霊感持ちの父が経験した幽霊との壮絶バトル 「あれはまた必ずやってくる」と夜に備える | キャリコネニュース - Page 2
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霊感持ちの父が経験した幽霊との壮絶バトル 「あれはまた必ずやってくる」と夜に備える

これは70歳近い父が20歳の頃の話。父は独身で実家に住んでいた。田舎にあった父の実家は川と海に囲まれた三角州の中にある。三角州の川沿いは土手になっていて、今でこそ家がたくさん建っているが、父が若い頃はまだ田んぼや竹やぶが多かった。

ある夜、実家2階の自室で寝ていた父は、「ギィィエェェェ~!!!」という断末魔のような叫びで目が覚めた。驚いて飛び起きると、深夜なのに目の前の窓が真っ赤になっている。

「火事か?」と思い窓を開けると、家から100メートルほど離れたところにある土手側の家と、竹やぶが煌々と燃えていた。火の手の近くに親戚の家もあったため、確かめるために父は現場に向かった。

親戚の家は無事だったが、現場は猛炎に包まれ、深夜にもかかわらず近所の人が集まってきていた。父は顔見知りの近所の人に、「さっき悲鳴が聞こえたよね?」と聞いたが、誰も聞いていないという。

竹やぶがボンッ、ボンッと音を立てて燃えている中、また断末魔が響いた。父は「ほら!」と言ったが、やはりみんな聞こえないと言う。

それから消防車やパトカーが到着し消火活動を始めたが、竹やぶの隣の家は全焼だった。父が家に戻ると午前3時。両親(筆者の祖父母)も目を覚ましていて、近所で火事があったことを伝えてまた眠った。

翌日、昨夜の火事は年配の夫婦が暮らす家で起こり、妻が亡くなったことを知ったという。夫は2階の窓から飛び降りて、怪我はしたものの命は無事だった。

目の前に、皮膚は焼けただれ髪はヂリヂリの老婆が

それから1か月ほどした、ある夜。父がレコードを聴きなから眠りについていた時のこと。父が寝ているベッドの、頭側にあるドアがスーっと開き、何かが入ってきたという。それはベッドの側に立ち、父を見下ろしている。

瞬間、父は体が動かなくなり、声が出なくなった。”それ”は焼け焦げた衣類を身にまとい、髪の毛はヂリヂリに焦げ、顔が焼けただれた老婆だ。あの火事で亡くなった妻だと分かった。肌や服がプスプスと音をたて、焦げた臭いが鼻に伝わる。

もがいても動けず、声も出ない。すると突然、ベッドの側にいたおばあさんは父の視界から消えた。同時に、今度は布団の中で、お腹の上にズシッと重みを感じる。胸のあたりから、焼けた両手が出てきて、父の首を絞めた。

必死にもがいて抵抗しようとするが体が動かない。階下の両親を呼ぼうにも声が出ない。そのまま父は意識を失い、目が覚めると朝だった。不気味な体験に全身じっとり汗をかいていた父は、階下の浴室へ向かった。

鏡を観ると、首に赤い輪っかのような跡がクッキリとついていた。父は「夢じゃなかったのか…」と驚き、確信した。「あれはまた必ずやって来る」と。

「今度あれが来たら戦ってやる」と、対峙を決意

幼い頃から霊感の強かった父は、20歳になる頃には心霊現象に強いお寺や神社などの関係者と親しくなっていた。心霊的な問題から身を守る術も身につけていたし、柔術有段者でもある。

父はあるお寺の和尚さんからもらった「不動明王の数珠」をお守りとして持っていた。まだ若く自分の力に自信があった父は、「今度あれが来たら戦ってやる」と、対峙を決意したのだった。

その日から毎晩不動明王の数珠を首にかけて眠り、1週間後の夜。その焼けただれたおばあさんが部屋に入ってきた。数珠を持っていたからか、その時は金縛りにならなかった。

すぐに手に数珠を持って、気合を入れながらおばあさんに向けて九字を切った。九字は護身法で、筆者も小学生の頃に父から教えてもらった。するとおばあさんは後ずさり、窓の方から消えていった。以来、父の前にそのおばあさんが現れることはなかった。

父自身の体験はここでおしまいなのだが、実はこの話、後から「つながっていた」ことを知ることになる。

後編に続く。

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