「この会社ダメだな」と呆れたら、長くは勤められないものかもしれない。投稿を寄せた大阪府の50代男性(年収650万円)も以前勤めていた職場で、そうした経験をしたようだ。
「リーマンショックがあった頃の話」というから、今から15年ほど前だろうか。当時の男性は、業務用厨房機器のメーカーで営業職に就いていた。そこは上場企業だったが、始業時間より30分早い8時30分に出社し、終電まで働く毎日で、「とにかく労働時間が異常でした」と振り返った。
「ある日、終電に乗ろうと慌てて会社を出て、『お先に失礼します』と叫ぶと、入ってきたばかりの新入社員に『お疲れ様でした』と言われる始末です。『お前ら、終電やのにまだ帰らないのか?』と聞くと『寮生の家に泊まります』と返事がかえってきた。こんなんじゃダメだ!と思いましたね」
今では信じられないような話だが、このような長時間労働が割と最近まで続いていた会社はあるようだ。(文:天音琴葉)
工場部門の派遣社員を全て切ったら…
それから何年か後にリーマンショックが起きた。製造業を中心に派遣切りや雇い止めが発生。男性の勤め先も例外ではなく、「すぐに工場部門の派遣社員を全て切りました。そうクビです」と明かした。
しばらくすると景気が少し回復し、今度は工場で人手不足が発生した。すると会社は社員たちに工場に出向するよう言い始めたのだった。男性にも工場への出向の話がやってきたが、ほかの社員と同様に「もちろん、断りました」という。ところが……
「そしたら、会社を辞めてもらわないとあかんな!と言われました。そう言って、なんとか工場に出向させようとしていました」
出向を断った男性にも言い分はあった。前述の通り、男性は営業職で技術職ではない。「行っても何の役にも立たない」からだ。その上、男性が契約した工事が、もうすぐ始まるというタイミングだった。
「私しか、現場入場の研修を受けてませんので、私が現場にいないと、職人さんが工事ができません。なので、私が出向していなくなると、この契約の工事ができなくなりますよ! と言うと、当時の大阪支店の支店長から、そんなことは、お前は気にしなくていい。こっちで何とかするから! だから出向しろと言われました」
まったく聞く耳を持たない上司を見て、男性は「この会社ダメだな」と退職を決めた。ところが辞めるまでにも一悶着あったようだ。【後編】へ続く。
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【後編はこちら】「どうしても出向しろと言うなら辞めます」上場企業を退職してタクシー運転手になった男性の回想