一期一会の出会いを大切にする。試行錯誤の鑑定士への道 | キャリコネニュース - Page 2
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一期一会の出会いを大切にする。試行錯誤の鑑定士への道

▲手厚いサポートをしてくれる先輩と(左が小上馬 舞)

▲手厚いサポートをしてくれる先輩と(左が小上馬 舞)

コメ兵はリレーユースという理念のもとに、循環型の二次流通によって、人そして環境を豊かにできると信じています。2015年に新卒でコメ兵に入社した小上馬 舞はさまざまな経験を経て、現在ではKOMEHYO銀座店のバッグメイン鑑定士として活躍中。そんな彼女はこれまでどのように成長してきたのでしょうか。【talentbookで読む】

さまざまな人との関わりを大切にする仕事に就きたい

小上馬は幼少期から、中途半端なことが嫌いな性格で、長い時間をかけてスキルを磨いていくことに熱中しやすかったと言います。

学生時代には器械体操、珠算、ピアノ、どれも真剣に取り組みました。

そんな小上馬は、高校生のころ、短期ホームステイ先として訪れたオーストラリアで「言葉の壁」にぶつかります。

小上馬 「普段、当たり前に行っているコミュニケーションの大切さや奥深さについて考えさせられました。大学でも言語と非言語双方の『対人コミュニケーション』について学んだことがきっかけとなり、就職する際の軸として『さまざまな人との関わりを大切にする仕事に就きたい』と思うようになりました」

そこで、百貨店や高級ブランドなど接客に関する仕事を見ていく中、大学で行われていた合同説明会で目に留まったのが、コメ兵でした。小上馬はコメ兵のリユースというビジネスモデルに魅力を感じたと言います。販売と買取の2つのサービスを同時に経験できることに興味が湧きました。

小上馬 「鑑定士は専門性を必要とする仕事で、自分の強みである『目標にむかってひとつのことを継続する力』に合っていると思いました」

晴れて2015年に新卒でコメ兵に入社。KOMEHYO銀座店で販売業務のバッグ担当者として働くことになりました。

そして、2年目からは、買取業務も担当するようになります。買取業務は、より幅広い知識が要求されます。

先輩社員と時間を見つけては、「このバッグの色は?」などクイズを出してもらうこともありました。温かい雰囲気に包まれた職場で、手厚いサポートを受けながらコツコツ勉強。同時に入社1年目の後輩もでき、教わる立場・教える立場をいっぺんに引き受けていました。

あるとき、一回り以上年上の先輩から、異動を機に大事なお客様を紹介されました。

小上馬 「先輩は、お客様と強固な信頼関係を築いていました。先輩と同じような関係性を歴の浅い私に築けるのか……大きなプレッシャーでした。ただ、大事なお客様を任せてもらえることは嬉しかったです」

プレッシャーは消えないものの、先輩の期待にも応えたい。とにかく「自分にできる限りのことを一生懸命やろう」と決めました。

入社2年目も大きな転機。お客様の帰り道を笑顔にするために

▲お客様ノート

▲お客様ノート

まず取り組んだのは、「お客様を知ること」。お客様との会話から、「どんなブランドが好きなのか」「シリーズだったら何が好みか」気になったことは、お客様ノートに都度メモをとりました。

お客様ノートとは、当時の銀座店長から支給されたものでした。現在KOMEHYO銀座店では、データベース化していますが、2016年時点では紙からデータへの移行期間であり、アナログでお客様の情報を集めていました。

小上馬はこのノートに、取り寄せされた商品・問い合わせのあった商品・お客様の好みなど、一行も空けることなく、びっしりとお客様の情報を書き記していきました。

KOMEHYOは、毎日商品の入荷があるので、出勤してすぐに新入荷商品をチェックします。そして、担当のお客様の好みに合いそうな商品があれば、紹介のお電話へ。そこから、来店していただければ、お客様の反応を見て、さらに分析を重ねます。

小上馬は、お客様と向き合い続けました。

小上馬 「今もそうですが、一番大切にしていた視点は、『お客様にとって本当に必要なモノなのか』と考えることです。一期一会の出会いがある中古品ですが、その橋渡し役として私たちがいると思います。ただ、売るのではなく、お客様の暮らしがより楽しく、すてきなものになるか一緒に考えます」

試行錯誤しながらも、自分なりに対応していくうちに、少しずつお客様との距離が縮まっていきました。それからお客様が来店する頻度は増え、多いときで週に2~3回にもなり、小上馬の親身な対応が、確実な信頼を得ていました。

小上馬 「ひとつの転機でした。お客様との出会いもそうですが、後輩を教える、買取業務を勉強し始めるなど変化の多い年でした。入社2年目ではあるけれど、自分が成長して、これからバッグ担当として店舗を引っ張る立場にならなきゃと思ったんです」

そして半年間で、商品知識・真贋ノウハウ・接遇など習得し、コメ兵独自の鑑定士試験に見事合格。現在ではKOMEHYO銀座店バッグのメイン鑑定士となっています。

売ることの心理的ハードルを下げるために

▲KOMEHYOレディース(@komehyo_womens)銀座店パートのInstagram運用も担当

▲KOMEHYOレディース(@komehyo_womens)銀座店パートのInstagram運用も担当

小上馬は、買取を担当する際、とくに心がけていることがあります。

小上馬 「初めてご来店いただく方の中でも、女性のお客様は、緊張してらっしゃる方がとくに多いんです。そういったお客様に少しでも安心してご利用いただくために、笑顔で丁寧に説明することを意識しています」

説明は、買取価格のことから、リセールバリューの高い商品、商品のお手入れ方法まで幅広い。

売るという行為は、まだまだ心理的ハードルを感じる方も少なくないため、不安をなくすよう、できる限りお話をします。丁寧な対応に、「小上馬さんに買い取ってほしい」というお客様も多くいらっしゃいます。

入社当初から徹底しているこの心がけは、お客様との長期的な関係づくりにつながっています。

小上馬 「とあるお客様は、入社1年目の新入社員のころ、売場で何度もお会いするうちに、商品のことだけでなくプライベートのことまで話していただけるようになりました。 当時は『フレッシュで笑顔がすてき!』と、接客にお褒めの言葉をいただきました」

それから、小上馬は少しずつバッグの知識を蓄え、買取業務も担当するようになり、お客様のコレクションしていたエルメスのバッグを小上馬指名でお譲りいただくようになります。「こんな鑑定もできるようになってすごいね!バッグを見るときの目が『鑑定士の顔』だね」と、一緒に小上馬の成長を喜んでいただけるすてきなお客様です。

お客様と出会って以来、「手放すときは必ず小上馬さんにお願いする」とお話いただいていた、エルメスのクロコ革のバーキンがありました。『家宝』として大事にされ、お客様にとって特別なバッグでした。

そして、お客様と出会って5年目、そろそろ手放すとき、と買取のご相談いただくようになりました。

小上馬指名で来店していただいたお客様は、「このバッグにはたくさん元気をいただいたわ。最後は小上馬さんに買い取っていただけるから、安心してバッグを預けられる。ありがとう!」と、嬉しいお言葉をいただいたのです。

小上馬 「実はそのバッグ、およそ13年前にコメ兵で購入していただいたものだったんです。大切に使っていただいた後に、またお譲りいただくなんて。モノとお客様のストーリーをつなぐリユースってすてきだ、と感じました」

リユースを利用したことのない人は、少なくありません。お客様の大切なお品物を預かるたった一度の対応で、リユースに対する印象が決まってしまうかもしれない。その一回、一回のお客様とのコミュニケーションを何よりも大切にしています。

信頼を寄せられる鑑定士になりたい。小上馬のこれからの目標

▲バッグのメイン鑑定士として日々奮闘中の小上馬

▲バッグのメイン鑑定士として日々奮闘中の小上馬

買取業務を担当して、4年間。これまでに約4,200件もの査定をしてきた小上馬。これからの展望があると言います。

小上馬 「今チャレンジしているのは、法人間取引の相場感を身に付けることですね」

KOMEHYOで買取した商品は、店頭で再販されるだけでなく、法人間取引で売買されることもあります。鑑定士が値段を正確に把握することは、さまざまなチャネルでの流通を念頭におけるため、お客様にご提示できる価格の幅が広がります。お客様のより良い売却のため、相場感は欠かせません。

店頭で買取したのち法人間取引で売買された商品は、担当部門から「売買が成立した金額」のフィードバックがあります。このフィードバックをもとに、自分の持つ知見をすり合わせているのです。

小上馬 「お客様から信頼を寄せられる鑑定士になるため、これからも知識・相場感を磨いて、鑑定士という仕事をより極めていきたいです」

──すべてのことに一生懸命。

上司の銀座店長は、小上馬のことをこう話しました。与えられた役割を一生懸命に果たす。ポテンシャルとパフォーマンスが、同じ方向に向いて発揮されていると言います。

そんな小上馬が、大事にしていることは『当たり前』のことでした。

小上馬 「忘れずにいたいのは、『ありがとうございます』と必ず言葉にして伝えることです。祖父の口癖でもあった『ありがとう』。気付いたら父や母に、おじいちゃんそっくりなんて言われるようになるほど、無意識に言ってしまっているみたいです(笑)。すてきな出会いをくださるお客様に対しても、一緒に働きサポートしてくれる仲間や上司にも感謝することばかりです。当たり前のことかもしれませんが、これからも伝え続けたいと思います」

お客様に、自分にストイックに向き合う小上馬は、今日もすてきな出会いのために奮闘しています。

株式会社コメ兵

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