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電車内での寝過ごしは酒の失敗談の中でもよくある話。しかし、いざ自分が当事者になるとその焦りは想像以上だろう。投稿を寄せた京都府の60代男性もそうした経験の持ち主だ。入職して間もない頃、大先輩からこんな話を耳にしたという。
「乗り過ごして山陰本線香美駅まで行って、駅ベンチで寝て始発で出勤した」
これに対し男性は、「自身はそんなことしない」と他人事として聞き流していた。だが十数年後、この「まさか」が現実となって男性に降りかかった。(文:湊真智人)
「終点ですよ」駅員に起こされ「何を冗談を」と目を開けたら…
男性は京都駅が始発のJR山陰本線(嵯峨野線)を利用していたようだ。その日は酔って電車に乗り込み、京都市内の太秦駅で降りるはずが、気が付くと終点の園部駅だった。「終点ですよ、降りてください」と駅員に揺すり起こされたときの心境をこう書いている。
「『何を冗談を…』と目を開けると、駅名表示板がパーンと飛び込んできて、酔いが醒めました」
驚きのあまり一気に目覚めた男性。動揺しつつも駅員に「こんな時皆さんどうしてはります?」と対処法を尋ねた。しかし返ってきたのは「京都駅行きはもうないんで、泊まらはるか、タクシーで帰えらはります」という非情な現実だった。
その後追い出されるように改札外へ出た男性は、清掃員の年配の男性に声をかけ、タクシーの料金を聞いた。すると「6000円前後」と言われ、案外安いと感じたのだろうか
「もう一軒飲みに行ったと思えばエエか!」
と、のんきにタクシー帰宅を即決した。ところが、客待ち中のタクシー運転手に料金を確認すると「1万2000円前後」と言われてしまう。金額に驚き躊躇していると
「あと2本最終着たら引き上げるよ」
と決断を急かされた男性。焦ったのか、クレジット決済できることを確認すると乗車した。
「寝ないでくださいね!」運転手が男性を起こした理由とは…
ともあれ、ようやく一息ついた男性は、目的の太秦駅周辺までの「小一時間」にウトウトしかけていた。すると運転手からまさかの一言が。
「寝ないでくださいね!名古屋で走っていたのですが、訳あって嫁さん実家のこちらに来たばかりで、縦貫道降りてから案内して欲しいんですが…」
どうやら運転手は周辺の地理に疎かった様子。一方、それを交渉のしどころと見た男性は、「有料道路料金(当時1000円)をおまけすることで合意」とちゃっかり値切ることに成功した。
こうした紆余曲折を経て、太秦駅にたどり着いた男性。最終的な料金は「1万2600円」と、当初の提示額とほぼ同額なことに驚いたという。しかし手痛い出費には変わりなく、「戒め」として当時のレシートを財布に入れ、
「それ以降は飲んでもウトウトしないように気をつけています」
と再発防止を強く誓っていた。
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