緊急経済対策に”ベーシック・インカム”が必要なワケ 就職氷河期世代が無縁だった”安心感”を

ベーシックインカムは、国民生活の最低限度の収入の保障として、国民一人ひとりに現金を給付するという政策。生活保護や失業保険、子育て養育給付などとの違いは、無条件で全員に給付されるというのが特徴になる。すでに、アメリカやカナダ、フィンランド、ナミビアなどで実証実験が行われているが、貧困率や犯罪率の低下などの効果が認められるケースもある。

第一のメリットは、年収200~300万円以下のワーキングプア層のセーフティーネットとしての機能だろう。

現行の社会保障制度では、例えば、東京23区の20~40歳の単身者の場合、最大で生活扶助7万9230円と住宅扶助5万3700円の合計13万2930円の生活保護が得られる。だが、給付に至るまでの役所の手続きが厳しいことは知られている通りだ。

また、生計状況に増減があった場合は、都度申告する必要があり、場合によっては扶助が減額される。

一方のベーシック・インカムは、無条件で国民全体に給付されるという考え方。現行制度の複雑な手続きは不要となる。生活保護を受給し、ギリギリの生活をしている人にも定期的に支給されることで、貧困層の減少につながることが期待できる。

資格試験への挑戦、副業の原資にもなり得る

与野党内では、現在もなお国民全体への一律給付を求める動きが挙がっているという。一方、一律給付だと高収入者にも支給されることが逆に不公平を生む、という批判もある。政府もこうした理由から対象者を限定した現金給付を決めたようだ。

だが、仮に今回一律給付が導入されれば、この機会に何らかの資格試験への挑戦や、副業をはじめる原資にするといった使い方も想定できるだろう。また、何より失職した人にとっては、わずかでも「収入がゼロにならない」という安心感がある。

この”安心感”こそ、就職氷河期世代が求めてもなお得られなかったものだ。新型コロナの災禍で国民の多くが不安に苛まれている現在、一過性の給付でなく、ベーシック・インカムを導入すべきだろう。実現すれば、救われるロスジェネも出てくるはずだ。