オンライン就活のリアルな不満 「グループワークでネット環境が悪い人がいると……」「映りが気になって精神的に疲れる」 | キャリコネニュース
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オンライン就活のリアルな不満 「グループワークでネット環境が悪い人がいると……」「映りが気になって精神的に疲れる」

リアルな不満

リアルな不満

キャリアコンサルタントとして2022卒の就活生100人以上と面談をする中で、新型コロナウイルスによって就活のオンライン化が進んだことへの悩みや不満を沢山耳にしてきました。

実際に就活生はどんな不満を持っているのでしょうか。「説明会」「インターンシップ」「グループワーク」「面接」「その他」に分けて学生の声を紹介していきます。(文:キャリアコンサルタント 渡邉元士)

「同期になるかもしれない人たちがどういう人かわからない」

1.オンライン説明会

オンライン説明会の不満で最も多いのは「社員の雰囲気が掴みにくい」という声です。「メラビアンの法則」という、”人は見た目が9割”の根拠とされているものがあります。この法則によると、人は以下の割合で印象を判断しています。

・視覚情報:55%
・聴覚情報:38%
・言語情報:7%

オンラインでの説明会となると立ち居振舞いや表情などが見えにくいため、印象の決定に最も大きな影響を及ぼす「視覚情報」がリアルの場合よりも乏しくなります。そのため学生が「雰囲気を掴みにくい」と思うのも当然と言えます。その他にも、

「選考を受けている学生と説明会前後で話す機会がなく、同期になるかもしれない人たちがどういう人かわからない」
「オフィスの環境や雰囲気が掴めない」

といったように、「働くイメージが湧きにくい」といった悩みがほとんどでした。また、地方の学生からは「現地に行くことが出来ないため、生活をするイメージも持ちづらい」といった声も幾度か耳にしました。

2.グループワーク

オンラインでのグループワークに対する不満は心理的なものと環境的なものに分けられます。前者は「選考官が画面上にいると常に監視をされている気がする」という声が多かったです。「画面越しに参加者全員の顔が映し出されるため、緊張が伝わってきて自分も緊張してしまう」という声もありました。

後者は「声が被る」「話すタイミングが難しい」といった発言に関する悩みが最も多かったです。

また、グループにネット環境が良くない人がいた場合、進行が乱れることも多く困るとのことでした。中には「5人のグループディスカッションなのに最初の数分は2人しかルームにいなかった」という経験をした人もいました。

その他には、「資料の共有が難しい」「役割分担をして議論をすることが出来ない」といった声があがっています。

3.インターン

インターンは、説明会・グループワークで紹介したものの他に「就活生同士で繋がりが作りづらい」という声が非常に多かったです。

「休憩時間を奪ってしまうのではないかと遠慮をしてしまう」
「個別で話すことが出来ず、全員が見ている画面の中で話すので緊張する」

4.面接

面接に関しては、多くの学生が「熱意や雰囲気を伝えにくい」「面接官がどのような印象を抱いているかが分かりづらい」といった悩みを抱えています。具体的には、

「面接官の目を見ようとすると、話す際にカメラを見ると面接官の表情をうかがえない」
「面接前後のラフなコミュニケーションがない」
「非言語コミュニケーションによって与える・得られる情報が少ない」

といった声が挙がっています。

5.その他

上記4つの項目以外では

「移動や場所の制約がかなりなくなったため、情報過多で何からすればいいかが分からない」
「どう映っているのかを意識し過ぎてしまい、精神的にとても疲れる」
「座ったままPCにずっと向かっているので、腰や目の疲労がすごい」
「接続不良が起こることがあり、とても困った」

といった声が挙がっています。

Withコロナ時代の新しい就活、どうするべき?

オンライン就活を経験したことがない私にとっては、どれも新鮮で実際に学生の声を聞いてみないと想像が難しい悩み・不満もありました。企業の人事担当者は採用活動において”顧客”である就活生の声に耳を傾け、「いかに体験価値を向上させるか」という点で日々PDCAを回していく必要があるのではないでしょうか。

就活生の抱える問題を解消しようとする”姿勢”が魅力に繋がる可能性は大いにあります。実際、国立大学の就活生が、

「ある外資系IT企業のインターンで、参加者がワークを進めやすいように学生側に配慮をして頂き、非常に優秀な方々がいる会社なんだと思いました」

と話していました。

一方、就活生も”不平不満を感じて終わり”ではなく、「自らの行動で改善できる部分はないか?」と考える姿勢を持つことが大切だと思います。

特に、インターンを含むグループワークの場合、その改善行動は企業から評価されるはずです。グループワークの目的は「チームで最大のアウトプットを生み出すこと」であり、そのプロセスを選考官は評価していますので。

つまり、上記のような不平不満を解消する動きをすることは、チームのパフォーマンス向上に直結し、自身の評価にも繋がるということです。

オンライン就活はWithコロナ時代の新しい就活の形であり、経験したことのない問題も沢山あるかと思います。しかし、その状況は今後続く変化の激しい時代を象徴しており「この状況で如何に対応するのか」が企業・就活生の双方に求められています。

相互に評価し合う形という点では健全な状態であるとも言えます。「”変化に対応する力”を持つ企業・就活生が評価される」ということを念頭に、双方ともに現状をより良くしていく姿勢が重要になってきていると言えるのではないでしょうか。

著者近影

著者近影

【プロフィール】関西学院大学商学部卒。在学中に創業期のキャリア教育系スタートアップ(株)STORYに参画。採用責任者として、約400人の面接・約50人の採用に携わる。その後、ベンチャー複数社にて新卒採用、EdTech・人材サービスの立ち上げを経験。2020年9月より(株)STORY CAREERにてキャリアアドバイザーとして活動。

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