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営業成績トップなのに「この人絶対ズルしてます!」と言いがかり→退職した女性 その後、会社は消滅していた

釘を指すように言われたのは、こんな忠告だった。

「年齢が上だからって、周りに仕事を教えたりしないでください。自分のことに集中して」

どうやら以前いたパートが、ベテラン風を吹かせてトラブルを起こしたらしかった。女性は波風を立てないよう、自分の仕事に専念することを心がけた。しかし、若い社員たちの電話応対はお世辞にも上手とは言えず、「暗い声でタメ口とかザラ」な状況に内心驚いていたという。

「部署の“教育係”という若いお姉さん(たぶん20代後半)は、ちょいちょい上から目線。でも私も仕事しに来てるし、細かいことにいちいち腹を立ててられない」

女性は「子持ちで稼げる仕事なんてそうそう見つからない」と、細かいことには目をつぶり、仕事に集中した。かつて大手企業で10年以上電話営業を経験していたこともあり、すぐにトップの成績を収めるようになる。すると

「会議で『どうやって?』などと聞かれたから、普通の電話の基礎や顧客との距離の詰めかたなどを簡単に説明したよ。出過ぎない程度に気を付けながら。でも、教えたとて、誰もそれを実行しようとはしない。なぜだ(涙)」

「〇〇さんだけ成績がいいのはおかしい!」

そんな中、事件が起きる。前述の“教育係”だという女性社員から、突然こう難癖をつけられたのだ。

「〇〇さんだけ成績がいいのはおかしい!見込みのある顧客を自分のリストにしてるに違いない!」

一部、「そんな事出来るわけなくない?」と疑問を呈する社員もいたが、教育係は「黙って!」と一喝。結局、上司の判断で「みんなが納得しないから顧客リストをシャッフルしよう」ということになった。教育係は「やったね」と満足げだったという。

女性に渡されたのは、教育係が「このリストだめ!」と見限ったもの。しかし、中身を確認すると「ちゃんとした見込み顧客も混ざってて、普通にいけそう」だったと振り返る。

案の定、そのリストで電話をかけると、一件目から話が盛り上がり即アポ獲得、しかも太客だった。目の前で成果を出され、教育係の顔は真っ赤に。そして、信じられない行動に出る。

「取締役に『この人、絶対ズルしてます!』」

これを受け、取締役は女性を呼び出し、耳を疑う言葉を発した。

「〇〇さん、ほどほどにしてください」
「パートのあなたはすぐ辞めるかもしれない。でも、ここにいる社員たちは長く働いてもらわないといけない。そんな中で、あなた一人が成果を出しすぎると、社員がやる気を失って辞めてしまうかもしれないでしょう?」

この理不尽な言い分に、女性は退職を決意した。

あれから6年。偶然その会社のビルの前を通りかかった際、テナント一覧から社名プレートが消えていることに気づいた。「移転したのかな?」と調べてみると、会社自体が消滅していたようだ。

「あのとき辞めて本当によかった。そして今は、他の会社で安定して働いてます」

と、現在の心境を書いている。能力のある人間を正当に評価せず、出る杭を打つような会社が長続きするはずもなかったのだろう。

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