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医学・生物学的専門性を製品の力に。ユーザー目線の開発で一つでも多くの機器を世界へ

医学・生物学的な観点で医療機器の有効性・安全性の評価に携わる佐々木 由衣。外科系製品の開発に従事するかたわら、リーダーとしてチームマネジメントにも関わる。獣医師としての専門性も活かし、ユーザー目線で医療機器の開発に貢献できることが強みと話す佐々木。オリンパスで働く魅力や仕事の醍醐味を語ります。【talentbookで読む】

製品の有効・安全性を医学・生物学的な視点から評価。ユーザーのため患者さんのために

──2022年12月現在のお仕事の内容について教えてください。

医学・生物学の観点から、開発品の有効性や安全性を評価するための方法を開発し、評価を行い科学的データを取得することで、製品の有効性・安全性を検証しています。中でも、私が主に担当しているのは、手術用の内視鏡をはじめとする外科系製品です。開発の序盤では製品のコンセプトの確認や実用化判断、中盤では開発品の有効性・安全性確認のための評価や評価結果をもとにした設計への反映、終盤ではユーザーである医師をはじめとする医療従事者のニーズに合致した製品になっているかの確認や、法規制当局への申請に必要な科学的データの取得等、あらゆるフェーズに関わっています。

評価の過程で、ユーザーに開発品を使用してもらうことも少なくありません。たとえば外科系の製品であれば、実際の手術現場を模擬した環境で評価していただくことで、医療現場の意見を設計に確実に反映できるように心掛けています。

──仕事をする上でどんなことを大切にしていますか?

目先のことにとらわれて本来の目的を見失うことがないよう心掛けています。私たち医療機器メーカーの人間にとっての最終的な目標は、医療機器を世に出して社会貢献することだと思っています。日々、開発品の評価に取り組んでいますが、それをゴールと見誤ることなく、あくまでユーザーの期待に応え、患者さんのためになるような製品をつくり出すことを目標に仕事と向き合っています。

ユーザー目線で開発に携わるということも大切にしています。私は獣医師でもあるため、医学・生物学的な知識や技術をもっていることが自分の強みだと思っています。ユーザーに近い目線で開発品に関わることで、より良い医療機器づくりに貢献できると考えています。

専門職よりも、マネジメント職に。より多くの医療機器を世に出すために

──学生時代や前職のこと、入社までの経緯について教えてください。

動物のお医者さんになりたいという気持ちから大学では獣医学を専攻しましたが、入学して数年したところで、町の獣医さんとして地域に根ざした活動をするより、企業の一員となって広く世の中の人の役に立つ仕事がしたいと考えるようになりました。獣医学部から企業の研究職として働く道があることを知り、大学卒業後は製薬会社に就職しました。

製薬会社では、治験前の新薬の安全性を評価する業務を担当していました。医薬品の研究開発における評価業務の多くは定型化されていて、規定に沿って進めることがほとんど。また、開発品が新薬という形で世に出るには、非常に長い時間を要するということも実感しました。自分の知識やアイデアを活かしながら、たくさんの製品を世に出して社会貢献したいという想いから転職する道を選びました。

医療機器は多種多様であるため、医薬品のような定型化された研究開発手法などは存在しません。自分で考え創意工夫しながら仕事ができるという点、またスピード感をもって製品を世に出せるという点から、医療機器メーカーを選びました。

──どのような経緯でリーダーになったのですか?また、立場が変わり気持ちの変化はありましたか?

入社してからの5年間はメンバーとして外科製品の開発に関わってきました。自身の今後のキャリアを考えた際、私ひとりがプレーヤーとして専門性を高めるよりも、マネジメント職としてメンバーを育成してチームとしての能力を向上させることができれば、より多くの医療機器を世に出すことにつながると考え、リーダーとして働きたいと思うようになりました。

以前は、自分がやるべきことを確実にこなすということを重視していましたが、リーダーになってからは、プロジェクト全体を俯瞰して見ること、そして長期的な視点でものごとを考えるということを心掛けています。直近の業務を遂行することも勿論大事ですが、将来の価値を提供するために、自分や自分のチームが今何をすべきかを考え、先を見据えて行動することが大事だと思っています。

より良い製品を医療の現場へ。製品の改良を医学的な見地から支援し価値の向上に貢献

──オリンパスで働く魅力、やりがいはどんなところにあると感じますか?

製薬会社と比べて、開発品が製品化されるまでのスピードが速いところに魅力を感じています。自分が行った仕事を形にして社会貢献したいという想いがあったので、自分が開発に関わった製品を世に出すことができたときは本当に嬉しく、一番のやりがいに繋がっています。自分が関わった製品をユーザーに使っていただくことで、世界の人々の健康を守ることにつながっていると考えると、次も良いものを作ろうと思えますね。

また、オリンパスで働く中で特におもしろさを感じるのが、ユーザーと共に医療機器をつくりあげていく点です。より良い製品にするために、ユーザーに開発品を評価いただき、意見交換をしながら開発を進めます。もちろん厳しいご意見をいただくこともありますが「こんな製品が欲しかった!」と言っていただけたときは、良い製品ができているという自信につながりますね。

──印象に残っているエピソードがあれば教えてください。

とある医療機器製品の開発に関わったときのことです。新しい機能が搭載されることになっていたのですが、有効性を評価したところ、その機能を医療現場で使用いただくには、いくつかの課題があることがわかりました。 その機能を搭載しないといった提案をすることもできましたが、より顧客にとって価値のある機能に改良できないかと考え、設計責任者と密にやりとりを重ねながら、評価と改良を何度も繰り返しました。

改良したものを実際にユーザーに使用いただいたところ、「これがあれば自分たちの負担を大幅に軽減できる。とてもいい機能だ」という声をいただき、嬉しかったことを覚えています。オリンパスの開発者には、設計を担当するメンバーはもちろん、私たちのような医学・生物学的な専門性を持ち、製品開発に貢献するメンバーもいます。各自の強みを活かし、補完しあうことで、より良い製品開発につながっていると感じています。

メンバーと共に成長し、組織としてさらなるパフォーマンスの向上を目指す

──今後はどんなことに取り組んでいきたいと考えていますか?

現在はリーダーとして現場に出ることも多いのですが、今後はメンバーの育成等、マネジメント職としての業務に力を入れていきたいと考えています。リーダーとしてメンバーを育成し、高い専門性と主体性を持ってプロジェクトを進めることができる人財を増やしていきたいです。私ひとりでできることには限界がありますが、各プロジェクトに所属部署のメンバーが関わり、高いアウトプットを出すことで、顧客価値の高い医療機器をより多く、より速く開発することができると考えています。

医学・生物学の専門性を持ち、ユーザー目線で製品開発を進めることができる点が私たちの強みです。今後もこの強みを活かし、より良い製品を開発していきたいですね。

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