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北陸10社が「Iターン」希望者向けに合同セミナー開催 金沢市長は「快適な生活環境」をPR

念願の新幹線が開通し、東京から2時間半で行けるようになった北陸地方。今後、首都圏と人材の行き来も活発になると見られる。そうした中、会員制転職サイトを運営するビズリーチが10月20日、北陸企業10社を迎え、IターンやUターンなど地方への転職に興味を持つプロフェッショナル人材向けに合同企業説明会を開催した。

題して、「首都圏の経営人材・幹部候補求む! 北陸企業キャリアセミナー」。今回はビズリーチ会員約50人が会場となった東京・丸の内のJPタワーホール&カンファレンスに訪れた。

金沢には「思いを持って挑戦する人を応援する気風がある」

左からビズリーチ・多田洋祐取締役、山野之義市長、箔一・浅野達也代表、トーマツベンチャーサポート・佐藤史章政策事業部長

左からビズリーチ・多田洋祐取締役、山野之義市長、箔一・浅野達也代表、トーマツベンチャーサポート・佐藤史章政策事業部長

冒頭で、金沢市長の山野之義氏が基調講演を行い、地域の魅力について語った。同市を始めとした北陸地方には今も古い町並みが残り、歴史と伝統というイメージがある。一方で、近年は東洋経済の「住みよさランキング」で北陸の10都市がベスト20に入るなど、充実した生活インフラが整った暮らしやすい地域として注目されている。

同市内には112の保育所があり、待機児童はゼロ。エリアによっては希望の保育園に子どもが入れないこともあるが、親の職場近くの保育所を紹介するなど市全体で斡旋している。放課後児童クラブも市内に84あり、共働き家庭にとって恵まれた環境であるといえる。

「仕事の環境も大事だけど、快適な生活環境が一番。金沢を含めた北陸はそこを自慢できる」(山野之義市長)

しかし、いくら住みやすいといっても縁のない土地に一人で行って、地域に溶け込めるのかという不安を感じる人もいるだろう。こうした点について山野市長は自分の経験を踏まえ、次のように語っていた。

「金沢は一般的に保守的と言われる。コミュニティも強固なので、外から来た人が中々入りにくい、という意見も聞く。ただ、保守的というけど、私は5年前、絶対に敵わないと言われた当時の市長さんと選挙をして当選することができた。金沢には思いを持って挑戦する人を応援するという気風はあると考えている」

求職者は「効率的な働き方」、企業は「グローバル人材」を期待

キャリコネニュースは、会場の求職者にも話を聞いた。広告代理店に勤務する33歳の男性は現在転職を考えており、地方でどういう働き方ができるか調べているところだという。地方への転職で年収が減る懸念もあるが、「独身なので別に怖くない」と語る。

「地方でも、今は飛行機代も安くなっているので東京から簡単に行ったり来たりすることができる。東京でがむしゃらに働くよりも、地方で楽しく効率的に働くことができれば」

今回の参加者の約6割がIターンでの転職を希望。一方で約3割は、北陸に親や親戚がいるUターン希望者だという。物流業界でリスクマネジメントを担当しているという女性は、北陸出身。現在の仕事はかなり忙しく、「地元でゆっくり働きたい」と話していた。Uターン希望者からは、他にも「地元の企業で働き地域に貢献したい」(33歳女性・ブライダル)という声が聞かれた。

企業側は金箔メーカーの箔一(金沢市)のほかITや介護、小売など10社が参加。ブースを設けて求職者にPRした。住宅の建築請負などを行うOscar J.J社(富山市)の人事担当者は「新卒と中途採用をやってきたが、有効求人倍率が上がっており地元だけで人を採るのは難しい」と語る。そこで、UターンやIターンも含め、広く人材を募集することにした。

工作機械メーカーの松浦機械製作所(福井市)は、開発職と海外営業職を募集している。どちらも企業の根幹を担う職種だが、やはり地元での採用が難航していた。担当者は「特にグローバル人材は県内で探すのが難しい。Iターンで来る人は覚悟がある分、やる気もあるので会社の刺激になる。是非いい人材を獲得したい」と話していた。

「地方で課題に取り組むことで人材としての希少価値が上がる」

約7割が地方への転職を前向きに検討

約7割が地方への転職を前向きに検討

ビズリーチが会員に実施したアンケート調査では、首都圏勤務の会員の約7割が「やりがいがあるポジションであれば、転居して別の地域に勤務することになっても前向きに検討する」と回答。かなり多くの人材が、転職時にIターンやUターンを視野に入れていることがわかる。

ただし、首都圏で働いていた人が地方に行くと年収が下がる可能性も高い。こうした点について、同社取締役の多田洋祐氏は「震災以降、お金よりもやりがいを第一にキャリアを選択する人が増えている」と説明する。さらに、地方に行くことは長期的に見るとキャリア的にプラスになることもあるという。

「人口減など、将来の日本が直面する問題が地方ではすでに起きています。そういう意味で、地方には課題先進性がある。地方でいち早く課題を経験することは、人材としての希少価値を高めることにもつながります」

同社では昨年から、採用を通した地方創生支援を強化。今年は地方の利用企業が前年同期比で3.46倍に増加しているという。今後も東京で地方企業を迎えたイベントを実施していく予定とのことだ。

あわせてよみたい:地方自治体がしのぎを削る「人口争奪戦」 子育て世代の「住みやすさ」の競争になるか

 

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