いったい何があったのか。まずは、男性に語ってもらった。
《5年ほど前、私は、インターネットサービス系の企業の情報システム部に勤めていました。
22時ごろまで残業していた日のことです。ようやく仕事が片付き、「さあ帰ろう」とPCの電源を落とそうとしたときに、電話が鳴り出しました。「この時間帯にかかってくる電話は、トラブルや厄介ごとに違いない」と思いながら電話に出ると、店舗勤務の社員から「変なメールが出回っているから、可能ならば削除した方がいい」と言われました。》
あわてて受信ボックスを確認した男性は、驚くべきものを目にしたという。
《「all@ドメイン」のような全社員宛のアドレスに、社長と元社員女性の不倫関係を暴露するような内容のメールが送られてきていたんです。
メールの送信者は、元社員本人。何通か送られてきていましたが、社長と彼女のメールのやりとりを転送したもののようでした。「妻とは別れるから……」などと社長が送っているのに対し、元社員は「黙れ!」「お前の言葉なんか信じられるか!」というように返信していて、揉めているような感じでした。》
急きょ徹夜で「メール削除」
痴話喧嘩の末に、愛人である元社員女性が暴走してしまったのだろうか。この後、男性に思わぬ不幸が降りかかる。
《とりあえずマネージャーに電話すると、「今、全社員の受信ボックスからそのメールを削除しているから、君も手伝ってくれ」と言われ、なんと全社員のアカウントにシステム権限でログインし、徹夜でその不倫メールを消す羽目になりました。
対応にあたったのは、私とマネージャー、そして役員数名と総務部部長。上司に頼まれたこととはいえ、ほかの社員のアカウントにログインして勝手にメールを削除することに、罪悪感が湧きました。社会人10年間のうち、唯一本気で「やりたくない」と思った仕事でした……。》
仕事とはいえないものの、徹夜での作業に駆り出された男性。残業代などはもらえたのだろうか?
《もともとの給料が、月40時間分の残業代込みでしたし、そもそも仕事が忙しく面倒だったので、その日の作業分の残業申請はしませんでした。「これ以上関わりたくない」という気持ちもありましたし……。
後日、社長や役員からは「迷惑をかけて申し訳ない」「メールの内容は事実無根で、法的措置も検討している」というメールが送られていましたが、説明などはそれっきりでした。削除する前にメールを開封してしまった社員もいましたから、数日はメールについて話をする人もいましたが、自然とそのうち話題に出なくなりましたね。とはいえ私には、疲労感と、不倫をした挙句トラブルを起こした社長への不信感が残った出来事でした。》
ちなみに、この社長、昔からよく部下に手を出していたらしく、男性の在職中に別の社員と関係を持ち噂になったこともあるという。大迷惑な社内不倫を社長自らが繰り返すとは……。メールを消して取り繕っても、人の記憶までは消せない。いつか大きなしっぺ返しを食らうのではないだろうか。
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