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バイト時給アップは企業にとってもメリット? ラウンドワン5年ぶりの営業増益が話題

最低賃金アップや人手不足の影響を受けて、近年アルバイト時給が上昇傾向にある。人企業にとっては人件費がかさむため、収益減になりそうだが、実はそうでもないらしい。

複合エンターテインメント施設を展開するラウンドワンは、5月9日に発表した決算資料で、5年ぶりに営業利益が増加したことを明らかにした。翌日10日の朝日新聞でも報じている。

同社の営業利益は2012年の160億円以降減少し続け、2016年には63億円を記録していた。今回の営業利益は66億円で、前期比3億円の増加となる。

同社総務部の担当者はキャリコネニュースの取材に対し、増益の理由を「顧客である若者層のバイト時給が上がり、余暇に使えるお金が増えたため」との見方を示している。

「時給アップで生まれた可処分所得を娯楽に使った若者が多かった」

さらなる分析が気になります

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東京都を例に見ると、5年前の2013年の最低賃金額は869円。現在は63円上がって932円となっている。さらに人手不足も相まってアルバイト時給が急上昇。昨年8月には、マクドナルド田町店が昼のピークタイムの時給を1500円と打ち出して話題になった。

ラウンドワンの担当者は次のように語る。

「3年前、弊社のアルバイト時給の全国平均は850円でした。それが今は950円、100円の時給アップです。大学生の平均アルバイト時間は月70時間と言いますから、ひと月あたり7000円のゆとりが生まれた計算です。物価はそこまで急激に上昇していませんので、生まれた可処分所得を娯楽に使った若者が多かったのだと思います」

同社は昨年、セグウェイやトランポリンなどの珍しい遊具を店舗に導入したり、保護者同伴なら小学生は無料とするキャンペーンを打つなどの施策を実施。その結果、ファミリー層の取り込みに成功したという。また、アーケードゲームでも「艦これ」で多くのリピーターが生まれるなど、大型のヒットに恵まれた。収益増加の背景には、こうした要因もあるという。

ただ、

「一番の要因はやはり、若い世代のバイト時給の上昇だと考えています。お客さんの数が増えたのか、一人あたりの使用金額が増えたのかは、これから精査するつもりです」

と、あくまでも若者の可処分所得上昇が大きな理由と見ているようだ。

一方で「既存店舗の退店で利益が出ただけ」とする見方も

ネットでは「これはいい流れ。今までは働いていても遊ぶ金がなかった。そんな状況では仕事へのモチベなんて維持できるわけがない。ようやく普通の状態になり始めた」と歓迎する声や「若者の~離れの多くは金で解決するのでは」などの意見も多い。

一方、不採算店舗の閉鎖で経費が削減されたことが大きいのではという見方もある。ラウンドワンの決算説明会資料でも、8店舗の退店で出た利益が16.2億円とある。人件費や貸借料の増加分で発生した費用15.9億円を相殺できる額だ。そのため、「既存店舗の減損と8店舗の閉鎖が効いただけやん……」とバイトの時給上昇と同社の増益は因果関係があるかどうか、疑問視する人もいた。

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