フリーランスの休業補償、1日4100円に反発相次ぐ 「最低賃金で4時間勤務」という計算は妥当なのか | キャリコネニュース - Page 2
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フリーランスの休業補償、1日4100円に反発相次ぐ 「最低賃金で4時間勤務」という計算は妥当なのか

不満の声は、フリーランス協会にも寄せられている。同協会の調査に対し、ピアノ講師からは「音楽教育の現場では、学校が休校になれば連鎖的にお休みにさぜるを得ないのが現状」という声が寄せられた。演奏の仕事では集客自体がダメなら仕事がなくなるので「いつ元に戻るか分からない」と困惑している。

また、フォトグラファーも卒業式やスポーツ大会、講演会などの中止により、仕事のキャンセルが相次いでいるという。美容師からも「今までの3分の1程度のお客様しか担当出来ず、歩合で決まるので収入が全然見込めない」という声が出ており、どこまで保障してもらえるのかと不安を抱く。

こうした声にも、同協会の平田麻莉代表理事は冷静だ。「今回の救済措置はあくまでも臨時休校により仕事ができない人に対する措置。イベント自粛などによる損害補償と混同しているフリーランスが多いように思います」と印象を話す。さらに、

「フリーランスに『保障』はありません。ビジネスリスクを背負うのが自営業の宿命です」

ときっぱり述べた。だが、今回の新型コロナウイルス感染拡大によるリスクは「不可抗力で、自営業者に織り込み済みのビジネスリスクの範疇を超えている」。そのための救済措置だという。平田代表理事はこう続ける。

「日本全体が困っている中で、フリーランスが何でもかんでも補償を受けていたら、それこそ批判されてしまいます」

口約束で仕事請負など就業証明に課題も

今回、政府が表明した一律4100円という給付金について、平田代表理事は「現行の法制上は、自営業が給付金をもらうというのは難しかった。まずは感謝したい」と述べ、

「協会内にもやはり金額が足りないという声もあります」

と説明した。ただ、フリーランスには、契約書を作らずに口約束で仕事を請け負ったり、仕事のキャンセルが電話一本だったりすることも多く、就業状況の証明方法などに課題が残る。不正受給も起こり得ることから「(給付額は)この辺が精いっぱいだったのかな」と印象を語った。

同協会ではこれまで、ネット上で署名活動などを実施。平田代表理事は「一定の回答を得たという認識ではある」とした上で

「一部職種の人にとっては運営再開の目途が立たない中で、生活福祉資金貸付制度でどこまで本当に救えるのか疑問は残る。休校理由での休業の給付4100円の根拠がまだ分からなかったり、要件や手続きが固まっていなかったりするので、引き続き動いていきたい」

としている。

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