入社2年目の若手がつくる「1年目フォローアップ研修」。企画する側から見えたモノ | キャリコネニュース
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入社2年目の若手がつくる「1年目フォローアップ研修」。企画する側から見えたモノ

▲企画メンバー。まん延防止等重点措置の時期だったため、打ち合わせはすべてオンラインで行いました(上段 左:佐藤さん、右:細見さん、下段 左:倉島さん、右:大山さん)

新卒で入社した社員に対し、配属後約半年後・1年半後に行われるグループ横断でのフォローアップ研修。「昨年の今頃、何に悩んでいたかな?」「どんな気づきがあったら、もっと仕事を楽しめたかな?」そんな目線で、入社2年目のメンバーが当時を振り返りながら、年次が1つ下の後輩たちのために研修内容を考えました。【talentbookで読む】

入社2年目のメンバーと共につくった「1年目フォローアップ研修」

インテージグループのグループビジョンは、「知る、つなぐ、未来を拓く(Know today,Power Tomorrow)」です。当社では、お客様と社員との間だけでなく、インテージグループにつながる社員一人ひとりが、お互いに知り合い、知見を共有し、「個として価値を出し続け、多様性の中で仲間とともに価値を最大化」すること(全員でKnow Today Power Tomorrowする場の創出)を目指して、グループ横断研修を実施しています。

2022年1月に実施した「1年目フォローアップ研修」もその中の一つです。

例年は、グループ会社の人事が知恵を出し合い、「彼ら/彼女らに必要なことは何だろう」と試行錯誤していますが、21年度は「一番年齢が近い入社2年目の社員に意見をもらったらどうだろうか」というアイデアが出てきました。そこで、2年目社員から企画メンバーを募り、実施までの約半年間、隔週で打ち合わせに参加し、意見を出してもらいながら、研修をつくりあげていきました。

プロジェクトの前半は「当時仕事についてどう感じていたか」「どんなことに悩んでいたか」など、お互いを知る時間を設定。「そもそも悩んでいる前提っておかしくない?」というような鋭い意見も飛び出し、人事部メンバーがなんとなく勝手に抱いていた「若手へのイメージ」を壊してくれました。

後半では、より企画に近づきました。「“2年目で陥るであろうジレンマ” をケーススタディにして体感してもらうことで、実際にそのような事態に陥った時に少し余裕ができるのではないか」という意見が出たことから、企画メンバーの経験をもとにケーススタディをつくりました。

そんな研修企画から実施までを、対談形式でご紹介します。

■企画メンバープロフィール
佐藤 大和
株式会社インテージ 第2営業部
「小売流通クライアントの営業を担当しています」

大山 祐輝
株式会社インテージ 事業開発本部 テレビ事業開発部
「事業開発・事業育成をしています」

倉島 匠
株式会社インテージテクノスフィア 医薬ユニット 医薬サービスビジネス部
「製薬会社のシステム開発保守を担当しています」

細見 真由
株式会社協和企画 営業2部 
「美大卒だけど営業担当です」

お誘いは突然に。手を挙げ、参加を決意した4人の動機

2021年8月、グループ人事企画部(以下、G人事)から新卒入社2年目全員へ、一本のメールが届きました。

「アンケートご回答のお願い&研修企画メンバー募集のお知らせ」
2022年1月に実施する「2021年4月入社者向けフォローアップ研修」を企画するにあたり、1年先輩にあたる皆さんの経験・体験を設計のヒントとさせていただければと考えています。1年目の1月(配属後6カ月~9カ月)を思い出して、ご回答ください。

また、1月に開催する1年目フォローアップ研修の企画に協力くださる方を募集しています。説明会にて詳細説明と質問へのご回答をいたしますが、現時点での関心をお知らせください。

G人事 「そこで手を挙げてくれたのが皆さんだったんですよね!なぜ協力しようと思ってくれたのか、教えてもらってもいいですか?」

倉島 「いや、その時点では手を挙げたというか、コロナ禍で業務上つながりがある人とオンライン会議があるだけだったので、『同期に会えるかな?』という気持ちで説明会に参加したんですよ。参加する意気込みが最初からあったわけではないのに、気づいたら企画メンバーになっていました(笑)」

G人事 「説明会に出たら、もう断れない雰囲気だったと……」

倉島 「人事に興味があった、という理由もあります。僕の所属はインテージテクノスフィアというビジネスインテリジェンス領域を扱う会社なので、PCとにらめっこしている時間も長いんです。もっといろんな人と話す機会が欲しいな、と思っていました」

佐藤 「僕も倉島さんと同じで、とりあえず説明会に参加した感じです。でも、参加者がまさか4人だけとは思っていませんでした(笑)」

G人事 「何をやるか、まだわかりませんものね。『まずもうちょっと知ってみよう』という姿勢は、これまで一緒に企画をしていても感じる佐藤さんらしさですね」

佐藤 「そんな立派なものではないですよ。性善説派なんです」

G人事 「大山さんも、説明会に出たら……。というパターンでしたか?」

大山 「僕は人のキャリアに興味があるんです。大学時代には就活支援団体に入っていて、OB訪問も年100件は受けていました。1年目の社員には知り合いも5名ほどいるので、『何か力になれるなら、なりたい』という動機でした」

G人事 「初めから参加する気があった人がいて、ホッとしました。なんだか説明会でゴリ押ししてしまったかな……。と反省し始めていたので(笑)」

細見 「私はグループ人事企画部の方と面識があったので、お誘いに乗ってみました。ちょうどKTPT(*)に出たり、talentbookの記事でインタビューを受けたりしていたころだったんです」

G人事 「そうでしたね!いろいろとありがとうございます。素直に『この人たちのお誘いなら』と乗ってくれるのは嬉しいです。そういう意味では、“とりあえず”説明会に参加されたお二人も、『このメンバーで企画したら楽しいかな』と思ってくれたということですよね?」

倉島・佐藤 「そうですね」

*KTPT:インテージグループで仕事に携わる方が集まり、それぞれが持っている知見をハックし、tipsを共有・ディスカッションすることを目的としたオンラインイベントです。月に1度開催しています。

「誰かのため」が自分の学びや気づきに。研修をつくる側に立って見えたもの

G人事 「実際進めていく中で、大変だったことはありますか?」

佐藤 「負担はそこまでありませんでした。適度なボリューム感だったと思います」

倉島 「こうして企画を通じて同期メンバーと深く話せたことは、自分にとってすごくプラスになりました」

細見 「そうそう、自分たちの方が勉強になったように感じます。いつもの仕事とは頭を使う部分が違って、純粋に楽しかったです。また、これまで研修を受ける立場でしたが、企画側に立ってみて、『意図を考える』という気付きにつながりました。相手にこう捉えてほしいから、こういう考え方をしよう、と見立てを行うことが今までの業務になかったので、新しい経験になりました」

大山 「今回は当日のグループワークにおけるファシリテートも、一部任せてもらったのですが、 『知識環境が違う人とどう話すか』という点は営業トークに近いなと思いました。研修なので、“感じてほしいこと” も一定ある中で、どうやったら気づいてもらえるだろうか、と仮説を立てて進めていくやり方に、自分なりにトライできたことは価値がありました。とはいえ、反省する点は多々あります。アドリブ力はもうちょっと積まないといけないと思いました。そこに気づけたのも参加したからこそですね」

G人事 「今回は、ケーススタディを皆さんの経験をもとにつくり上げてもらったので、そのケースに基づいたディスカッションの部分では、ファシリテートしてもらったんですよね。皆さんの職場の方々も快く送り出してくださって、本当に感謝しかありません」

倉島 「当日後輩と話すことで初心にかえれたのも、よかった点です」

佐藤 「私も、今の部署に後輩がいないので、貴重な経験でした。企画から当日まで含めて、プラスしかなかったです!」

G人事 「実際にファシリテートしてみてどうでしたか? 」

佐藤・細見 「ファシリテートするときは、1年目の皆さんが大人びていたので、冷や汗が出ました」

G人事 「場を温めるのが大変だった、という感じでしょうか?」

大山 「静かというより、『研修だね』というクールさ・空気感の差がやはりありました。普段の業務においても、お客さんと温度感がある中でモチベートして先に進めていくという場面はあるので、『そういう時はどう進めたらいいかな?』なんて、考えを広げながら参加していました」

倉島 「企画側に立ってみると、『せっかく参加しているんだから貪欲に持ち帰ってほしい』と思いました。違う立場を経験できたことは、これから自分が研修に参加するときにプラスになる気がします。また、ファシリテートするのは苦手ですが克服したいと思うようになりました。だから、またこういった機会があったら参加したいです」

G人事 「おお、心強い!じゃあ、社内のほかの研修についてもお声がけさせてもらいますね」

一人ひとりが誰かのロールモデルに~お互いに学びあうこと~

G人事 「今回研修をつくってみて、『自分たちも享受したい!』と思ったことはありましたか?」

佐藤 「自分たちの研修にも先輩が来てくれたら、ありがたいと感じました。社内での人脈はやっぱり大切にしたいし、どんどん広げていきたいです」

倉島 「同期や年が近い先輩と話す機会が少ないから、グループ共通研修だけではなく、自社単独の研修でも、年次研修があるといいと思いました。任意研修はたくさんありますが、年が近い先輩と話す機会は意外と少ないんですよね」

細見 「自分の上司は10歳ほど上の方なので、そばに近い将来のロールモデルにできる人がいないのが悩みです。グループの中で、そういう人と出会えたら嬉しいです」

G人事 「やっぱり人との出会いは大切ですね。今回の研修のアンケートでは、皆さんに向けたたくさんのメッセージがありました。コメントを読んでみるとわかるように、もうすでに皆さんが“目標”になっているんですよね。身構えずに、『ちょっと先輩の経験談を聞いてみる』ことも、ロールモデルにつながる大切な機会なのかもしれません」

↓(アンケートコメント抜粋)

・近い先輩のお話が聞けて、ちょっと先の目標・レベルを知ることができました。
・2年目の先輩方もそういった悩みがあったんだ、自分だけではないんだと、より思うことができました。1年後、2年目の先輩方のように成長を実感できるよう、これから頑張りたいと思います!
・私も1年後に先輩方と同じくらい成長を実感できるよう頑張りたいです。
・私も2年目のときに、皆さんのように自信をもって業務に取り組めるように頑張ります。
・先輩方のようになりたい!と強く思いました。
・2年目の方だと思えないくらい、周りを俯瞰しながらどんな意見や不安も受け止めてくれる方のイメージでした。ありがとうございました!来年私もそうなりたいです。

大山 「違う観点では、ナレッジシェア系がもっと活発になったらいいなと思います。便利なマクロやツールが、チーム内に閉じていることもあるかと思います」

佐藤 「知識も、実務として詳しい人もいれば、学術的に学んでいる人もいるし、教え合う機会が増えたらいいかもしれないですね」

G人事 「まずは知り合うところからはじめ、知見を共有していく。これはまさに私たちが『インテージグループ』であるからこそ、活かしていきたいことですよね!グループ共通研修もやっていますが、それだけではなく各現場発でこうしてつながって、一緒に取り組んでいけることが増えたらいいな、とあらためて感じました。今回は、本当にありがとうございました!」

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