛い。

「70歳まで働ける権利を保証する」法案だが、不安だらけ

スレッドの中には、この法律は「雇用側の義務であって、従業員の権利な訳だが」という指摘もあった。

定年は法律(高年齢者雇用安定法)によって60歳以上と定められているが、2006年の改正によって事業主に「定年の引き上げ」「継続雇用制度」「定年の廃止」のいずれかが義務付けられた。言うまでもなく最も選ばれているのは65歳までの継続雇用制度で、今回はそれを、70歳まで引き上げようという法案だ。

70代は意外と元気な人も多く、働きたい人が希望通りに働けるなら悪い話ではない。ただ、年金支給が70歳からになれば、働きたくなくても働かざるを得ない人が大量発生する。高齢で勤め先は限られるのだから、不安が募るのは無理もない。

しかも「継続雇用制度」は、労働者の働く権利の保証であって、待遇までは保証していない。60歳から賃金を引き下げたり、時短勤務にしたりするなど、会社が労働条件を変更することができる。社員はそれに不満があればやめる権利はあるが、会社が法律違反になることはない。働きたい人が働きやすく続けられるかにも不安があるのだ。

2月4日放送の「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京)では、定年退職後の人たちを人材派遣のパソナが大量採用したという話題があった。年齢でだけで書類審査に落ちてしまう、再就職が難しいけれど経験豊富な人たちが、営業や財務の契約社員となっていた。

高齢になると「肉体労働しかない」と嘆くより、自身の労働力スキルを上げることに務めるほうが建設的といえる。ただこの話題は、結局正社員としては務め続けられない厳しい雇用情勢も表している。国の今後の政策に注視していくべきだろう。