「同時に3社で働く」新時代を切り拓くサーキュレーション 登録専門家は1年半で3000人を突破
2014年1月に創業したサーキュレーションは、経営課題を抱える会社に対し、専門性を有した企業出身者を期間限定でマッチングする事業を行っている。創業者はインテリジェンス出身の久保田雅俊氏だ。
創業2年目にして、ネットワークに登録する専門家は3000人以上。人手不足の中小企業などの100を超えるテーマに対して、人材をマッチングできる体制を整えている。そんな会社の事業について、広報の荒川麻子さんに説明してもらった。
課題に合った人材を低コストで調達できる
当社が中核事業としているのは「外部人材を活用した経営コンサルティングサービス」。当社のコンサルタントが月400社の経営者とお会いし、会社の課題を特定したうえで、必要とされる専門性の高い人材を期間限定でアサインするものです。
当社が抱える専門家ネットワークは創業2年目にして3000人を超え、いまや日本最大規模。大企業の元役員クラスを中心とした50歳以上の経験豊富なシニアエグゼクティブと、実働力の高い30~40代の若手プロフェッショナルに分かれています。
どんな会社にも、創業期から成長期、成熟期、既存衰退・新規事業推進期といった成長フェーズがあり、それぞれの段階に応じて経営課題や必要となる人材も変わります。当社はそこに合った専門家を、タイミングよくマッチングする会社なのです。
扱うテーマは、新規事業開発から人事制度設計・採用戦略、マーケティング・営業支援や海外進出など100を超えます。そこにコンサルティングファーム出身者や上場経験のある元経営者、事業会社で人事や財務、生産管理や広報などを経験した人を当て、専門家と共に課題解決をします。
企業側としては、実績のあるプロの中から適任の方を選べるメリットがあります。年収1000万円クラスの優秀層を採用したり若手を採用して育成したりするのに比べて、コストも時間も抑えることができます。
「週1日からの高単価案件」で複数業務に携われる
当社の専門家ネットワークに登録することは、働く側にもメリットがあります。当社が紹介する仕事は、週1日からの高単価案件。自分の強みや働きたい日数に応じた案件を当社が紹介するので、自ら営業せずして新しい仕事に関わることができます。
登録している若手プロフェッショナルの中には、急成長したベンチャーの人事を7年経験した方や、PR会社を経験して事業会社で広報経験を積んだ方、IT企業で新規事業のプロジェクト立ち上げを数多くこなした方などがいます。
例えば当社ネットワークに登録している31歳の女性Hさんは、大学卒業後、入社1年目でEC事業を立ち上げ、半年で10人のチームを管轄していた経験の持ち主です。
現在は独立し、EC事業のアドバイザーとして当社を通じて3社、それ以外にも5つのプロジェクトで働いています。勤務時間は会社勤めをしているときの半分、収入は1.5倍となり「時間に対する報酬は3倍」になりました。
仕事における作業時間が圧倒的に減ったため、「空いた時間で新しい情報を収集したり、人に会ったりとインプットの時間に当てています」とのこと。他社のものより良いアウトプットを求められるなど仕事のプレッシャーは大きいけれど、「一社で働くことは、この先もないと思います」ということです。
新しい働き方を紹介するウェブメディアを開設
当社が提唱しているのは、「ひとりが3回転職する時代から、同時に3社で働く時代へ」というもの。当社が紹介する仕事の平均報酬は、月4日の稼働で月15~20万円。中には1人10社以上を受け持っている方もいます。
とはいえ、ひとつの会社を勤め上げる価値観が根強いなか、「ビジネスノマド」の働き方はまだまだ理解されていません。そこで多くの人に新しい働き方を知ってもらいたいとの思いから、7月下旬にウェブメディア「ビジネスノマドジャーナル」をオープンしました。
今すぐの独立を考えていなくとも、将来に備えて専門性を高める努力をしておいて損はありません。今の会社に固執しなくても生き抜く力を持つことが、必ず未来の自分にとってもプラスになるでしょう。
そのために必要なのは、自分の強みを棚卸しし、その力が実際に他の会社でも活きる経験なのかを知ることです。それが自分と家族を守り、自由で責任のある働き方を選択するための第一歩となるに違いありません。
【プロフィール】株式会社サーキュレーション 広報 荒川 麻子:1983年生まれ。東京・渋谷区出身。大学卒業後、大手百貨店にて宝飾ブランド専属の外商営業を経験した後、PRサービス会社に転職。2014年8月サーキュレーションに入社し、広報とコンサルタントを兼任。ベンチャー企業の魅力を日々PRする「なでしこ広報会」(主宰:栗田朋一・東京PRアカデミー代表)に参加している。