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「ハイヒールの着用指示は性差別」 イギリス女性の訴えが世界中で話題に

多くのサラリーマンがスーツを着用するように、会社は従業員が仕事をするにあたって服装規定を設けることがある。従事する仕事に相応しい服装をすることはおかしなことではないが、一方的な理由で服装を強制されるのはどうなのだろうか。

ロンドンで働く女性が、勤務中にハイヒールを履いていないことを理由に会社から帰宅を命じられたというニュースを5月12日、BBCニュースが報じ、ツイッターで話題になっている。

「服装規定は社会の動きを反映すべき」、署名1万件を集めて政府を動かす

仕事にハイヒールの着用は必要なのか...

仕事にハイヒールの着用は必要なのか…

ことの発端は2015年12月、企業受付代行を行っているポーティコ社に勤務するニコラ・ソープさん(27)がロンドンの金融会社、PwCに出社したところ、「高さ5センチから10センチのハイヒール」を履くように指示を受けた。

ソープさんが「ハイヒールを履いて丸一日働くのはとても大変なので、かかとが平らできちんとした靴のまま働きたい。男性の同僚は同じような指示を受けていない」と断ったところ、会社から日給なしで帰宅を命じられたというのだ。

これを不服に思ったソープさんは女性が職場でハイヒールの着用を強制されないよう法改正を求めるオンライン請願を始めた。1万件を超える署名が集まったため、イギリス政府は何らかの回答を迫られる形となっている。

ソープさんは、服装規定を定めるのは雇用主の権利だと認めながらも、「服装規定は社会の動きを反映すべき。今どきの女性は平らな靴を履いてもきちんとフォーマルに装うことができる」と主張しているほか、女性だけハイヒールの着用を求められるのは性差別だとも訴えている。

カナダのウェイトレスもハイヒール着用で足が血だらけになった画像を投稿

BBCの原文記事によれば、ソープさんのように、勤務にハイヒールの着用を要求された女性の中には、健康被害を訴える人もいる。

ウェイトレスをしているというカナダの女性は5月上旬、ハイヒールを履き続けたことで血まみれになった両足の写真をフェイスブックに投稿。「勤務している会社では女性はハイヒールの着用を強いられている」「女性は自腹で制服を購入する必要があるのに対して、男性は自前の服で勤務ができる」と書き込んだところ、1万回以上シェアされた。

また、記事ではハイヒールによる健康被害について、リーズ大学のトニーレドモンド教授がコメント。「ハイヒールの着用によって足の関節がダメージを受け、関節炎を引き起こすおそれがある」と注意を促している。

今回のBBC記事に対して、海外では怒りのコメントが寄せられている。

「(女性にヒール着用を要求するなんて)冗談じゃない!」
「ハイヒールは1時間履くと、もう限界。まるで拷問のよう……」
「女性はヒールを履かなきゃいけないなんて。こんな習慣はとっくになくなったと思っていたけど……」
「なんで男性はヒール着用を要求されないわけ?」

ソープさんの訴えを受けて雇用主のポーティコ社は、「サービス業界で服装規定を設けるのは一般的で、ソープさんは内容に同意している」とコメント。一方で、勤務先のPwCは「男性・女性を問わず従業員に特定の服装規定を設けていない」としており、問題の根源がどこかが曖昧になっている。一人の女性が起こした服装規定の法改正を求める訴えに対して、イギリス政府がどのように対応するのかが注目される。

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