IT企業を渡り歩きパナソニックへ──モノづくり企業で出会った“コト事業創り”の組織 | キャリコネニュース
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IT企業を渡り歩きパナソニックへ──モノづくり企業で出会った“コト事業創り”の組織

▲五嶋伸敏。制御部品・電子デバイスを取り扱う事業部の営業部門にて、BtoBデジタルマーケティングとWebシステムを担当。

▲五嶋伸敏。制御部品・電子デバイスを取り扱う事業部の営業部門にて、BtoBデジタルマーケティングとWebシステムを担当。

多様なIT企業を渡り歩き、パナソニックへ入社した五嶋 伸敏。IT人材として活躍する五嶋はパナソニックにどんな価値をもたらしているのでしょうか?新規事業開発や運用を担うサービス事業推進部を、デジタルマーケティングの視点から支えているコアメンバーの一人でもある五嶋が、IT人材のあるべき姿を語ります。【talentbookで読む】

デジタルマーケティングとシステム構築の両方からサービス事業推進部を支援

メカトロニクス事業部 営業統括部 デジタルマーケティング課に所属する五嶋は、「モノづくり」を軸とするパナソニックの中で、“コト事業創り”を進めているサービス事業推進部をチームの外から支援しています。

五嶋 「私の業務は主に3つあります。

1つめはBtoBのデジタルマーケティングです。デジタルで得られるあらゆる情報を収集・分析するしくみづくりをはじめ、リード(見込み顧客)を育て、育成したリード情報を営業に提供し、活用推進をしています。

2つめがシステムの開発や運営。事業部商品のWEBプロモーションのベースとなるサイトや営業活動支援システムの、開発からサーバーの運営まで手がけています。

3つめがサービス事業推進部の新規事業のデジタルマーケティング支援です」

デジタルマーケティングとシステム構築を同時に一人が担当するのは珍しいもの。メカトロニクス事業部ならではだと五嶋はいいます。

五嶋 「サイトのデザインからシステム構築、サーバー運営までを社内で全部行うのはパナソニックでもなかなかありません。メカトロニクス事業部のデジタルマーケティング課には内製化のこだわりが過去からあり、その文脈を私が引継いでいます。むしろ中でつくるという文化があるからこそ、私の経験が生かせるのだと思っています」

サービス事業推進部のチームメンバーは大手企業を経験した上でパナソニックへ入社したメンバーが多い中で、五嶋は多様な業態や規模のIT企業を渡り歩きパナソニックへ入社しました。この経験や経歴を生かし、サービス事業推進部に所属せずとも、サービス事業推進部のコアメンバーというポジションを獲得しているのです。

モノづくりを極めたい。そして行き着いたモノづくりカンパニー

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五嶋は大学卒業後、プログラマー、システムエンジニアの経験を積んできました。新卒で入社したのは大手生命保険会社の子会社。そこで経理システムの保守運用を担当します。

五嶋 「社会人2年目の半ば、比較的余裕を持って仕事をこなせるようになったころから、プライベートでさまざまなモノづくりに挑戦しました。京都の芸大に通って情報デザインの勉強や、大学時代からしていた作曲やCG制作、写真、ファッションイラストなど。自分の向き不向きを見極めるためにも、さまざまなモノづくりにチャレンジしました」

大手企業の経理システムのしくみに携わる点でおもしろさはあったものの、新しいモノづくりをする上では限界があると感じていた五嶋。ITで課題解決をしたい、もっと新しいことをしたいと思い、転職を決意しました。

五嶋 「そのとき読んでいた本(『ソーシャルメディアの夜明け』、『知られざる職種 アグリゲーター』)に影響を受けました。

これからは個人の力がより強くなり、自身がワクワクする・価値があると感じる仕事を、その想いに共感してくれる人とつながり、実現できる時代になる。そういった働き方をするには、一個人としても社会に通用するスキルを持った、プロフェッショナルにならないといけない。そのために、まずはデジタルなモノづくりスキルを築いていきたいと思いました」

プログラマーとしての実務経験がほとんどなかったため、転職活動に苦労しつつも、最終的に広告・クリエイティブ系の制作会社へ転職します。

五嶋 「前々職の会社では、私の長所や今後の可能性を見据え、幅広い開発経験を積ませていただきとても感謝しています。取り扱っている案件の内容もユニークでおもしろいものばかりでした。

1案件ごとにチームを組み、さまざまなプロフェッショナルが集まります。つくり切ったら解散するという仕事の進め方だったのですが、そういう点でも転職活動で思い描いていたスタイルにマッチしていました」

サーバーサイドエンジニアとして充実した日々を送っていた五嶋ですが、「モノづくりを極めたい」という想いは増すばかり。そんな折、縁あって次の企業へ移ります。そこでは、サーバーサイドの開発だけでなく、フロントエンドやクラウド環境のサーバー構築、テーマパークのアトラクション開発などさまざまな案件に携わります。

五嶋 「ある会社の新規事業の検定システム開発の案件では、システムの構築をしながら、プロジェクトマネージャーの立場で、システムインフラや開発進捗管理まで幅広い領域を見るようになっていました。その仕事が終えた後に、上司から『頑張っていた。五嶋はプロジェクトマネージメント力を持っている』という言葉をかけてもらったのが、自信につながりました。

そして、いつしか開発だけではもの足りなさを感じるようになり、データ分析に興味を持つようになりました。また、身近な人の課題を自らのスキルで解決したいというマインドもありました。データ分析とビジネスマインドを手に入れられる環境に身を置きたいと思い、パナソニックに応募しました」

メーカーの中でITを活用し、組織を、そして世の中を変えていく

スキルを掛け合わせADDOXサイトを共に構築。左は近藤氏。

スキルを掛け合わせADDOXサイトを共に構築。左は近藤氏。

パナソニック入社後、五嶋にとってこれまでの経験が生きていると自信につながる経験がありました。それはeラーニングシステムの導入です。これまで導入した前例のないシステムでしたが、五嶋がシステム選定から導入、構築まで全てを手がけました。

五嶋と共に構築に取り組んだのは入社2年目の社員です。最初はITの仕事にあまり興味のない様子でしたが、進めるうちに自らイチからしくみをつくるITの仕事におもしろみを感じてくれたといいます。

五嶋のようなプログラミングからサーバー構築までできるIT人材がメーカーに入ることによる変化を、次のように話します。

五嶋 「メーカーの中でもITの仕事にやりがいや楽しみを見いだす人を増やすのはもちろんですが、こうした事例を一つひとつつくることで、IT人材の活性化を図れるのでは、と思っています。

過去、業界でも名の通ったプログラマーの人たちと一緒に仕事をする機会がありました。プログラマーとしての造詣が深く、いいモノづくりのためにとことんこだわっていました。何より、プログラミングを通して世の中をおもしろく変えていこうとするマインドは、すばらしかったです。

私が感銘を受けた人たちの思想をパナソニックへ吹き込んでいきたいと考えています」

一方で、いまだデジタル化が進んでいない部分も多く、そのため五嶋は全社横断組織であるデジタルマーケティング推進室に参加しています。

五嶋 「デジタルマーケティング推進室の人は個が立っていて、互いにリスペクトし合いながら協調していく関係ができあがっています。そうしたデジタル人材と交流することで、大企業の縦割りの体制を打破し、横串を通そうとする仕掛けに、私のモチベーションも上がっています」

また、サービス事業推進部に対しても五嶋は自身のスキルとメンバーのスキルを掛け合わせ、これまでにない事例を生み出しています。例えば、“ADDOX(アドックス)”というサービスのWebサイトは、近藤 一哉と一緒に取り組むことでスピーディーな開発ができたといいます。

五嶋 「サイトのコンセプト設計からサイト開発、デジタルマーケティングのしくみの構築までを、通常であれば6カ月はかかるところを、1カ月半でリリースできました。

これは近藤の持つビジョンが、当人のデザイン力を生かして、当初から明確に表現されていたこと、それに対する熱量が伝わってきたので、そこにコミットし一緒にビジョンを具現化したいという気持ちが芽生えました」

もちろん、五嶋が培ってきたエンジニアとしての素養や、これまでのキャリアがあったからこその結果でもあります。それぞれの強みを生かしあいながら、取り組んでいけるのがサービス事業推進部の大きな強みといえるでしょう。

仲間たちと、デジタルマーケティングの文化を作りたい

営業統括部の仲間と。共にデジタルマーケティングの文化づくりを進めている。

営業統括部の仲間と。共にデジタルマーケティングの文化づくりを進めている。

それぞれがプロフェッショナルな領域を持っている分、サービス事業推進部のメンバーと働くことに対してのプレッシャーもあると五嶋は話します。

五嶋 「デザインの面でモノづくりにもコミットし、折衝力やリーダーシップに優れている方。ITのスペシャリストであり法務にも詳しい方。また、私にはないスケールでビジネスインパクトのある企画を考えている方など、尊敬の念がやまない人ばかりです。そうしたメンバーに私がどこまでコミットできるか正直プレッシャーではあります。

ただ、『一緒にいいものをつくりたい』というのが私のコアにあります。おもしろい人とつながり、おもしろい仕事をすることは、私の仕事生活での大事なコンセプトです。サービス事業推進部のメンバーとはそうしたことができます。

そのコンセプトを味わえた瞬間に達成感を覚えます。新しいことにチャレンジしてやり切ったときのやりがいはひとしおです」

そんな五嶋が目指すさらなるチャレンジは、デジタルマーケティングの文化をつくることです。

五嶋 「経験資産に頼らずデータで、より客観的な検証・分析を用いるデータカルチャーを構築していきたいと思っています。デジタルマーケティング課でできるのはもちろんですが、営業担当者がデジタル情報を活用できるような環境や文化をつくっていきたいです。

また、エンジニアだからこそ出せる付加価値をつくっていきたいと思っています。やはりエンジニアですと、新しいツールを使うにしても理解や使いこなすスピードは速いものです。エンジニアが関与することで、プロジェクトなどを成功に導く流れにできればと思います」

サービス事業推進部との仕事はパナソニックにいながらもベンチャー感があり、再び青春を味わっている気持ちにもなると五嶋はいいます。

五嶋 「しかし、私にとってはサービス事業推進部だけでなく新規事業の開発営業も、私がデジタルマーケティングで支援している仲間です。そうしたサービス事業推進部以外の仲間との取り組みを、しっかりサービス事業推進部にも展開していきたいと考えています。そして、一緒にシナジー効果を生み出し、さらにおもしろいことをデジタルマーケティングでできたら理想的ですね」

新たな世界を切り開かんとするサービス事業推進部にとって、五嶋はすでに所属こそ違えど、欠かせない存在となっています。そんなサービス事業推進部の仲間たち、そしてパナソニックのIT人材たちと共に世の中を変えるべく、今日も五嶋は飽くなき挑戦を続けます。

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