「be Unique.」を企業理念に掲げるコクヨ 2030年アジアNo.1目指しグローバル人材のキャリア採用を強化 | キャリコネニュース
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「be Unique.」を企業理念に掲げるコクヨ 2030年アジアNo.1目指しグローバル人材のキャリア採用を強化

コクヨ ビジネス&エンプロイーパートナーHR部の北川真衣さん(左)と武田和磨さん

コクヨ ビジネス&エンプロイーパートナーHR部の北川真衣さん(左)と武田和磨さん

文具・オフィス家具・空間設計などを手掛けるコクヨは、2025年に創業120周年を迎える企業です。和帳簿の表紙づくりから始まり、1990年代には海外に製造拠点を設立。2000年にはオフィス用品の通販事業に進出するなど事業領域を拡大してきました。

長期ビジョンに「2030年アジアNo.1、長期的なグローバルNo.1」の高い目標を掲げる同社は、現在どのポジションでどのようなキャリア採用に注力しているのか。同社のHRBP(人事ビジネスパートナー)機能組織であるビジネス&エンプロイーパートナーHR部の北川真衣さんと武田和磨さんにお話を伺いました。(文・構成:キャリコネニュース編集部)

「Work」と「Life」の2つの領域で事業を展開

コクヨ ヒューマン カルチャー本部 ビジネス エンプロイーパートナーHR部 パートナーユニット長 北川真衣:ステーショナリー事業で営業やマーケティングを経験後、HRに異動し、新卒採用や育成を経て2024年より現職。

コクヨ ヒューマン カルチャー本部 ビジネス エンプロイーパートナーHR部 パートナーユニット長 北川真衣:新卒でコクヨに入社、ステーショナリー事業で営業やマーケティングを経験後、HRに異動し新卒採用や育成を経て2024年より現職。

――御社は現在どのような事業を行っていますか。

北川 現在大きく2つの領域で事業を行っています。1つ目の「ワークスタイル領域」は、人々の働き方の変化を捉え、主に法人向けに商品・サービスを提供していく事業領域です。

この領域では、オフィス家具の製造販売から空間設計・構築、働き方コンサルティングまでを行うワークプレイス事業と、事務用品通販「カウネット」の運営や文具・事務用品の購買システムの提案などを行うビジネスサプライ流通事業を展開しています。

2つ目は「ライフスタイル領域」です。生活空間や道具へのこだわりの高まりを捉え、暮らしにおけるインテリアや学びにおける道具の製造や販売を通じて、付加価値提案を行う事業領域です。

この領域では、文具の開発・製造・販売などのステーショナリー事業と、家具等の輸入販売および物販店と併設した飲食業などを行うインテリアリテール事業を手掛けています。

2024年12月期の売上高は3382億円で、4割強をファニチャー事業が占めており、利益率も高い主力事業です。次いで、近年成長率の高いビジネスサプライ流通事業が続き、ステーショナリー事業とインテリアリテール事業があわせて3割を占めています。

コクヨの企業理念体系(「長期ビジョン CCC2030」2021年3月より)

コクヨの企業理念体系(「長期ビジョン CCC2030」2021年3月より)

――現在どのような経営計画を進めているのですか。

北川 2024年11月に第4次中期経営計画を発表しましたが、これは2021年2月に発表した長期ビジョン「CCC2030」の実現に向けたものです。「CCC」とはChallenge(挑戦)、Change(変革)、Create(創造)の略で、長期ビジョンの中で「2030年に売上高5000億円、アジアNo.1。長期的なグローバルNo.1」という目標を掲げています。

この達成に向けて、総合メーカーとして発展してきた従来の「一本杉モデル」から、多様な事業が共存しナレッジや人材を土壌として次々と新しい事業を生み出す「森林経営モデル」への移行を打ち出しています。

そして、ありたい姿として「WORK & LIFE STYLE Company」を掲げ、前述の事業領域の再定義を行い、既存事業のブラッシュアップ、既存事業の領域拡張や新規事業化で売上高5000億円以上の達成を目指す方針です。

なお、長期ビジョンでは企業理念の体系も見直しており、「自律協働社会」の実現に向けた企業理念に「be Unique.」を掲げました。これは、コクヨが自社に対して向けたものではなく、「創造性を刺激し続け、世の中の個性を輝かせる」という意味の言葉です。

あわせて、企業の存在意義であるパーパスを「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」とし、社員の行動規範となるバリューには「共感共創」「実験カルチャー」「体験デザイン」の3つを掲げています。

高い目標達成に向けて挑戦の機会が増えている

――御社が実現を目指す「自律協働社会」とはどのようなものですか。

北川 当社は、文具や家具といった「モノ」だけでなく、ワークスタイルやライフスタイル全体に関わる「コト」や体験価値の創造を目指しています。その根底には、自律協働社会の実現が顧客や社会の課題解決につながるという信念があります。

自律協働社会とは、「自由な個人」と「協調的なつながり」が両立する社会こそが、誰もがいきいきと暮らし、働き、学び、つながりあえる未来であるという価値観です。

この考え方は、当社の企業理念やパーパス、長期ビジョンの根幹にあり、変化する社会の中で「個人の自律」と「協働による共創」を両立させることで、より良い未来を実現するという信念に基づいています。

――掲げられている目標はいずれもかなり意欲的です。

北川 高い目標の達成には、事業の変革が必要です。異なる領域に踏み出すために、社外からの新たな知見を積極的に取り入れつつ、社内の既存人材とのコラボレーションによる組織や人の強化や人材抜擢に注力する戦略を推進しているのが、現在の方向性です。

コロナ禍を経て働く場所に対する感覚や人口減少など外部環境に変化が生じたこともありますが、それ以上に「ワクワクする未来のワークとライフをヨコクする。」というパーパスが明確になり、当社の存在意義が再定義されたことによって目指す方向がクリアになり、現状から変わっていかなければならないという認識が強くなったと思います。

コクヨ ヒューマン カルチャー本部 ビジネス エンプロイーパートナーHR部 キャリア採用ユニット 武田和磨:新卒で人材紹介会社に入社。4年目からコクヨへ転職し、ワークプレイス事業に関するHRBPとキャリア採用を担当。

コクヨ ヒューマン カルチャー本部 ビジネス エンプロイーパートナーHR部 キャリア採用ユニット 武田和磨:新卒で人材紹介会社に入社、4年目からコクヨへ転職し、ワークプレイス事業に関するHRBPとキャリア採用を担当。

――コクヨで働く魅力はどのあたりにあると候補者に説明していますか。

武田 コクヨの経営ステージを考えると、売上高5000億円へと事業規模を拡大する成長フェーズにあり、積極的な投資も行っています。そのため課題も多く存在しますが、それだけチャレンジする機会も豊富です。若手にも様々な機会が与えられる環境があります。

グローバル展開や新規事業創出も進めており、経営陣も本気でこれらに取り組んでいます。そのような環境の中で、自ら機会を捉え、会社のリソースを活用して自分自身も成長させながら、自分の成長で会社に貢献するという好循環を作れる点が魅力です。

また、コクヨは「遊び心」がある会社であり、「価値のある失敗」を許容してくれる文化があります。失敗しても次のチャレンジを続けることを応援してくれる社風があるため、新しいことに挑戦したい人にとって良い環境といえるでしょう。

建設・不動産・インフラ出身者が多いワークプレイス領域

――現在どのようなキャリア採用に注力していますか。

武田 採用サイトでは、現在およそ60職種のキャリア採用のポジションを公開しています。長期ビジョンでは、既存事業のブラッシュアップに加えて、既存事業の領域拡張や新規ニーズの事業化を進めています。新しい技術を持っていて、当社の戦略に合致した方には、ぜひ入社して大いに活躍していただきたいと考えています。

現在採用者数で最も大きな割合を占めているのは、ワークプレイス事業です。収益源として最も大きく、海外展開も積極的に推進しています。

「オフィス提案」における顧客への価値提供の観点では、お客様の課題に応えられるデザインを設計することと、それをオフィス空間づくりとして実現することが重要です。そのため、設計や施工管理、家具などのプロダクトの開発・生産技術職、それを販売するセールスなどの職種の採用に注力しています。

最重点はファニチャー事業(「第4次中期経営計画」2024年11月27日より)

最重点はファニチャー事業(「第4次中期経営計画」2024年11月27日より)

――ワークプレイス事業に入社する方はどんな前職が多いのでしょうか。

武田 建設・不動産・インフラ関連が約半数を占めています。ゼネコンや建設会社、ハウスメーカーなどからの転職者が目立ち、施工管理や設計の領域の知見を活かしながらオフィス空間の提案に携わっています。

入社の動機は、まずは事業への共感が大きいようです。駆体や外構を含めた大掛かりな工事管理に関わってきた方が、働く人たちが実際に使う内装をはじめとする空間づくりにやりがいを持ち、当社の事業を魅力に感じるケースがあります。

働き方の改善も、重要な要素です。残業時間が比較的少なく家庭との両立がしやすい職場を求めて、当社に転職する方がいます。家庭を持ち、子育てとの両立を考える方にとって、これまでの知見を活かしながら働き方を変えられる環境として選ばれています。

――その他にキャリア採用に注力している職種はありますか。

武田 どの企業でも同じだと思いますが、当社でもITエンジニアの採用には力を入れています。特にグループ会社の「カウネット」などのEコマース事業の基盤となるシステムの内製開発の強化が必要なため、外部からのエンジニア採用を積極的に進めている状況です。前職の業種には強くこだわらず、技術力を基準に採用を決定しています。

また、グローバル展開を進める中で、生産やマーケティングを含む海外事業戦略を描ける人材や、それを受けて生産戦略を立てて実行推進までできる人材を求めています。前職としては、メーカーの技術者や戦略人材、コンサルティングファーム経験者が適していると考えています。

「コクヨマーケティング大学」は実践的なプログラム

――採用要件として人物像など職種共通の要素はありますか。

武田 カルチャーフィットは大事にしています。当社のキャリア入社の離職率が4%と非常に低い理由のひとつは、入社後に「自分と全然合わない会社だった」とならないように、事前のマッチングを丁寧に行っているためだと考えています。

当社は「自律協働社会」の実現に向けて「be Unique.」を企業理念に掲げています。したがって、自律的にいろんなチャレンジを行い、自分の成長に必要と考える学習を主体的に進めていける人材を求めており、候補者にもこのような当社のカルチャーを丁寧に説明しています。

なお、現在は新卒採用とキャリア採用の数はほぼ半数ずつで、入社後も新卒入社との垣根はありません。実際、20年以上前にキャリア入社した人がいたり、キャリア出身の本部長や執行役員がいたりと、入社後もそういった垣根をほぼ意識することなく仕事に集中することができます。

コクヨの人材戦略(「第4次中期経営計画」2024年11月27日より)

コクヨの人材戦略(「第4次中期経営計画」2024年11月27日より)

――キャリア採用後の定着や活躍支援の取り組みを行っていますか。

武田 入社時のオリエンテーションをHR部が担当し、入社後一定期間経過した後にコンディションチェックの面談を行うなどのサポートをしています。コーポレートコミュニケーション室では、キャリア採用者を一同に集めて情報交換する場を設け、先輩社員の経験を共有するイベントを開催するなど、組織への定着を早める支援も行っています。

教育研修については「コクヨアカデミア」という専門の人材育成機関があり、社員の成長を支援しています。職務特化型の専門研修だけでなく、職務横断的な研修、例えば管理職研修や若手層のキャリア研修、専門的なプログラムも実施しています。

中でも「コクヨマーケティング大学」は、社会人経験3年目から12年目までを対象とした実践型プログラムで、顧客起点マーケティングの基本姿勢を身につける場として機能しています。参加者は研修後にチームを組んで新規事業企画案を作成し、外部の戦略プロフェッショナルによるコーチングを受けながら約半年間磨き上げ、最終的に経営陣に答申します。2017年から始まった取り組みには、すでに100名以上の若手社員がチャレンジしてきました。

また、戦略の実現に向けて社内の成長を加速させるために「Kokuyo Career Dock(コクヨキャリアドック)」というプログラムも運営しており、社員自身が自分のキャリアについて考え、自分にどういう成長が必要か、上司にはどんな支援を期待するか、といったことを明確にする取り組みも行っています。このような研修は、その時々の会社の状況や戦略に応じて変化しており、常に現在のコクヨに必要な戦略に結びついたプログラムを実行しています。

黒田社長いわく「誠実な変態であれ」

――取り組みからは伝統的なメーカーとは異なった印象を受けます。

北川 当社には、代表執行役社長である黒田英邦の「誠実な変態」という言葉に象徴されるように、真面目でありながらもチャレンジ精神が旺盛で、物事を突き詰めていく人材が評価される文化があります。特に商品開発においては、各分野に特化したスペシャリストが存在し、徹底的に製品の品質や使い心地を追求する姿勢が根付いています。

当社が目指す姿に掲げる「自律協働社会」とは、自社内や他社、他者とのコラボレーションを通じて、共に悩み考えながら新しい答えを見つけていく社会のことといえます。キャリア採用者が外部からの知見を持ち込み、社内のメンバーや前職のつながりを活かしながら新しい答えを出していくことも、そのひとつの形です。

コクヨは今、大きな変革期にあります。創業から120年近い歴史を持ちながらも、新しいチャレンジに積極的に取り組む姿勢を持ち続けています。そのような環境で、共に考え、共に創る仲間として、様々な知見や経験を持つ人材の参画を歓迎しています。

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