「生涯プロエンジニア」という働き方を推進するエンジニアリングソリューションのメイテック 採用理念は「就社でなく就職を」
機械系から化学系まで設計・開発技術者を正社員として雇用し、延べ4,000社の国内製造業に技術者を派遣している株式会社メイテック。在籍エンジニア数は約8,000名、常時1,400社で同社のエンジニアは活躍している。
「生涯プロエンジニア」の理念を掲げ、エンジニアが一生涯活躍し続けられる「機会と場」を提供するメイテック。新たな技術が次々と生み出され、環境変化も激しい現代を乗り越えるために必要とされる人材とは。新卒リクルートセンター センター長の吉井 智之さんと、キャリアリクルートセンター センター長の三浦 慶さんに伺った。(聞き手・文:千葉郁美)
60歳以上のエンジニアが延べ500名以上活躍
――御社は機械設計からソフトウェア開発、化学分野の設計開発など幅広い分野の技術者が集結し、常時1400社もの大手製造業に派遣するエンジニアリングソリューション事業を展開されています。ここ数年、コロナ禍をはじめとした環境変化や技術革新は目を見張るものがありますが、御社を取り巻く環境にも変化があったのでしょうか。
吉井さん:世の中全体のデジタル化が加速度的に進んでいる影響が大きくあります。当社はもともとハードウェア系の技術者が多い会社ではありますが、ソフトウェア系の技術を持っている方や、興味を持っている方に入社いただくことが増えてきています。
デジタル化の流れは新卒採用にも変化を感じています。例えば以前の出身学部は、「機械工学」「電気電子工学」が多かったのですが、そこに「システム」分野の学部もよく目にするようになりました。
興味関心が電気だけ、機械だけというより、それにプラスして横断的にソフトウェアを絡めた技術にも興味があるという学生も少なからず増えていると感じています。
三浦さん:キャリア採用においてもベースとなる変化は同じくありますし、お客様のニーズもそれに即して変わってきています。採用活動においては専門分野の垣根がなくなってきていると感じていまして、その傾向は今後も続いていくと感じています。
一方で採用基準や要件が大きく変わっているのかというと、実は大きく変わってはいません。世の中の動きも当然見ているのですが、採用の大前提としては当社の「エンジニアという職業を軸にした働き方」に共感していただくというところがあります。
――御社が採用の大前提としている「エンジニアという職業を軸にした働き方」とはどのようなものなのでしょうか。
当社では「生涯プロエンジニア」という理念を掲げ、社員が年齢を重ねてもエンジニアとして生涯活躍し続けていくことを訴求しています。新しい技術が次々と出てくる現代ですが、エンジニアの方々の多くはそうした技術の習得に興味関心が深く、意欲的です。新たな技術を身につけるための研修や制度も整備されていて、「何歳になっても成長できる、挑戦できる場所」があります。実際に60歳以上の技術者が延べ500人以上活躍しています。
この「生涯プロエンジニア」という働き方への共感は採用においても大事なことです。こと新卒においては、「就社」ではなくエンジニアという職業に「就職」するんだ、という考え方に共感していただける方に来てもらいたい。キャリアのある方には、成長したい挑戦したいという思いを持っていてほしい、と考えています。
――エンジニアの職業に対する思いや「生涯プロエンジニア」として活躍していくための環境は非常に魅力的で、エンジニアとしてこれから羽ばたこうとする学生や、成長する場所を求めているエンジニアの方の心を力強く掴みそうですね。
オンライン化は学生や転職潜在層との接点を容易にした
――採用において「生涯プロエンジニア」を大前提としているとのことでした。御社はそもそも新卒採用、中途採用においてどのようなスタンスで実施していたのでしょうか。
吉井さん:新卒採用は理系の学生を数百人単位で大量採用しています。これは、リーマンショックなどの景気の動向や昨今のコロナ禍にも影響されずに継続しておりまして、数そして質も変えることなく採用を実施していくことが基本的な方向性となっています。
三浦さん:中途採用ではまず即戦力として各領域のお客様の動向やニーズに即した人材を採用していくこと、そして若年層も採用して、研修制度で育成して配属するといった取り組みも行っています。
――新型コロナウイルス感染症の蔓延によって2020年4月に緊急事態宣言が発令されました。面接や説明会などのオンライン化など、採用の活動は一変したことと想像します。御社にはどのような影響がありましたか。
吉井さん:新卒採用に関しましては、コロナ禍を前後して数も質も変えることなく採用を実施しましたが、やり方は大きな変化がありました。この状況下で一番大事にしていたのは学生への安全配慮です。緊急事態宣言を受けて、説明会から入社までをオンラインで実施するという形にしました。
ただ、オンラインに切り替えたことによる弊害は少なからずあると感じています。内定から入社までの期間、学生ひとりひとりに担当のリクルーターが付いて入社までしっかりフォローしていく体制が我々の強みです。ただ、学校にまで出向いてお茶をしながら話す、というようなコミュニケーションができていたのですが、直接会いにいくことができなくなり、やりづらくなってしまった。
一方でメリットになっている部分は、学生に実際に働いているエンジニアとの接点を持ってもらうことが容易になったことです。これがとても重要で、オンラインでの交流が可能になったことで利便性が上がりました。時間的、物理的な問題がなくなるのでエンジニアとの座談会を積極的に取り入れて、複数回設定することもできるので、多くの学生にエンジニアとの接点を持っていただくことができるようになりました。
三浦さん:中途採用も同様です。採用活動をオンラインに切り替えていく中で苦労したのは、やはり対面で行うことに比べたら意思疎通がしにくい。また、オンラインのみで当社の魅力を伝えきれるのか、伝えるにはどうしたらいいのか、というところはかなり試行錯誤をしました。
細かなところでは、採用活動を対面で実施していた時に使っていたツールの多くが紙ベースだったことや、一緒に画面を見ながら説明することを前提に作成した資料など、結構ありました。それをオンラインに移行する際にはイチから見直す必要があり、試行錯誤が必要でした。
オンラインになってよかったことは、エンジニアの市場が流動的になっている背景から経験者の方に多く出会えるようになったこと、まだ転職を意識していない潜在層の方との接点がすごく増えたと思います。こういった方々とお話ができるようになったのは、この環境になったからこそと言えるのではないでしょうか。
変化を楽しみチャレンジできる方にこそ入ってきて欲しい
――コロナ禍においては、人々の「働き方」に対する意識も大きく変わってきています。御社の場合、取引先企業のニーズにも変化がありそうですが、いかがでしょうか。
三浦さん:基本的に当社のエンジニアはハードウェア系で現地現物が基本となるため、在宅で仕事をする案件は考えられませんでしたが、コロナ禍によってそこは大きく変わりました。取引先企業様にはいかに在宅での勤務が継続できるかを考えていただいて、結果として当社も4割近い方のテレワークが実現しています。これが一度定着すると、今後も働き方の選択基準になっていくのでは。
また、冒頭にお話ししたように昨今ではソフトウェア系の案件が徐々に増えてきているので、テレワークが増えていく傾向です。
――世の中のデジタル化が進み、技術革新が日々進んでいる現代において、御社を取り巻く環境は今後も目まぐるしい変化があるのではと想像します。これからの御社にとって必要とされる人材とはどのような人物像でしょうか。
吉井さん:新卒採用では、飛び抜けて優秀な人材を求めているわけではありません。メーカーを志望している学生で、「生涯プロエンジニア」になりたいという思いを持ってくださる方には、ぜひメイテックという箱を使ってもらいたいと思っています。我々は常時1400社の製造業のお客様とお取引きがありますので、メイテックを通じて、メーカーでの設計開発業務にピンポイントでチャレンジすることができます。技術力に不安があっても、技術研修でスキルを高めることができます。実際のお客様や先輩エンジニアと切磋琢磨しながら、結果的には生涯現役エンジニアとして、最前線で活躍していただくことを期待しています。
三浦さん:中途採用においては、変わり続ける、挑戦し続ける方を期待したいですね。今後も技術は進化し続けていくわけで、今日使っている技術が明日使えるのかというとそんな保証はどこにもないわけです。どんなにベテランの方でも技術トレンドを一緒に追いかけて成長していく。そういった変化対応できる方と一緒に仕事をさせていただきたいなと考えています。
【プロフィール】
吉井 智之(よしい ともゆき)
株式会社メイテック 新卒リクルートセンター センター長 2009年入社。新卒採用における企画から採用までを一貫して統括
三浦 慶(みうら けい)
株式会社メイテック キャリアリクルートセンター センター長 2006年入社。中途採用における企画から採用までを一貫して統括