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向上心あるワガママは”大歓迎”を掲げる企業がこれまでに聞き入れた「エンジニアのワガママ3選」

株式会社トゥインクル システムソリューション事業部の小笠原広明事業部長

“会社”とは言わずもがな組織で動かすものだ。それ故に、個人のわがままが通用する機会は極めて少なく、仕事内容や就業場所にささやかな不満を抱いている人もいるかもしれない。

ところが、エンジニアファーストを貫くトゥインクルは「向上心あるワガママならば大歓迎」と従業員に呼び掛けている。キャリコネニュースでは、同社システムソリューション事業部の小笠原広明事業部長に、これまでに聞き入れたエンジニアの”ワガママ”について聞いた。

「以前と同じような案件に携わりたい」

同社は、システム開発・インフラ設計・構築支援といった顧客のニーズに合わせたトータルサービスを提供している総合情報処理サービス企業。同社では、約8割のエンジニアが客先に常駐し、それぞれのプロジェクトに関わっている。

契約が終わると、エンジニアは次の客先に常駐先が移ることになる。ところが、この時にエンジニアから以下のような”ワガママ”が寄せられるケースがあるという。

「習得したばかりの技術をもう少し深めたいから、同じような方向性の案件に携わりたい」

各エンジニアの割り振りを決めるのは、営業担当2人の仕事。いずれもエンジニア出身だ。小笠原さんは、

「営業担当も元々技術者として現場で働いていたことがあるので、状況はよく分かっています。エンジニアの気持ちも分かりますし、そうは言っても営業としての立場もあるので、両方を分かった上でエンジニアと対話ができています」

また、最近は「テレワーク中心の現場がいい」といった声もあるという。客先の方針に左右されるため最優先にはできないものの、出社を要求される現場は減りつつあり、現在では60~70%弱のエンジニアがテレワークを取り入れながら働いている。

「人間関係にとらわれたくない」

一方で「人間関係にとらわれたくないので短期の案件を重ねたいです」といった声も寄せられる。小笠原さんは、以下のように現場の気持ちを代弁する。

「いろんな会社からいろんな人が来ていて、客先にもいろんな人がいます。すると、長くなるにつれて、しがらみもできますよね。こうしたことから『人間関係が面倒くさい』と話すエンジニアも中にはいます」

どんな職種、職場でも人間関係の問題は付きものだ。総合人材情報サービスのアイデムが8月31日に発表した調査で「今までで最も早く辞めてしまった職場の退職理由」を聞くと、最多の30.5%が「職場の人間関係に問題があった」と回答した。

さらに、エンジニア特有の課題もありそうだ。小笠原さんは「皆が皆、そうではないですが、エンジニアはどちらかと言うとコミュニケーションが得意な方ではないタイプが多いです」と明かす。

「もちろん、仕事上のプレゼンなどはしっかりとやるんでしょうけど、同僚であったり、チームのメンバー、お客様、チームリーダーとコミュニケーションを取りながら仕事をしなければいけない場面もありますので、やはり人間同士ですから相性の合わない方も出てきてしまいます。そういった時に、そこでずっとその人との付き合いが長くなるとつらいものがあるので『業務の方に集中したいな』『もうちょっとスムーズな場所でやりたいな』というのが異動の希望がありましたら対応するようにしています」

小笠原さんによると、プロジェクト期間が長くても、契約期間はおよそ3か月程度で区切られているケースが多いという。こうした背景もあり、契約の切れ目でエンジニアの希望を聞き、別の案件に異動させることができるようだ。

人間関係以外が理由になることもある。「エンジニアにとっては技術が身に付く、自分の技術力が上がることが非常に大きなポイントになるのですが、現在の常駐先ではもう学ぶことがない、同じことの繰り返し、となると、異動したくなるわけです」と説明する。

「お客様は逆に『慣れてきているのに異動しないでくれ』『長くいてほしい』という風になります。でも、エンジニアから声が挙がれば、『そこにいても腐っちゃうよね』『次を考えようか』という話はできますので、思ったこととか、こうしたいっていう思いがあれば、いつでも言っておいでとは話しています」

続けて「本当に遠慮なく、みんな言ってきますよね」と嬉しそうに笑みを浮かべた。

「新しい言語を習得したい」

また、小笠原さんは「新しい言語などの『今までやったことないことがやりたい』って声も多いです」とエンジニアの知的好奇心に起因する”ワガママ”が多いと話す。

「ただ、受け入れ側のお客様としては即戦力が欲しいですから『今まで経験してきた、実績のある人に来てください』ということになってきます」

では、どうやって”ワガママ”を聞き入れるのだろうか。「なかなか経験のない言語では難しい、ということになりますけど」と前置きした上で、こう説明する。

「エンジニアの場合は2年、3年とやっていきますと、プログラム自体が初めての訳ではないので、新しい言語もある程度勉強すればすぐできるようになります。その辺りをお客様に説明し、あとは人物を見ていただいて『いろいろと経験してきている』ということを示した上で信用していただいて異動する流れになります」

だが、現場のエンジニアの気分次第で異動をさせていては、会社として成立しなくなってしまう。小笠原さんは「会社側からエンジニアに提案することもある」とする。

「会社側からエンジニアの方に、今だけじゃなくて5年後、10年後に『どういうエンジニアになっていたいか』という話をします。もちろん本人の希望も聞きますが、会社としても『こういうレベルで部下を何人か持ってやってほしい』『将来的にこういう方向でやってほしい』という将来像を持っています。これを本人と話しながら『じゃあ5年後にこうなるためには今はこれが必要』という方向で仕事を調整しています」

やはり会社が抱える案件や、客先の都合もあるので、一直線で将来像に向かっていくものばかりではないという。だが、最終的に「どこを目指すのか」を明確にした上で、いろんなものを経験してもらうことが重要と強調し、エンジニアと対話しながら「今やっている仕事の意義を理解してもらうようにはしています」と説明した。

求める人物像は「素直な人」

小笠原さんは、トゥインクルに求められる人物像について「できれば素直な方がいいです」と話す。

「エンジニアとして何年もやってきている方だといろいろな考え、信念があるかと思います。やはりいろんな現場があって、お客様がいますので、人の話が聞けてそれを素直に受け入れられて、それを自分の中で消化できる方が向いているのかなと思います」

また同社では、自分の希望が言いやすいなど自由な社風が特徴だ。小笠原さんは「逆に言うと、積極的に考えて自分から提案したり、動いたり、お客様に提案を持ち掛けたり、そういう気持ちの前向きさがあるといいですね」と話す。

一方、指示を待ってしまう人や、「言ってくれなきゃ分かんない」という人など苦労しそうだという。小笠原さんは「私なんかは人に言われて動くのが嫌なものですから……」と笑い、次のように続ける。

「”思ったことをまずはやってみなよ”というのが基本的なスタンスになりますから、そういう方は本当に働きやすいと思いますよ。自分で考えていろいろやってみたい方は向いています」

エンジニアファーストのトゥインクルで働く。

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