絵師の仕事が奪われる? アニメ風イラストを学んだ中国の画像生成AIがいろいろやばい | キャリコネニュース - Page 2
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絵師の仕事が奪われる? アニメ風イラストを学んだ中国の画像生成AIがいろいろやばい

いま、全世界で一大ブームとなっているのは、「Midjourney」や「Stable Diffusion」など、文章をそれっぽいイラストにしてくれる画像生成AIたちだ。画像生成AIは以前もあったが、最近はちょっと理解不能なぐらいイラストのレベルがアップ。ブームになるのも頷けるクオリティなのである。

今回ブームの先駆けとなったのは「DALL・E2」が2022年4月、研究者・専門家向けにサービス提供を始めたことだ。続いて「Midjourney」が2022年7月にオープンβを開始、一般人も手軽に利用可能になって一気に広がった。サクッと会員登録すれば、25枚までは画像を無料生成できるとあって、ここで画像生成AIを初体験したという人も多い。

さて、Midjourneyの「画力」は極めて高い。入力を受け付けるのは英語だけだが、ものすごく「それっぽい」画像を生成してくれる。試しに「コミケに来たコスプレイヤー」と英文で入力したところ、ちゃんと意図を汲んだ画像が生成された。

結構それっぽい

しかし、欧米発サービスのイラストは、サイバーパンク風だったり、写実的だったり、「欧米のサイトでよく見る」テイストになる。画像生成AIの画風は、ざっくり言うとAIが「どんな絵を学んだか」によって大きく変わってくる。ようは、AIに学ばせる画像収拾に協力した人たちの「趣味」によって、生み出される絵のテイストがまるで変わってくるということだ。

めちゃくちゃアニメっぽい絵を描く中国のAI

その点、中国のネット企業「百度」が8月30日に公開した「ERNIE-ViLG」は、日本のマンガ・アニメ風イラストを得意としている。スタイルの選択で「アニメ風」を指定すれば、そこらのアニメやゲームに登場していそうな、実にそれっぽいキャラクター画像を生成してくるのである。

試しに、筆者が最近毎日楽しんでるゲーム「原神」のキャラクター名を入力してみたところ、いかにもなキャラクター画像が生成されてきた。このAIの詳しい仕様はわからないが、おそらく膨大な「アニメ風・ゲーム風の画像」を学習させているのだろう。

クオリティが高い

日本でもアニメ風イラストのタッチを学び、それっぽく再現する画像生成AIサービス「mimic」がローンチ直後に大炎上 → ほぼ即座に公開停止となった。対して「ERNIE-ViLG」は、ほぼ同じ機能を持っているのだが、平然とサービス提供中である。これが「大陸的大らかさ」(褒めてない)か……。

しかし、ここまでになってくると、クリエイティブの極地だったはずの「イラストレーター」という仕事に影響が出てくる日も、そこまで遠くないのかもしれない。このところサッパリの日本で、数少ない先端分野の一つがマンガ・アニメ産業だったわけだが、その未来はいったいどうなってしまうのか……。

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