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「保育園落ちによる失業は官製失業と言っていい」保護者らのイベントで駒崎弘樹氏が語る

保育園に入りたいを本気で語ろう2018

保育園に入りたいを本気で語ろう2018

今年4月入園の一次募集の審査結果を受け、ネットでは保育園に落ちた保護者から落胆のツイートが数多く寄せられている。子どもを預けられず復職できなかったり、働きに出られなかったりして今後の生活を不安に思う人は少なくない。

「希望するみんなが保育園に入れる社会をめざす会」が2月26日、衆議院議員会館で記者会見とイベント「♯保育園に入りたいを本気で語ろう2018」を開催。「みんなが笑って子育てできる社会に」というスローガンのもとに、保活経験者や現在保活中の保護者を中心とした約120人が集まった。

ファシリテーターはジャーナリストの堀潤さん。コメンテーターとして、子育て支援などを行うフローレンスの代表理事を務める駒崎弘樹さん、フランス在住で子育て政策についての記事を多く執筆する高崎順子さん、現役男性保育士の「てぃ先生」が登壇した。

イベントには国会議員や都議も参加した。自民党の木村弥生氏、立憲民主党の山尾志桜里氏、櫻井周氏、都議の上田玲子氏、社民党の福島みずほ氏、日本共産党の吉良佳子氏らが、党の垣根を超えて保護者らの声に耳を傾けていた。

保護者の話を聞く山尾志桜里議員(立憲民主党)

保護者の話を聞く山尾志桜里議員(立憲民主党)


子育てで離職すると生涯賃金に大きな格差

冒頭では会の代表、天野妙さんが、待機児童問題が解決しないのは「国の重要政策になっていないから」と指摘。保護者の訴えを国会議員に直接届けようと呼びかけた。

配布された資料

配布された資料

パネルディスカッションではまず駒崎さんが登壇。3歳からの幼児教育と保育の無償化について、「待機児童が多いのは0?2歳。必要なところにお金が使われていない」と疑問を呈する。

駒崎弘樹さん「有識者会議に子育て当事者のメンバーをもっと増やすべき」と主張する

駒崎弘樹さん「有識者会議に子育て当事者のメンバーをもっと増やすべき」と主張する

子どもを保育園に預けて就労を継続できるかどうかで生涯賃金に大きな差が生じる。駒崎さんは大卒での例を挙げ、次のように説明した。

「卒業後60歳までフルタイム正社員として就労した場合の生涯賃金は約2億5800万円ですが、第一子出産後に離職した場合は約3700万円にまで落ち込みます。パート復職しても約6100万円と、賃金格差が拡大します。これは公的な失業。官製失業と言っていい」

その上で、政府は待機児童ゼロのために32万人分の受け皿が必要と試算しているが、そもそも目標数値は現状を反映しているのかと疑問視。また、保育施策を検討する有識者会議に当事者である現役子育て中のメンバーが少なく、意見が反映されにくいという問題点も指摘した。

てぃ先生「保育士の仕事は想像の20倍は辛い」

高崎順子さんは、フランスと日本との子育て政策や考え方の違いを紹介。フランスでも日本同様に保活は厳しいものの、子育ては社会全体で取り組むという考えが強いという。また、ベビーシッターを利用するなど在宅での保育が一般的で、初めから保育園を選ばない保護者もいる。

高崎順子さん フランスとの子育て施策の違いを話す

高崎順子さん フランスとの子育て施策の違いを話す

またフランスの特徴として、保育士の負担が抑えられている点がある。

「保育士は児童との関わりに専念できるよう、書類仕事は管理職のみが行うなど、合理化が進んでいます。また保育園は働く親のためにあるという考えから、連絡帳はなく、持ち物は必要最低限です」

これには現役保育士のてぃ先生も賛同し、「保育士の仕事は、みなさんが思うより20倍くらいは辛い」と現状を話す。保護者への連絡帳は児童の昼寝時間に書くことが多く、保育士が休める時間が短くなってしまう。加えて保育現場ではいまだに手書きが主流で、IT化も遅れている。

てぃ先生は保育現場のIT化を訴える

てぃ先生は保育現場のIT化を訴える


保活や子育てを終えても他人事にならないで

後半では参加者がグループに分かれ、保育園問題を「どうすれば解決できるか」話し合った。

保育士の負担軽減については「保護者会で連絡帳の廃止を訴える」、保育に関する予算については、「地域内で、幅広い年齢層の人が意見交換する場を設ける」「自分が子育てを終えたからといって無関心にならず、自分の子どもや孫に影響があることだという意識を持ってもらう」などの意見が寄せられた。

保育園問題の解決策の案を発表する保護者

保育園問題の解決策の案を発表する保護者

ほかには、「4月一斉入園をやめる」「家庭で保育する場合、収入面の補填を」などの声が挙がった。会の最後には主催団体副代表が挨拶し、「社会全体で子育てするという意識を持つ」「当事者抜きで施策を決めない」「自分ごととしてとらえる」ことの大切さを語り、一人ひとりが力を合わせれば待機児童問題が解決に向かうことを強調した。

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