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突破口を探す企業に「コラボ」が効く 自動車不振のトヨタ紡織は全日空の新シートを開発

ここ最近、食品メーカーが様々なコラボ商品を世に送り出すケースが目につく。不二家と赤木乳業によるアイスクリーム「ミルキーカップ」や、ロッテリアとカルビーによるポテトチップス「絶品チーズバーガー味」などは記憶に新しい。

8月18日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、突破口を探す企業が卓越した特徴を持つさまざまな他社と手を組んでコラボすることで、斬新なアイデアや技術を生かして強い競争力を生み出すケースを紹介していた。

ヒット企画の飲食店にメーカーから相談殺到

コラボ商品を突破口に

コラボ商品を突破口に

北海道・新千歳空港のみやげ物として人気急上昇なのが、「Oh!焼きとうきび」。とうもろこしを練り込んだおかきに、ドライコーンを加えた商品だ。スパイシーなカレーせんべい「カリカリまだある?」と共に1日1000箱を売り上げる大ヒット商品で、せんべい業界3位の「岩塚製菓」とのコラボ商品だ。

仕掛けたのは札幌一の繁華街にある人気の老舗レストラン「YOSHIMI」のオーナーシェフ、勝山良美さん(64歳)。炭鉱の町・北海道美唄市の生まれで、中学卒業後に食品の卸会社に就職後、21歳で独立し、たい焼き屋を開業した。

32歳でYOSHIMI本店をオープンし、札幌を中心に飲食店を17店舗展開している。中でもスープカレー専門店が好評で、2009年にコラボ商品を作るきっかけとなった。

カレーせんべいを直接カレーにつけ込み、焼きとうきびにドライコーンを加えたのも勝山さんの発案。岩塚製菓の杉田さんは商品が支持され売れている理由を、「YOSHIMIさん独自の発想で、製法もうちにはないもの」と明かした。

この成功をきっかけに、次々とコラボの話が持ち込まれた。カルビーをはじめとする菓子メーカー6社とコラボし、15種類の商品を販売。日本ハムや山崎製パンなどともコラボしている。YOSHIMIの年商47億円のうち、23億円がコラボ商品によるものだ。

北陸新幹線のシートもトヨタ紡織

さらに、東京オリンピックに向けて海外からの観光客が増えることを見込み、羽田空港で売る東京みやげを新開発。ラスクで有名なイケダパンとコラボし、高級抹茶をふりかけたラスク「東京3時のラスク」を発売した。勝山さんは世界に向けた今後の展望をこう語る。

「料理人から考えて、どうしたらもっと美味しいものができるかと。どんどんコラボして、世界に送るような、自慢できるような商品を作っていきたい」

番組では他に、全日空がトヨタ紡織と組んで「日本人に合った飛行機のシート」を開発する様子も紹介した。トヨタ紡織は主に自動車のシートを製造してきたが、国内の自動車生産台数が落ちていることもあり、3年前から北陸新幹線のシートなど他の乗り物のシートにも力を入れている。

国内線での初フライトは好評で、「次は国際線で世界での製品価値を問いたい」という話も出た。今まで欧米の3社が独占していた市場だが、トヨタ紡織が自動車シートで培った高い技術力で世界を狙う。

共通するのは「目指すは世界市場」

全日空の茅順一朗さんは、「日本初のいいシートが世界中に広がるのはトヨタ紡織さんにとってもいいことだし、その第一歩を築いた全日空も非常にプレゼンスが上がると思う」とコラボの意義を語った。

高い技術力や他にはない発想でコラボ企画をする人たちに共通しているのは、消費が縮小傾向とみられる国内だけでなく、世界市場を目指していることのようだ。(ライター:okei)

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