平成初期のトンデモブラック企業「右翼対策に元警察を天下り採用」「取引先の保険に入らなければ賞与2万円引き」 | キャリコネニュース - Page 2
おかげさまで9周年 メルマガ読者数
65万人以上!

平成初期のトンデモブラック企業「右翼対策に元警察を天下り採用」「取引先の保険に入らなければ賞与2万円引き」

25年前、女性は地方の中小企業に勤めていた。上層部はワンマン社長の家族や親族などが牛耳っていた。その中には社長の友人ということで採用された、元警察の天下りもいた。社長が右翼からの嫌がらせ対策として採用したという。

「その人は自宅から15キロの距離をランニングで出社する健康自慢オタクです。会社のシャワーを使ったあと、社員が朝の清掃をするなか新聞を読んでいました。お昼は社員食堂でパートのおばさんたちとおしゃべりです」

総務部長の肩書きだったが「何の仕事をやっているのかわかりませんでした」という。天下り部長は散々、引っ掻き回した挙句、一年も経たずに会社を去った。女性は社長夫人についても綴る。

「社長の奥さんは保険屋のおばさんで、何かと裏から手を回していました。勤務中に保険会社が勧誘しにきたり。取引銀行が提携している保険会社の自動車保険に入らないと、ただでさえ少ない賞与から2万円も引かれました。社長の奥さんと同じ町内の社員のところには、手土産持参で保険の勧誘に来ていたそうです」

「あの時代はコンプライアンスもなく、イエスマンにならざるを得ませんでした」

職場の環境も劣悪だった。有給休暇は、病気以外では取得できず、その際「使った時は薬袋や領収書を提示しないとダメでした」という。会社の同僚男性が有休希望を出したときのことを綴る。

「ある男性社員が妻の出産に付き添うために有休を希望したら、朝礼で吊し上げられ『男とは妻の出産の時は仕事をするもんだ』と持論も展開。そんな朝礼は一時間以上もあるので、真夏になれば女性社員はバタバタと倒れていました」

さらに子どものいる女性社員にはパートになるよう勧め、遠回しに子どものために退職するよう促していた。それでいて社長の娘は、正社員はおろか、しっかりと役員に据える始末。女性は当時を振り返る。

「あれから25年も経ちました。陰で泣いていた女性社員たちのお子さんも、今は30代の子育て世代。あの時代はコンプライアンスもなく、会社で生き残るためにはイエスマンにならざるを得ませんでした。まともな人ほど辞めていきました」

その会社は結局、社長の右腕だった側近が病死したことで経営が傾き倒産したという。女性は元社長をはじめとする、かつての上層部について、

「戦後の叩き上げで生き抜いてきた世代なんでしょう。元社長やその取り巻き連中は、今となっては80代半ばを過ぎています。散々、常識外れなことをやってのけ、それでいてのうのうと私たちより高い年金をもらって生活しているのか、と思うと腹立たしい」

と心境を綴っている。

※キャリコネニュースでは引き続き「ブラック企業経験談」「【新型コロナ】国に期待する支援策は?」に関するアンケートを募集しています。

【PR】注目情報

関連記事

次世代バナー
次世代バナー

アーカイブ