「イスラム国」に悩むトルコ、日本と合作映画 池上彰「すべて知ったうえで付き合う必要がある」 | キャリコネニュース
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「イスラム国」に悩むトルコ、日本と合作映画 池上彰「すべて知ったうえで付き合う必要がある」

トルコで語り継がれ、親日の原点となった125年前の出来事が、日本とトルコの合作で映画化されることになった。日本国内での撮影は順調で2月上旬に終了したが、トルコでの撮影は予定より2か月遅れた。

原因は隣国シリアの情勢悪化だ。トルコ国内でも、日本人観光客がほとんどゼロの状態だという。2015年5月4日放送の「未来世紀ジパング」は、ジャーナリストの池上彰氏がトルコ情勢のいまを解説した。

「後藤さんのあと日本人はまったくこない」

「イスラム国」の影響がここにも

「イスラム国」の影響がここにも

1890年、本州最南端の町・和歌山県串本町沖に、トルコの軍艦「エルトゥールル号」が沈没した。587名が犠牲となる大惨事だったが、町民たちは必死の救助活動を行い、69人の命が救われた。

映画のタイトルは「海難1890」。主演は内野聖陽さんと忽那汐里さんで、トルコの出演俳優は「エルトゥールル号の話は学校の教科書で教わったし、参加できてとても嬉しいよ」と語る。

首都イスタンブールにある世界最大の市場・グランドバザールは、日本人観光客の人気スポットだったが、いま日本人の姿はほとんど見られない。泥沼化したシリア内戦の影響だ。バザールの店主たちはこう明かす。

「(後藤健二さんの事件のあと)日本人はまったく来ない。今は中国語を学んで、日本語はおしまい」

池上彰氏の解説によると、中東の過激派組織「イスラム国」が首都と称するシリアのラッカから、トルコとの国境はわずか80キロという近さ。日本政府は今年1月、シリアとトルコの国境沿いに退避勧告を出し、年間約15万人訪れていた日本人観光客は途絶えた。

日本の支援で学校建設「子どもをテロに走らせないために」

番組の取材車がイスタンブールの街を走ると、シリア難民の子供たちが車を引きとめて物売りをする光景に出くわした。「ビデオに撮っているなら、もっと(お金を)ちょうだい」と10歳くらいの少年が笑顔で交渉してくる。

街路では、トルコ政府がシリア難民にパンを配る行列が見られ、シリアとの国境近くには無数のテントが並ぶ難民キャンプが出来ていた。2011年に始まったシリア内戦は、20万人の死者を出しながら現在も続き、トルコは少なくとも175万人の難民を受け入れている。

緊迫する国境付近に、日本とトルコの国旗がはためく学校がある。トルコ政府の要請により日本の支援で建てられた「さくら小学校」だ。7歳から16歳までのシリア難民318人が学んでいる。

シリア人の校長は、「多くの子どもたちが、貧しい暮らしの中で学ぶ機会を奪われてしまいました。子どもたちをテロに走らせないためにも、何よりも学校が必要なんです」と話し、日本とトルコへの感謝をこう語る。

「トルコに命を助けてもらい、日本からは教育の場を与えてもらいました。本当に感謝しています」

映画は2015年12月の公開予定

遅れていた映画の撮影は、4月から無事再開されたそうだ。監督の田中光敏さんは、トルコから感じる日本への思いをこう明かす。

「隣国がいろいろな紛争地域を抱えている微妙な地域関係にある中で、トルコは日本に対して優しさとともに、他の国とは違う思いをしっかりと持っている」

池上彰氏はこのほか、トルコは経済的に急成長していることや、政権批判をするジャーナリストたちをエルドアン大統領が次々と逮捕し、周辺国の中で強い力を持とうとしていることも伝え、「すべて知ったうえでトルコと付き合っていくことが求められている」とまとめた。

映画は2015年12月の公開予定だ。トルコ観光には行きづらい厳しい状況にあるからこそ、映画化に成功してもらいたいし、ここまで築いてきた絆が映画によってさらに強まっていくことを祈りたい。(ライター:okei)

あわせてよみたい:ジャーナリスト後藤健二さん送っていた「取材メモ」の内容とは

 

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