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米国の医師が教える「毒母」への対処法 娘に対する支配的な言動の要因を探る

いくつになっても娘は娘

いくつになっても娘は娘

もういい歳になる娘の生活に、いまだに口を出す母親。彼氏にも友達にも注文をつけ、太ったと文句をいう。週末に一緒に買い物に行くのは当たり前だと思っている。話をするたびに罪悪感や怒りを覚えるのはなぜ?

大人の娘への「母親の過干渉」や「毒母」は日本でも話題になっているようですが、米国でも同じようなケースがあるようです。米Psych Centralに医師のハートウェル・ウォーカー氏が寄稿しています。(文:パッタナカーン山崎)

母親が「寂しさ」や「悲しみ」に襲われていないか

娘に対する母親の言動が支配的に見える理由とは、どんなものがあるでしょうか。ウォーカー氏は次のような可能性を列挙しています。

寂しさ:夫が亡くなったり、遠く離れていたりする場合、身近にいるあなたに頼りたいのです。人恋しい時、家族のあなたにはわがままを言いやすいものです。

悲しみ:5年以内に夫を亡くしていたら喪失感から立ち直れていないのかもしれません。1年以内に立ち直れる人もいれば、3~4年かかる人もいます。あなたと一緒にいることで気を紛らわしているのでしょう。高齢の両親や重病の家族・親友を介護している場合も、重荷や悲しみに耐え切れず、そのストレスがあなたに向けられているのかもしれません。

不安障害:社交不安障害を持っている人は、批判されたり恥をかいたりすることをとても恐れています。子どもと一緒にいれば、子どもに集中できます。広場恐怖症の人が、連れがいないとパニックになってしまうのと同じ。友達ができず、あなたに依存するのです。

本当の病気:もしかしたら何らかの病気で、あなたに悟られないようにしているのかもしれません。今まで簡単にできていたことができなくなっている可能性もあります。

真実を言っている:母親には問題がなく、あなたが「言われたくない」と思っている本当のことを言っているだけかも。何十年間もあなたを見守ってきた者としては、大人になったからといって放っておけないものなのです。親切に指摘してくれている母親に怒っている場合じゃありません。

人格障害:これは、他人を攻撃している時だけ生きがいを感じるタイプ。えこひいきや脅迫をして家族を分裂させようとします。

母親の言動に過剰反応しているところはないか

問題の解決には分析が必要です。支配的な言動は最近のことですか、それとも以前から? 最近のことだったら、健康や環境の変化と関係しています。以前から続く場合は性格か長年の親子関係によるもの。ウォーカー氏は、そんな母親への対処法を示唆しています。

罪悪感や怒りを捨てる:罪悪感は、母親への愛情と彼女に離れて欲しいと願う気持ちの間で揺れている証拠です。解決を避けている言い訳でもあるのです。また、怒りは何も変えることできません。あなたは怒ることで、責任から逃れようとしているのかもしれません。

行動する:あなたの気持ちを伝えて、彼女には何が必要なのかを聞くのです。話し合いができない場合は、できるかぎりの想像力を働かせて。家族などの介護で疲れていたり高齢で家事が大変になってきていたら、地域社会や業者のサービスを受けることを提案しましょう。精神的な問題はカウンセリングや受診を勧めて。もし本当になんらかの病気だったら、打ち明けてほしい旨を伝えましょう。

自分を振り返る:母親の言動に過剰反応していませんか? 自尊心がグラついている? 自分はいつも悪くない? 母親はただ自分の意見を言っているだけかもしれません。言い方を変えてと頼んでみては? でも60歳すぎの母親にとっては、今までの言い方を変えるのは難しいかも。あなたの反応を変えるほうが簡単です。自分が本当に正しいと思っていたら、人の意見を気にすることはないのです。

母親が精神病やただの意地悪の場合:彼女を変えるのはやめましょう。本人が治そうとしない限り不可能です。話し合うことと話し合えないことを明確にし、母親に「その話はしない」と言えばいいのです。言い争いになりそうなら帰りましょう。感情的にならないで事務的に伝えます。他の家族に協力を求めることも大切。母親が家族の誰かの悪口を言ったら、同調せず話題を変えるようにします。誰にでも「理想の母親」がいるわけではありません。生活を充実させ、自分を母親から守る体制を作りましょう。

(出典)Understanding and Managing Your Controlling Mother(Psych Central)

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