ビ・ハイア元スタッフ、自殺女性がブログに残していたもの「死ぬしかないって思うことは何度もあった」「成長する感じが楽しい」 | キャリコネニュース
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ビ・ハイア元スタッフ、自殺女性がブログに残していたもの「死ぬしかないって思うことは何度もあった」「成長する感じが楽しい」

求人広告会社ビ・ハイアで働いていた当時30歳の女性が今年2月に自殺したのは、社長のパワハラが原因だとして、10月17日、女性の遺族と元同僚らが東京地裁に訴えを起こした。報道によると、女性は新卒入社後、同社や関連会社と業務委託契約を締結していた。しかし、業務の指示は社長から出ており、実質的には同社と雇用関係にあったという。

女性は生前、ビ・ハイアが運営するサービス「ラクビジシステム」のブログで3回、同社の新卒採用に関する記事を書いていた。そのうちの1つ、2015年12月に掲載された記事「◯◯(編注:社長実名)社長について行けない!辞めよう!と思った瞬間は?女性執行役員〇〇(編注:亡くなった女性)が語るそれでも続けているのは?なんで?」からは、同社の労働実態が垣間見える。

卒業旅行当日に「文面に気合が入ってない」理由にブログ書き直し指示

亡くなった女性が執筆したブログの一例(黒塗りは編集部)

亡くなった女性が執筆したブログの一例(黒塗りは編集部)

女性は、同社でインターンをしていた2009年に起きた出来事を書いていた。大学の友人と、卒業旅行でディズニーランドのホテルに泊まりがけで行く予定を立てていたが、当日の夕方に社長から、「企業向けブログの文面に気合いが入っていない。全部書き直せ」と仕事の指示をされたという。

その時間から全て書き直すとホテルのチェックイン時間に間に合わないことに気がついた女性は、社長に「一生に一度の卒業旅行で、今からキャンセルもできません。戻ったら終わらせますので」と交渉。しかし却下され、仕事を続ける羽目になった。

「時間までに完璧に終わらそうと取り組みましたが『やりたくない感・やっつけ感が文面に出ている。仕事を舐めるな!』と一喝され、具体的にどこが悪いのかもわからないままチェックイン時間を過ぎても作業を続行し、結局友達には途中で『(中略)行けなくなった分みんなで楽しんでくれ』と連絡。その後泣きながら(『泣いたら許してもらえると思うな』と言われながらも)徹夜でブログを仕上げるも最終的にOKは出ず」

その後、一緒に行く予定だった友人とは一時疎遠になったこともあったそうだ。「この会社に居る限りは仕事最優先で、友達がどんどんいなくなり、孤独死するのかもしれない」と思ったこともあると書いている。

朝5時30分からの読書時間は自由参加だが「ほぼ全てのスタッフが出社している」

精神的に追い込まれたことが一度ではなかったことも伺える。同じ日の記事中には、

「もう死ぬしかない!!つらい!!と思うことは人間関係お金関係ともに何度もあったけど、結果として死なずに済んでるし、そう思っていたときよりもどんどん状況も良くなってきています。(中略)今はこのヒリヒリ成長していく感じがたまらなく楽しいです」

と書いている。別の日にも、

「(業界の)変化について行けない!と泣いたときもありましたが、今思えば必要な変化だったしこれを乗り切って強くなってきた!と感じる事が多かったように思います。ドラゴンボールで言う『死にかけたら強くなる』みたいなものです(笑)」

記載。自身の置かれている環境を終始前向きに捉え、仕事に邁進しようとしていた様子がわかる。

他の記事では、会社で設定している時間外の「読書時間」に関する実態も記されていた。

「読書数月100冊を最低限として毎日5時半~9時の間を読書タイムに設定しています。出社は強制ではありませんが、ほぼ全てのスタッフがこの時間に出社し読書を行い、毎月100~300冊の読書を実践しています」

同社採用ページには、勤務時間が平日9時から18時30分、読書時間が5時30分から9時とある。「勤務ではないので自由。場所も事務所でなくていい」と一応書いていたが、仮に自宅であったとしても毎日5時半から読書はきついだろう。

社長は報道内容を否定「事実とはまったくかけ離れた虚偽」

女性は記事の中で、同社で経験した「いい思い」として、「社長にフェラガモのパンプスを買ってもらった」など、高級ブランドの靴やバッグを買ってもらったことを書いている。しかし報道では、社長はこうした高級品の購入費用を、会社から社長への「貸付金」として計上。亡くなった女性や元同僚らを保証人にし、購入費を返済するよう求めていたという。

同社社長は18日、企業サイト内の社長ブログを更新。提訴について、訴状が手元に届いていないため「ネット報道の範囲でしか事実を把握しておりません」とした上で、

「〇〇(編注:亡くなった女性)の自死が弊社および代表取締役である〇〇(編注:社長実名)に原因があるかのような記載が訴状にあると知りました。また、そうした旨を伝える報道もいくつか見ています。しかし、こうした主張や記述は、事実とはまったくかけ離れた虚偽であることを強く申し上げたいと思います」

と反論。女性が亡くなる前、同社や保護者に届いた文書には「同氏(編注:亡くなった女性)の決断が個人的な原因および理由によるものであり、弊社の業務とは無関係であることが明記されていました」とも記している。

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