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データ分析で日本経済の未来に貢献──専門性を追求する〈みずほ〉のエコノミスト

みずほリサーチ&テクノロジーズの調査部で主席エコノミストとして活躍する服部 直樹。日本のマクロ経済分析を専門分野とし、AIや機械学習を用いた新たな分析手法を活用するなど、付加価値のある情報発信に向けて日々挑戦を続けています。海外勤務の経験も持つ服部が、自身のキャリアを振り返り、仕事への想いを語ります。【talentbookで読む】

世界経済の中心、ニューヨークでの勤務に挑戦した若手時代

「日本の未来はこれからどうなるのだろう?」

少子高齢化による労働人口の減少、所得格差の拡大など、日本が抱える課題に触れるたび、将来が不安になるという人も多いのではないでしょうか。

しかし、心配しているだけでは未来を変えることはできません。大切なのは課題と向き合い、どうすれば解決できるかを考えること。

そのために専門知識を活かし、さまざまなデータを収集・分析して、企業の経営や政府の政策立案に役立つ情報を発信する──それが、服部の仕事です。

「私が就職活動をしていた2008年は、リーマン・ショックが起こり経済の先行きが非常に不透明だったころ。大学では経済学を学んでいたので、日本経済の動向について常々考えていました。大学で学んだことを活かして、日本経済の発展に貢献したい。そう思い、当時から情報の発信力や分析力で有名だったみずほ総合研究所(現みずほリサーチ&テクノロジーズ)への入社を決めました」

入社後は日本経済の分析における基礎を学んだ後、米国のマクロ経済分析を担当。約3年の経験を積み、2012年にニューヨーク事務所へ赴任します。

「チャンスがあれば海外で働きたいと上司に伝えていたので、世界経済の中心地であるニューヨークで働くという希望がかなったときはうれしかったです。ただ問題は、英語があまり得意ではなかったということ。現地で働き始めると、当然会議は英語ですし、難しい専門用語がたくさん登場するので最初は付いていくのに必死でした。

空き時間を見つけては勉強を続け、自分から積極的に現地の人とコミュニケーションを取るという地道な努力を積み重ねて、少しずつ自信をつけていきました」

ニューヨーク事務所に約6年間勤務した服部。その経験は自分を大きく成長させたと振り返ります。

「ニューヨークだけでなく、ワシントンD.C.やサンフランシスコなど、各地域で活躍するエコノミストにインタビューする機会に恵まれました。米国で活躍するエコノミストは、博士号を持っている方が多く、専門性が高くて分析力が優れている方ばかり。自分ももっと専門性を追求し、レベルアップしなければと大きな刺激を受けました。

他にも現地のカンファレンスで金融の新しい潮流を体感したり、著名な経済学者と直接お話しする機会を得たり。日本では得難い経験をして自身の知見を広められたことは、エコノミストとして大きな財産になりました」

海外赴任の経験を活かし、〈みずほ〉が取り組む新たな領域にチャレンジ

約6年間のニューヨーク勤務を経て、2018年に日本に帰国した服部。帰国後に担当したのは、入社当時にトレーニーとして学んだ日本のマクロ経済分析でした。

「長い間米国のマクロ経済分析を担当していたので、日本経済を分析する業務はとても新鮮に感じました。当時は消費税率を10%に引き上げる方針が表明され、注目が集まっていたころ。日本の消費活動にどう影響するかを分析し、レポートにまとめるなどの業務を担当しました」

帰国から約1年が経ち、服部はある想いを胸に新しいポジションに自ら挑みます。それはAIや機械学習を経済分析に活用するべく、新たに立ち上げられた部署での業務でした。

「ニューヨークで働いていたとき、機械学習などの新しい手法を使って現地のエコノミストが分析しているのを目の当たりにして、強い危機感を抱いていたのです。従来の分析手法だけではいずれ通用しなくなるのではないか──そう考えていたとき、ちょうど会社が新たな領域にチャレンジすると聞き、その姿勢にとても共感してぜひ貢献したいと思いました。

在任中はみずほフィナンシャルグループの他部署やグループ外の企業と協力し、データ分析の手法について研究を実施。また、社内では機械学習の勉強会を開催し、約40名の参加者とともにスキルを高めました。

私と同じように危機感を持ち、新しい技術を学びたいという同僚がたくさんいたこと、そして勉強会を開催したいという提案を、会社がすぐ承認してくれたこと。社員の成長を支援する〈みずほ〉のこうした環境が、成長し続けるモチベーションになっているのだとあらためて実感した経験でした」

仲間とともに新しい領域にチャレンジし、順調に実績を積み重ねていた2020年。服部の専門分野に関連する大きな転機が訪れます。

「新型コロナウイルス感染症の世界的流行という、現代の誰もが経験したことのない、未曽有の事態に直面しました。人々の命や日常生活が脅かされることはもちろん、日本経済にとっても計り知れない影響を与える出来事です。

どうすれば、感染拡大を抑制して医療への負荷を低減しつつ、日本の経済活動を回復させることができるのか。膨大なデータを用いて、新たに疫学モデルを用いた経済分析に取り組み始めました」

調査分析に没頭した日々。コロナ禍で向き合ったエコノミストとしての使命

日常生活や企業活動を一変させた新型コロナウイルス感染症。感染拡大の要因分析やワクチン接種が進んだ後の経済動向など、政策提言につなげるべく服部は全力で分析を進めました。

「既存の疫学モデルを拡張して政策効果を織り込みながら、感染者数・入院者数の予測、医療体制のシミュレーションを行いました。モデルが完成するまでは、ひたすらレポートのことに頭を悩ませる日々。どうすれば、さまざまな感染対策を数理的なモデル上で表現し、経済活動への示唆を得ることができるのか──ごはんを食べているときもお風呂に入っているときも、常に答えを探し続けていました。

そうして四六時中考え抜いた末にようやくレポートが完成。レポートは社会の注目を集め、その中での提言が政策の一部に活かされることになりました。調査や分析の苦労が報われ、大きなやりがいを感じた案件です。

とはいえ、エコノミストの仕事は調査分析に基づく政策提言がすべてではありません。みずほ銀行の営業担当者とともに取引先企業を訪問し、お客さまに景気動向についてご説明したり、〈みずほ〉の経営層に経済見通しを提供したりと、グループ内の多くの部署と連携し、〈みずほ〉の成長を支えることも重要な業務です。

そうした調査部のさまざまな活動を通じて日本の経済や社会の発展に貢献することで、〈みずほ〉のプレゼンスを高めていく。それが私のミッションだと思っています」

コロナ禍においてエコノミストとしての使命と向き合っていた2021年4月。服部がそれまで所属していたみずほ総合研究所と、グループ内で主にITシステムの開発などを担ってきたみずほ情報総研が統合し、みずほリサーチ&テクノロジーズとしての新たな歩みがスタートしました。当時の想いを服部は次のように振り返ります。

「AIを含むデジタル関連の分析手法について、もともとグループ会社とは共同研究を行っていました。そのため当時私が抱いていたのは、会社の統合によって連携がよりスムーズになるという期待感です。

実際に統合後は、高い専門性と深い洞察力を兼ね備えたエコノミストやコンサルタントによる調査・分析、政策提言、そして先端ITの知見とシステム実装という互いの強みを活かしてシナジーを発揮することができ、機動力のある強い組織体になったという実感があります。

その一方で課題として感じるのは、海外赴任を通して学んだように、特定の分野に対する専門性をいかに高めるかということ。人的資本投資やサプライチェーンなど、各分野における専門性を確立し、社会に対してさらに付加価値の高い情報を発信していく必要があると考えています」

仲間と刺激し合いながら──さらなる高みをめざして成長し続ける

日本を含む各国経済の先行きを正確に予測し、取引先企業や〈みずほ〉の経営層に有益な情報を提供すること、そして、日本が抱えるさまざまな政策課題を解決するために専門性を高めること。この二つを両立することが、今後の調査部にとって重要だと服部は語ります。

「この二つの目標を追求し、調査部が今より高いステージで発信力を持つための一つの手段として、データ分析の手法をさらにレベルアップすることが大切だと考えています。そのために現在力を入れているのが、後進の育成です。次世代の調査部を担うエコノミストとして成長してもらえるよう、自分が培ってきた経験を活かして指導にあたっています。

まずは組織全体のスキルを底上げするために、データ分析の手法をイントラネット上で共有し、スピーディーかつ効率的にノウハウを蓄積していく取り組みを始めました。これを足掛かりとして、今後も若手の育成に注力したいと考えています」

入社15年目の中堅として、自身のスキルアップだけでなく組織力の向上を考えて仕事と向き合う服部。こうした取り組みができるのは、お互いを高め合う〈みずほ〉の風土ならではだと話します。

「新卒で入社した2009年からずっと〈みずほ〉で働いてきて、率直に感じる自社の魅力は“人”だということ。同僚や新入社員、キャリア採用のメンバーもみんな、スキルだけでなくモチベーションが非常に高い仲間ばかりです。お互いに切磋琢磨することで、自分やメンバーの成長がそのまま組織の成長につながっていると実感します」

メンバーとともにスキルを磨きながら、常に上をめざして進んでいく日々。今後の展望を次のように語ります。

「〈みずほ〉の成長は、日本の経済成長があってこそ成り立つものです。そのため、私の仕事である経済分析を通じて、企業の成長の土台となる日本経済の発展に貢献したいと考えています。高いレベルの調査に基づいた政策提言をすることで、日本経済の成長を支える。それが結果的に〈みずほ〉の成長へとつながることが理想です。

そのためにも目標としているのが、私の強みであるデータ分析手法をさらに高度化すること。課題を定量的に分析して、付加価値のある情報発信を追求していきます」

これからも服部は、より高いステージへと向かって仲間とともに挑み続けます。

〈みずほ〉のエコノミストとしての矜持を持ち、日本経済の未来に貢献するために。

※ 記載内容は2023年8月時点のものです

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