システム開発からビジネスモデルの変革へ。成長するために必要だった思考の変化 | キャリコネニュース - Page 2
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システム開発からビジネスモデルの変革へ。成長するために必要だった思考の変化

▲プロフェッショナルサービスチームの小原 裕美子

▲プロフェッショナルサービスチームの小原 裕美子

前職では大手SI企業に勤め、企業のシステム開発のプロジェクトマネジメントを任されてきた小原 裕美子。環境や待遇に不満はありませんでしたが、あるきっかけでVeevaへの転職を決意します。経験を積み重ねることで見えてきた目指すべき方向性。思い描くキャリアを築いていくために何が必要だったのかを振り返ります。【talentbookで読む】

お客様の課題解決をしたいと選んだ仕事。順調に経験を重ねて生まれた違和感

現在、Veevaでプロフェッショナルサービスチームに在籍する小原は、大学で情報システムを専攻し、テクノロジー分野からマーケティング分野、映像分野など、ITと密接に関わる幅広い知識を学び始めました。ゼミで取り扱ったテーマは「大学で必要なシステムの企画、システム開発」でした。学びを続けるほど、システムをつくることよりも、そのシステムでどんな課題を解決するのか、を思考することに魅力を感じていきました。

就職先を考えるにあたって最初に頭に浮かんだのは、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーという職種。小原は望み通り大手のシステム開発会社に入社し、流通・小売り、生命保険、製薬という幅広い業界のシステム開発のプロジェクトマネジメントに関わっていくことになります。

小原 「お客様に必要なものは何かを対話の中から引き出し、システムをつくっていく仕事に魅力を感じていました。プログラミングそのものではなく、お客様のつくりたい世界をどう実現するか、今どんな課題を解決したいのか、そこを考えるのがおもしろかったんです」

小原がプロジェクトリーダーとして求められたのは3つのスキルがありました。ひとつは協業パートナーのプログラムやテスト設計、それらをレビューするためのテクニカルスキル。そしてシステムを設計するにあたってスケジュールや予算を管理するプロジェクトのマネジメントスキル。最後のひとつがお客様の要件を聞き、システムの設計と提案ができるコンサルティングスキルでした。

小原 「当時会社からはプロジェクトマネジメントに磨きをかけて、プロマネとして育つことを期待されていました。コンサルティング部分に関しては実質協業パートナーに任せることが多い状況だったので、そうなると予算やリソース、スケジュール管理が仕事の中心になっていきました。『お客様のビジネス課題がどこにあるのか、どうすれば解決できるのか』『それを実現するための手段であるシステムをどう構築するのか』を考えたかった自分のキャリア観と、徐々にズレを感じるようになりました」

入社から5年が経過し、さまざまなプロジェクトを経験し、プロジェクトマネジメントの力をつけていた小原。働く環境や待遇に不満はありませんでしたが、漠然と「このままでいいのか」と自分の行く先に違和感を抱き始めます。そんなとき、転機となる異動のタイミングが訪れたのです。

お客様のビジネスを成功に導く、プロフェッショナルでありたい

異動先では、製薬企業の大規模なプロジェクトを担当。小原の所属するSI企業以外にも、外資系コンサルティング企業、BI製品のベンダーなど数社の企業がプロジェクトにアサインされていました。小原は日々、このプロジェクトで今までにない刺激を受けることになります。

小原 「外資系コンサルティング企業の方々は、製薬業界のMR(営業担当者)が営業する際のビジネスプロセスを熟知した上で、お客様の今後あるべきビジネスプロセスを提言します。これから何をすべきなのかをロジカルに提案していく。お客様の希望や要望通りに実現することを第一に考えていた、これまでの自分のやり方とアプローチが異なっていたんです」

小原はそれまで常に新しい業界や企業の案件を担当するケースが多く、その都度、ゼロから業界知識や情報を学ぶ必要があり、お客様の実現したいことを理解し、それを形にしていくのが当たり前だと考えていました。しかし、業界に特化したプロフェッショナルな人たちの立ち位置がまったく違うことに大きな刺激を受けました。

小原 「私は『小原さんに担当してもらって良かった。またお願いしたい』とお客様に言っていただけることに喜びを感じていました。ただ今後さらに自分の存在価値を高めていくためには、プロジェクトを円滑に進めるマネジメントスキルだけでは難しい。

お客様の業務を深く知り、プロフェッショナルとしてビジネス・システムの両側面から改善の提案をしていくことが、お客様の信頼をえるために必須のスキルだと痛感したんです」

約2年にわたる大規模なプロジェクトで外部パートナーと仕事を共にしていくことで、小原は確実に自分の中で何かが大きく変わっていく実感がありました。

小原 「大きく視野を広げることができました。自分が次に目指すところはどこなのかが見えてきました」

新しいチャレンジのために転職を決意した小原は、専門的な知識や知見を備えてお客様との信頼関係を築きたい。そのためには自分にも特化した業務領域が必要だと考えました。

これまで培ってきたITスキルを生かすため、外資系コンサルティングファームや、ソフトウェアベンダーに対象を絞り、いくつかの企業の話を聞きに行きました。

その中のひとつにあったのがVeeva Japanでした。

製薬業界を成功に導くリーダーとして真摯に向き合う姿勢に引かれた

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前職で担当していた製薬会社が偶然Veevaのユーザーであり、製薬業界のCRMプロダクトとしてVeevaが多くの企業から選ばれているのは知っていました。

また、そのときの業務を通じて製薬業界のCRMとデータ分析領域にも興味を持ちました。エンドユーザーであるMRの営業プロセスや行動に、CRMやデータ分析がダイレクトに寄与できるのを目の当たりにしていて、そこにおもしろみを感じていたのです。

小原 「さまざまな要因はありますが、最終的にVeevaへの入社を決めた理由は大きくふたつあります。ひとつはインダストリークラウドとして製薬業界に特化していること。業界のリーダーとして『製薬業界全体のビジネスをサポートする』ことを掲げているVeevaで仕事ができれば、製薬業界の知識や知見を間違いなく身に付けることができると考えました。

そしてもうひとつの重要な決め手は『人』でした。面接で会話をしたすべての社員から、自分を成長させるために多くのことを学べると感じました。ここで一緒に仕事をすることで自分の視野が広がることがはっきりとイメージできたんです」

製薬企業を成功に導くためにはどんなプロダクトであるべきか?また業界をけん引するリーダーとしてVeevaは何をするべきなのか?業務レベルの話や、CRMのビジネスプロセスの話だけでなく、多くの社員が経営レベルの観点からプロダクトについて語り、小原に知識の幅を広げるヒントを与えました。

インダストリークラウドのリーダーとして真摯に製薬業界に向き合っている──

これが社員と話をしていく中で感じたVeevaの印象でした。それは入社した後も変わらず、Veevaのコアバリューである「Do the right thing (正しいことをする)」が根底にあるからだと小原は気付きます。

小原 「とくにプロダクトチームと話をすると多くの気付きを与えてもらえますが、彼らは常に一歩先を見ています。

これまでにない新しい製品・ソリューションモデルや、新しい世界観をつくり、お客様の成功、ひいては製薬業界の成功を実現するのがリーダーとしてのVeevaの役目だと。そのために何をするのか、正しいことはなんなのかを考えていて、いろいろな切り口を与えてくれるんですね。本当にそこから学ぶことは多いですね」

「お客様のWantsに答える=お客様の成功」ではない

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お客様が求めているシステムを実現するのがSI企業の使命だと考え、一生懸命向き合ってきた小原は、その思考を変革することに苦労したと言います。あるとき、プロジェクトリーダーから自分がまとめたお客様の要件一覧を見て「それはお客様にとってなぜ必要な要件なのか?本当に必要なの?」と突き詰めてレビューをされて気付いたことがありました。

小原 「私はそのときにビジネスとしてのニーズを理解できていないと気付きました。お客様のWantsだけを追ってしまうとカスタマイズが必要になり、Veevaである必要性がどんどん薄まってしまいます。お客様のWantsに答えるのが目的ではなく、ビジネスのニーズがどこにあるのか見つけ、それを実現するためにお客様に向き合う。

経験を積み重ねることで少しずつ大切にするべきものが見えてきました」

プロフェッショナルとしての思考力を育ててく中で、小原は自分の中に“柱”となる考え方を見いだす必要があると思うようになりました。それはお客様に対して「こうあるべき」と自信を持って伝えるVeevaのメンバーの姿がきっかけです。

小原 「正しいと思ったことをお客様のために率直に伝えるメンバーを見て、自分の“柱”となる考えがベースにあるからこそ自信を持って伝えることができるんだと思いました。それが言い合える信頼関係が会社間も担当者間にもできているんです。とてもVeevaらしいコミュニケーションだと感じましたね」

以来、小原は自分の“柱”つくるために、社内のさまざまなメンバーと積極的にディスカッションを行っています。

小原 「自分の“柱”をつくるのは簡単なことではないですが、でも自分でつくっていくしかありません。担当する案件以外でユースケースを解く機会をつくるようにしています。たとえばCRM領域で発生しうる課題解決に必要なものは何か、ベストプラクティスな答えをいろいろ用意する。そのロジックや観点をメンバーやリーダーとディスカッションしながら視野を広げていくんです。ただその繰り返しです」

2018年8月にVeeva Japanに入社した小原。1年以上たつ今も自分の“柱”を見つけるには道半ばだと言いますが、それを見つけるために自分がすべきこと、やりたいことを実践できる環境がVeevaにはあると実感しています。

小原 「こんな案件をやりたいという希望に対して肯定的に応援してくれる方、環境を提供しようとサポートしてくれる方が多い。

それはみんなが互いの個性を大事にしているからだと思います。決められたキャリアパスがあるのではなく“自分がどうなりたいか”が大事。その上で挑戦する機会を与えてくれる。そんな環境が本当に自分にはフィットしています。

夢は、Veevaの人間としてお客様と、お客様が抱える課題に対してさまざまなディスカッションができる、お客様が困ったときに思い浮かぶひとりになりたいと思っています」

自分が思い描くありたい姿──そこにつながる道を小原は、Veevaで今一歩ずつ着実に歩んでいます。

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