明石家さんま、LINEスタンプでの会話の弊害を指摘 「どんどんトークが下手になる」
いきなり自慢するんだけども、僕は言葉を生業にしている人間の端くれ。なので、喋る力も比較的ある方だと思う。特にクライアントさんとミーティングでもしようもんなら、ギャラの話に終始するし、本当に辟易されつつも、単価を上げてもらうことには成功する。
そうなのだ。社会に出て仕事をする上では、トーク力というものがどうしたって必要なのだ。
特にフリーランスは幾ら文章を仕上げるのが早くても、口下手ではなかなか仕事が増えたりしない。自分からどんどんアピールしなければ、いつまで待っても暇な毎日を送るばかりだ。(文:松本ミゾレ)
スタンプだけで会話が成立し、「文章も下手になる」
そんな中、9月5日(土)にオンエアされた「ヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)で、明石家さんまが面白い話をしていた。スマホを持ち、LINEを実際に使ってみての感想を話しているんだけど、これがちょっと興味深い。
まずさんまは、様々なスタンプが登場している現在のLINE事情について「面白い」と好意的に評価する。ただ、「元気?」「おやすみ」といった一言だけのスタンプだけで会話することに関しては弊害を指摘する。
「これからのLINE世代が、どんどんトーク下手になっていくやろな。文章も下手になる」
言葉をたくみに操るさんまをしてこう言わせるのだから、僕らの想像する以上に、スタンプの多用は便利さと引きかえに大事なものを奪っているのかもしれない。
それから、元々メールの内容をしっかり考えて送信するタイプだったさんまが、LINEだと「長文を送ろうとする気にならない」と語る。これも良くない兆候ではないだろうか。
お笑い芸人目指す若者はLINEをやめた方が良い?
そして、冗談まじりながら、さんまは今後LINEが使われ続けることによって、トークのできない若者が増えていき、結果として自分があと芸能界で「20年安泰やわ」ともこの状態ならトーク下手になるに決まってるやんか」とも話していた。
その上で、現在お笑いで活躍したいと思っている若者に対しては、「LINEをやめた方が……。だって、下手になるぞ」と推奨。さんまの言うように、仮にLINEを多用しすぎることで語彙の乏しい人間になってしまうんなら、お笑いを目指す以上はやらないに越したことはない。
実際、僕も既に若者の語彙の少なさに辟易することが多い。こちらの提示した言葉に対して、「わかる」とか「それな」ばっかりで返事しちゃうような子は、はっきり言って全く面白くない。
でもこういう若者、本当に今は多いのだ。本人たちには当然悪気もないので、怒るに怒れない。こういう子たちはお笑い芸人になるどころか、普通に働く上でも結構しんどいんじゃないかな? 本人も周囲も。
まあ、LINEが普及してからそんなに時間が経っていないので、LINEの害について議論する時期ではないと思う。けれど、少なくとも僕は、便利だからと流され続けるユーザーは、本人が想像している以上に危険な境遇にいると思っている。
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