営業のエースから企画職へ。「1分1秒を無駄にしない」意識と行動で築いたキャリア | キャリコネニュース
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営業のエースから企画職へ。「1分1秒を無駄にしない」意識と行動で築いたキャリア

総合企画部 企画グループでグループ長を務める中山 雅人。現在はコーポレートガバナンスの高度化や組織活性化に取り組んでいます。2004年に新卒入行して以来、営業担当として基幹店舗での活躍を経て、中枢を担う企画職に就いた中山。その実績を支えてきた信念と、経験の中で得た学びに迫ります。【talentbookで読む】

グループ長としてコーポレートガバナンスと組織活性化のための活動をけん引

中山が所属するのは総合企画部 企画グループ。グループ長として、コーポレートガバナンスの高度化と、銀行内及び武蔵野銀行グループの組織活性化を推進してきました。

「経営に対する想いの強さが、武蔵野銀行の経営陣の特徴です。そうした想いを、うまく組織の方針や戦略にまとめ上げていくためには、コーポレートガバナンスの高度化が欠かせません。

また、各営業店や各部署の意見を集約しながら、効率的に全体最適を進めていくのも私たちの役割です。日々の仕事内容の中には細かい業務も含まれますが、それら一つひとつが積み重なることで、コーポレートガバナンスの高度化や組織全体の最適化につながればとの思いで仕事に向き合っています」

現在、コーポレートガバナンス領域では、主に三つの業務に携わっています。

「1つめは会議の企画運営です。部長会議から銀行全体の方針を決定する経営会議・取締役会まで、銀行内のあらゆる会議に対応しています。

2つめは規程や行内ルールの制定や改廃、関連法令に関する制度対応です。直近の例では、インボイス制度や電子帳簿保存法に対応するための行内体制を整備し、運用面のサポートに取り組みました。

3つめとして、金融庁や関東財務局、日本銀行等の当局窓口も私たちが担っており、金融庁検査や日銀考査のほか、緊急事態発生時の対応も、私たちが行っています」

一方、銀行内及び武蔵野銀行グループの組織の活性化にも貢献してきました。

「経営計画の策定や計画の実現に向けて、組織間の調整役を担っています。また、半期に一度実施している営業店の店舗表彰の企画と運営も企画グループが手がけてきました。お客様や地域の期待に応え、銀行のサステナビリティ経営につながったことが正当に評価される仕組みを基軸に据え、継続的に改善しながら運用しています」

企画グループを構成するのは中山を含めた4名のメンバー。少数精鋭で広範囲の業務領域を担当しています。

「私の直属の部下で調査役のメンバーが1名、一般事務の方が1名、臨時従業員の方が1名という体制です。私自身もプレイングマネージャーとして、日々さまざまな業務に奮闘しています」

「誰よりも努力する」ことがモットー。華やかなキャリアの陰で積み重ねた研鑽

学生時代、卒業後は自分が関心のある分野で働きたいと考えていた中山。

「銀行業界へ進んだのは、当時興味のあったアパレル業界と天秤にかけてみたものの、年齢を重ねてもお金への興味が尽きることはないと判断したから。また、形のない商品・サービスを提供する銀行の仕事は、他業界の営業と異なり、信頼・信用を売りにする真の営業力が必要であり、自分の“人間力”を活かせる仕事であることが背中を押しました」

2004年の入行後、中山は戸田支店に配属され、支店内で預金や融資業務に従事。その後、3年目から営業担当として外回りをするようになると、目覚ましい成果をあげました。

「個人のお客様に対して投資信託や保険の提案を行い、『預り資産収益全店トップ』の成績を達成することができました。当時、戸田支店では支店表彰をめざし全員が一丸となって努力していた時期。チームの一員として日々の仕事に懸命に取り組んだ結果が、個人的な表彰につながり、支店業績にも貢献できたと思っています」

その実績を評価され、2009年に越谷支店に異動して法人顧客の担当に。そこでも、地道に研鑽を重ねて好成績をあげた中山は、2014年には本店営業部に異動。より大規模な法人顧客を任されることになります。

「本店営業部に移って1年後に昇格し、企業課の課長を務める機会もいただきました。実績をあげれば、年次にかかわらず次のチャンスやポジションを与えられる組織風土の中で、多くの成長機会を得たと感じています」

キャリアステージを順調に駆け上がってきた中山。自身のキャリアパスに対して、早い段階から明確なビジョンを持っていたと言います。

「入行当初から、将来的には規模の大きな地元企業に対して価値ある提案を行い、企業の発展に貢献できる銀行員になることをめざしていました。また、同期と切磋琢磨するなかで、いち早く重責を担えるような行員となることを目標に掲げ、誰よりも努力しなければと、新入行員時代は毎日帰宅後にその日の復習をしていたのを覚えています」

地道に、誠実に業務と向き合ってきた中山。その仕事ぶりへの周囲の評価は高く、入行1年目に担当した出納業務のために作成した資料が、後に支店内の「出納業務マニュアル」として活用されたこともありました。

「学ぶことへのモチベーションを維持できたのは、出納業務を指導してくれた先輩が常に私の努力を認め褒めてくれたからです。意欲的な行員を評価する風土が支店内全体にあり、普段あまり関わりのなかった営業課の方から、『頑張っているね』と声をかけられたことも。そんな経験が、さらに努力を続ける気持ちを高めました」

本店営業部で企業課長としての経験を積んだ後、2018年に浦和支店へ異動し、与信判断や管理を担う融資課長も経験した中山。その後は営業課長への係替えを通じて、支店全体の業務推進や人材育成に尽力しました。

また、もう一段上の次のステップを見据え、支店長や次長とも対等に意見を交換しながら、支店全体の業務運営にも積極的に取り組みました。2021年4月に、現在も所属する総合企画部に着任しました。

「長く現場の第一線に立ってお客様と直接コミュニケーションを取ってきた経験から、企画職に就いてからも、お客様目線を大切にしてきました。また、私たち本部にとってのお客様は営業店です。本部側から一方的に提案するのではなく、営業店の課題や苦労を理解した上で、双方にとっての最適解を見つけられる、営業店と本部の架け橋のような存在でありたいと思っています」

判断する力を身につけたことで、仕事が自分事に。武蔵野銀行だから生み出せた好循環

入行当時の目標をかなえ、営業のエースとして活躍してきた中山。順調にキャリアを歩んできたように見えますが、人知れず葛藤を抱え、孤独な戦いを続けてきました。

「各営業店で4?5年間と長く勤められたことで、自信を持って『これを身につけた』と言えるスキルを自身の中に蓄積できたと感じています。一方、慣れない場所で新しい仕事に取り組むのは大きな重圧がともなうもの。異動するたびに逃げたい気持ちに駆られながら、これを克服してきました」

とくに、営業店から離れて慣れない総合企画部への異動時のプレッシャーは相当なものでした。着任してから約2年半が経過したいま、当時の心境の変化を次のように振り返ります。

「業務内容を自分の中で咀嚼し理解できたことで、初めて企画グループの仕事を自分事として捉えられ、前向きに取り組めるようになったんですよね。当初は知識が不足していたために判断ができず、それがストレスの原因になっていたと思います。知識があれば判断できることが増えますし、自分で判断できない場合でも、誰に相談すれば解決できるかさえわかれば、円滑に仕事を進めることができるものです。経験を積んでそうした境地に達して、心構えが大きく変わりました」

周囲を積極的に頼るよう心がけ、業務への理解が深まるにつれて、自分自身で考え答えを見つけながら成長を遂げてきた中山。そんな好循環を生み出せたのは、武蔵野銀行だからこそだと強調します。

「メガバンクなどに比べると組織規模が小さいため、行内で顔見知りが増えやすい環境です。この規模感だからこそ、異動があっても周囲の温かいサポートを受けながら新しいチャレンジに取り組むことができていると思っています」

また、企画の仕事に携わるようになって、中山が強く意識するようになったのが、「つくる」というワード。その理由についてこう説明します。

「『つくる』は、『作る』『造る』『創る』と複数の漢字で表現することができ、それぞれに異なる意味合いがあります。

企画グループには、各部からの報告事項を取りまとめる業務がありますが、この業務を『つくる』の観点から考えると、各部からの報告事項を単純に合体させることが『作る』に相当します。一方で、『造る』は、これらの報告事項を目的に合わせて整理や加工を行うことを指します。そして、これらの報告事項を基に新たな企画のアイデアを生み出すことが『創る』です。

企画グループとしては、『造る』は最低限のレベル。出来る限り情報や知識を蓄え、他者の考察を吸収しながら、中長期的な目線、経営目線を合わせ持ち、『創る』の姿勢で業務に向き合うべきとの意識で取り組んでいます」

さらなるキャリアアップの道筋。より強力なリーダーシップを発揮できる存在に

企画グループのミッションであるコーポレートガバナンスの高度化と、銀行内及び武蔵野銀行グループの組織活性化を実現することがいまの目標だと話す中山。そしてその先に描いている夢があります。

「企画グループで経験を重ねて、経営視点を養いながらさらに成長していきたいと考えています。新入行員時代に立てた、同期の誰よりも早く支店長になるという目標をかなえ、チームで成果を出し、表彰されるようなリーダーになりたいです」

武蔵野銀行をさらに盛り上げていくために。中山は新しい仲間に向けて、こんな言葉で参加を呼びかけます。

「ネットバンクやアプリが普及し、銀行でも非対面業務が増えてきました。当行内でも、デジタルを活用したコミュニケーションがますます増えてきています。しかし、行内で一緒に仕事をする以上、お客様やメンバーと意思の疎通を図ることに変わりなく、リアルであれwebを通してであれ、信頼関係を築く上でコミュニケーション能力は大切です。

求められるのは、わからないことを素直に『わからない』と言えること、そして周囲をうまく頼ることができる親しみやすさ、“かわいげ”です。ぜひそんな方に入行していただきたいと思っています」

本店営業部や営業店で、課長として多くのメンバーを率いてきた中山。メンバーに対して、1分1秒を無駄にしないことの大切さを伝えていくつもりです。

「その日の仕事をその日デスクに向かってから、考えて始めようとすれば、どうしてもスタートが遅れてしまいます。誰よりも速くスタートダッシュを切るためには、前日や通勤時間から準備をしておかなくてはなりません。

1日24時間、1年365日という時間は、みんな平等に与えられています。こうした積み重ねが1年、5年、10年と続けば、準備が十分でなかった場合と比べて大きな差が生まれることになるはずです。準備の重要性と時間の有限性を若いメンバーには強く意識してもらいたいと考えています。私が新入社員だった時代と、今とでは社会の価値観も変わってきている部分は多くあるとも思うのですが、普遍的なところは伝えていきたいですね」

華々しいキャリアの背後で、地道に努力を重ねながら結果を出してきた中山。その実直な姿勢は、今後も多くの若手行員にとっての模範となるでしょう。

※取材内容は2023年11月時点のものです。

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