ファイナルファンタジー5の思い出 「オメガで100回以上死んだ」「せきぞうでAP稼ぎ」
先ごろ、家の整理をしていたら初代プレイステーションを発掘した。しかもその中には、ファイナルファンタジー5(以下:FF5)のPS移植版のディスクが入っていた。たしかこれ、僕が中学生だか高校生の頃にリリースされていたものだ。戦闘に入るたびにいちいちロードが挟まるので、なんかテンポの悪い移植例だったんだよね。
しかしオリジナルは1992年12月にスーパーファミコンのカセットとして発売されていたので、もっと前のゲーム。それが移植されるってことは、やっぱりこのゲームの完成度の高さを再認識させられる。未だにアプリとかでも移植されてるもんね。
僕も子供の頃、スーパーファミコンで遊んだ。今回は、そんな名作ゲームのことを思い返してみよう。(文:松本ミゾレ)
「すいとんのじゅつを買いまくって敵に使いまくってた。ダメージ大きいから」
先日、ガールズちゃんねるに「ファイナルファンタジー5のトピ」というトピックが立っていた。女性利用者が多い掲示板ではあるものの、FF5をプレイしたという書き込みがかなり多い。
男女の垣根なく楽しめたゲームだったということなのだろう。ちょっとその書き込みの中から、実際プレイした人ならおぼえている懐かしい要素の話を引用させていただきたい。
「すいとんのじゅつを買いまくって敵に使いまくってた。ダメージ大きいから」
「バル城の地下に出てくるせきぞうを倒して、ジョブレベル上げまくった」
「オメガを正々堂々と倒した時は達成感が凄かったです。たぶん100回以上は死んでます」
「FF5のキャラの中ではギルガメッシュが好き」
「ガラフじっちゃんが死んで一日泣いたのを覚えている」
バル城の地下に出るせきぞうはAPを多く落とすし、金の針とレベル5デスが効く。そのうえコイツはツインランサーを持っているので、上手く盗めれば戦力の大幅アップも見込める旨い敵だった。
あと、序盤は「すいとんのじゅつ」や「らいじんのじゅつ」がコスパのいい攻撃手段だったもんだから、たくさん買い込んでた。
それとオメガね。フィールドでの見た目がピラミッドに出ていた敵と同じだし、いざ戦闘になってもこれまで散々戦ってきたプロトタイプとかと同じなので油断していると、アレである。苦労して倒したけど、初見のインパクトは絶大だった。神竜も攻撃が苛烈だったなぁ。
登場人物たちは明るいけど、ストーリーが意外と深刻なのもFF5の特徴
FF5といえばメインテーマは曲調も明るいし、コミカルなドット描写も多いので遊んでると楽しいんだけど、意外と本筋のシナリオは超シリアスだったのも忘れられない。
それこそ屈指の人気を持つギルガメッシュは独自のテーマ曲もあるし、たびたび主人公たちとの立ち回りではコメディリリーフに徹する。しかし、最終的には次元の狭間で主人公たちと再会し、一時は脱出方法を教えてもらって退散するが、強敵ネクロフォビアに苦戦する主人公らに助太刀し、自爆。
ガラフは中盤までのパーティキャラだが、ムーアの大森林で宿敵エクスデスに苦戦する一行の中で、唯一クリスタルの力を跳ねのけてエクスデスと一対一の対決に挑む。ガ系の魔法やここで初披露となるさまざまな大魔法を食らってHPが0になっても倒れない意地を見せたのちにエクスデスを撤退に追い込み、仲間を救って落命。
エクスデスが無の力を使うようになると、主人公バッツの故郷リックスはこれに飲み込まれるし、飛空艇や火力船の使用に欠かせないシドとミドも無に飲み込まれてしまう。古代図書館に移動した矢先の賢者ギードも、洞窟で静かに暮らすモーグリたちも、容赦なくエクスデスによって消滅させられてしまう。
物語の終盤、第三世界ともなるとフィールド曲は悲壮感にまみれ、本当に一刻も早くエクスデスを止めないと、どんどん犠牲が増えると実感させられる。登場人物が喜怒哀楽をかわいいドット絵で表現してくれるので、楽しい、明るいイメージがあるのがFF5の特色なんだけど、本筋はかなりシリアス。それもまたこのゲームの魅力になっていたに違いない。